【YMS】コロナ禍、イギリスで仕事を探す(前編)
イギリスでどんな仕事をする?
ワーキングホリデービザの魅力は、何と言っても「海外で働く資格を得られる」こと。特にイギリスの場合は、ビザさえゲットできれば最大2年間滞在できる。やる気と能力さえあれば、どんな職種でも挑戦できるだろう。
かくいう私は、特別な資格もないし、それほどやる気も持ち合わせていなかった。そもそも仕事に疲れたので少し休憩したい、というのがワーホリのきっかけだ。それなのにイギリスに行ってまでバリバリ働く、というのは考えられなかった。自分の英語がどれだけ通用するのかも全くわからない。
しかしながら、それなりの貯金があるとはいえ、無収入ではどんなに節約しても2年間は賄いきれない。なので、滞在中の生活費が稼げる程度のアルバイトをする、というのが当初の計画だった。
ワーホリをする人に人気の仕事といえば、日本食レストランでのアルバイトだ。なんやかんやレストランやカフェが一番間口も広く、なんとか働けるんじゃないか、という気がしていた。ブリストルで見つけられるかは謎だったが、最悪ロンドンにいけば日系企業もたくさんあるので、日本語で働けるかもしれない。そのくらいの意気込みで、私は日本を発った。
まずはNINoをゲットせよ
渡英して半年、私は久しぶりの学生生活を謳歌していた。日に日に働きたくなさが増していたが、そろそろ生活費を稼がなければならない。住む場所も見つかり、英語もだいぶ上達し、イギリス生活にも十分慣れた。重い腰を上げて、就活の準備を始めることにした。
まず初めにやること、それはNational Insurance Number(ナショナル・インシュアランス・ナンバー)の取得である。イギリスで働くために必要な手続きで、税金などの管理に使われる番号らしい。要するに、これがないとこの国で働けない。
語学学校で出会ったYMS仲間がちょうど申請するところだというので、いろいろ話を聞いてみた。まずは電話で申請を行い、その後必要な場合は面接に行かなければならないらしい。
イギリスは何でもネットでできる体制が整っている印象だったので、電話での受付のみということに当時は驚いた。ところが、今調べてみたら、どうやら2021年からネットで申請できるようになったらしい。一年おせえよ。
とにかく、嫌でもなんでも電話をするしかない。日本語でだって電話は好きじゃないのにな。英語を使う良い機会だとおもって、覚悟を決める。ネットの情報や友達の話からだいたい聞かれる内容を確認し、どう返答するかもメモして、いざ電話をしてみる。
まずは自動音声が流れるので、指示に従ってダイヤルを押す。機械的な英語がむしろ聞き取りにくく、何度かやり直した。とにかくオペレーターに繋がるまで続ける。ネットには「なかなか繋がらない」とあったが、そんなこともなくすんなり繋がった。
「NINoの申請がしたい」と伝え、オペレーターからいくつか質問をされる。ほぼ予想通りの内容だったので、順調に答える。NINoが必要な理由、生年月日、イギリスに到着した日時、ビザの種類。ここで、いきなり予期していなかったことを聞かれた。
ビザについて何か言っているが、理解できず一瞬パニックになる。Expire(期限切れ) やValid(有効な)の意味がパッと出てこない。「Expireって何?どういうこと?」と何度も質問して、ようやく「ビザは有効期限内か?」と聞かれているのだと理解した。戸惑いながらも「Expireではない、はず」と答える。焦った。
一週間ほどで書類が届くはずだから、それに記入して返送するよう指示される。最後にReference Numberを控えるよう言われ、何かあれば電話でこの番号を伝えればよいとのこと。面接については何も言われず、電話はそのまま終了。第一関門突破だ。
面接の有無についてはよくわからなかった。ネットには、必要な場合は日時や場所を電話で言われる、と書いてあった。しかし、私より少し先に申請した友達も、面接については何も言われなかったという。昨年NINoを取得したという知人の話では、その時は面接が必須で、ちょっと離れた町まで面接をしに行ったという。さて、どうなるか。
その後、書類が送られてきたので、イギリス人の友達に手伝ってもらいながら記入した。それをパスポートやビザのコピーと一緒に、同封されていた封筒に入れて返送する。
その後ロックダウンが始まった。2カ月くらい経って申請したことも忘れかけていた頃、また書類が届いた。確認すると、自分のナンバーが書いてある。無事NINoを取得できたようだ。心配していた面接は免れた。2020年の方針だったのか、コロナが関係しているのかはわからない。いずれにせよ、それから手続きの流れも変わっているはずなので、確かな情報はやはり直近で申請した人に話を聞くのが一番だ。
(後編へつづく)