
ある平凡な女の物語
この物語は、どこにでもいる、田舎に住むとあるアラフォー主婦の物語である。
平日はパートに行き、家では家事をするごくごく普通の主婦だ。
家族は夫とペットの犬が1匹。
特別お金持ちというわけでもないが、特別貧しいわけでもない。
毎日美味しいご飯が食べられるし、ついでに晩酌だってできる。
そして独身時代よりはだいぶ回数が減ったとはいえ、たまには二人で外食もする。
世の中の平均なんてそんなものははっきりとわからないけれど、なんとなく、自分の位置は中の中か中の上くらいなんじゃないかと思って生きてきた。
今の家に越してきてそんなに長くもないが、近所の住民もまた、私たちと似たような生活をしている。
夫婦、もしくはパートナーと、子どもと、ペット。
区画整理によってできた新しい住宅地にきれいに並ぶ新築の一戸建てとちょっと今風なアパート。
庭にはファミリーカーともう1台の車。
多少の差異はあれど、これがこの界隈の標準装備だ。
もしかすると、たった数%の都会の超富裕層エリアやど田舎を除いた、日本のほとんどの標準装備なのかもしれない。
私はそんな、日本に何百万人もいる平凡な田舎の街に住む、平凡なアラフォー女なのだ。