岡藤正広さん「私の履歴書」について

日経新聞に毎日掲載されている名物コーナー「わたしの履歴書」。
今年1月からは、伊藤忠商事会長CEOの岡藤正広(おかふじまさひろ)さんが書かれています。
過去の日々の生活の中で、岡藤さんという「商人」がどう感じ、考え、行動したか、それらを伝わりやすい文章で書かれていて、今月は毎日、楽しみに読んでいます。

岡藤さん曰く、
「わたしは社長になるまで大阪一筋。
 今もコテコテの関西弁で話す。
 文字にすると多くの方々は読みにくいだろうから、本稿は基本的に標準語とする。
 セリフは大阪弁が丸出しになってしまうと思うけど」。
こうした等身大の率直なお姿に、とても好感が持てます。

そんな岡藤さんの履歴書ですが、今日のタイトルは「会議、誰のため?」。

岡藤さんが社長になられた当時の伊藤忠商事では、会議自体の無駄が多かったと書かれています。
どうやら「会議のための会議」になってしまっており、あるグループ企業の社員は、会議のために1週間ネタ探しに走り回っていたようです。
そして、結果的に見事なプレゼンをするものの、自分の話が終わればホッとして他部門の話などロクに聞かない、という状況だったようです。
それを受けて、岡藤さんは「こんなことをやっていたら会社がつぶれる」と本気で思ったといいます。
そうした状況を受けて、社長になった段階で、様々な会議の短縮、上司への予習を課して仮説や結論をもって会議に参画させること等を実施された、ということです。

こうした無駄な仕事を徹底的に削るという地味な作業から、岡藤さんの経営改革は始まった、とも書かれています。

そうした中で、「かけふ」(=稼ぐ、削る、防ぐ)という経営改革の合言葉が生まれた、ということです。
これは、新聞広告にも出ていたくらい有名な言葉になりましたが、無駄な損失を防ぐ、そして、稼ぐ力を最大化する、という活動で、覚えやすいキャッチフレーズとして今でも愛用されています。

なお、岡藤さんは、社長就任から毎年、創業者の初代伊藤忠兵衛さんの墓参りを欠かさないと言います。
最初は「無事に任期を全うするため、力を貸してくださいとお願いしたくらい、自信が無かった」とも書かれています。

この忠兵衛さんへ費やす時間は今でも大切な時間となっているようです。
岡藤さんは書かれています。
「墓参りの目的は感傷に浸ることではない。
 恩人たちに伊藤忠の成長を約束し、結果で報いると誓うことだ」

これは私も現在の職場において、同感。
岡藤さんには大変失礼ですが、お粗末ながら、皆、悩みながら頑張っているんだな、と改めて感じました。
私もしっかり前を向かないと!


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