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残念!ホンダ・日産の経営統合打切り

昨年12月、ホンダと日産自動車が2026年に経営統合する予定であることを発表していました。久しぶりにワクワクするような気持ちのする話題だったのですが、この話は白紙となってしまうようです。
両者は持ち株会社方式の協議を行なってきましたが、統合比率などの条件が折り合わなかった、ということです。

その後、ホンダは日産の子会社化についても打診したようですが、日産は反発、結果的に協議は打ち切りとなりました。

この話は、そもそもホンダ側が経営統合の条件として、日産の「ターンアラウンド(事業再生)が条件」と要求していたようです。
というのも、日産は技術力はあるものの、米国でのハイブリッド車投入が遅れたこともあり、業績が低迷している状況です。
そこで、ホンダは日産に全世界で従業員9,000人、いくつかの工場閉鎖による生産能力2割削減というリストラの具体的な案を1月末までに提出するよう求めていました。

ところが、日産が提出したリストラ案にホンダは納得せず、持ち株会社という形式も持ち出しましたが、結果的に破談となってしまったようです。
ホンダは、日産の意思決定の遅さに対して不満を持っており、日産は子会社化で完全に主導権を握らない限り、変わらないのではないか、という見解も持ってしまったようです。

ただ、こうした意思決定のスピード感については、米トランプ大統領の動向が読めない点もあり、日産も決断が遅れた、という見解もあるようでした。

今後の自動車業界は、Connected(コネクティッド)、Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の「CASE」と呼ばれる新しい領域で技術革新が進むと言われます。
そうしたハイレベルの競争が行われる状況において、今回の話は各社が単独では生きていけないためにパートナーづくりに励んだ背景もあるのかと思います。

ただ、結果的には事前にそうした両者の愛入れない体質や組織文化がわかって良かったな、とも思いました。
何よりも働く社員たちに不満や不信があれば、せっかく統合してもいい会社になるとは思えないですからね。

とはいえ、チャンスをつかめなかったこの状況をどう挽回するのか、も大きな課題かと感じます。

日経新聞のコメンテーター中山淳史氏は、ドラッカーの言葉を引用しながら、経営者の使命として、誰が正しいかではなく、何をするべきかを追求する真摯な姿勢こそが物事を成就するための条件であると述べています。
本当にその通り。
どのように企業を維持し、社員とその家族を守り、顧客を満足させるか、そうした視点で会社を見なければいけませんね。

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