#13誰かの人生の名脇役になりたい話
僕は昔から目立ちたがり屋でした。
長子ということもありますし、前に立つことがあまり怖いと感じない性格ということも目立ちたがり屋な所以だと思ってます。
ただ、高校を卒業したあたりからでしょうか、「僕に主役は向いてない」と感じました。
決定的なことはありません。
しかし、何となく感じました。
高校3年生の頃、僕は「自分が主役だ!」と思いながら毎日を過ごしていました。
そう思うような出来事はいくつかありました。
喘息で苦しんでいた3月を乗り越え、4月に記録を伸ばし、臨んだ地区大会。
部活を引退した直後、クラスから浮いている状態から彼女ができるまでになった夏休み。
「国公立大学は絶対に無理」と言われた夏休み、そこから勉強して国公立大学を受けられるまで成績を伸ばした高校3年生。
あの1年間だけは日常がドラマのように感じました。
確かに努力はしました。
1日1日を全力で生きていました。
それでもドラマはハッピーエンドへ向かうことはありませんでした。
ずっと悲劇を演じてきました。
友だちからは「そろそろ報われて欲しい」と言われるほど、惜しいところまできては最後の最後で力尽きてきました。
そんな自分を「ゴールを決められないストライカー」と思ってきました。
確かに目立ちたがり屋で、ストライカーというポジションは僕に合っていたと感じています。
しかし、点を決めてのストライカー。
最後を決めきれなければストライカーでも何でもない。
変わるきっかけを作ってくれた出来事が高校3年生の夏にありました。
それは、親友の精神病です。
親友の口から聞いた時、頭が真っ白になりました。
「親友が死なせたくない」
その一心で彼の話を聞き、受験期でも時間を作って彼と散歩をしました。
その甲斐があり、去年の春には専門学校へ通えるほどにまで回復しました。
僕は浪人しましたが、親友の回復が何よりも嬉しかったです。
「生きてて良かった」
その言葉を彼から聞けた時、「この選択は間違ってなかったんだな」と感じました。
その時「誰かの名脇役でも悪いことはないな」と思いました。
高校を卒業してからサッカーを観るにしても、映画やドラマを観るにしても、DFや脇役に目がいくようになりました。
相手のチャンスを潰し、自分のFWを際立たせるDF。
主役を際立たせるために徹底的に脇役に務める役者。
とてもかっこいいと思いました。
そして、憧れから「自分もなってみたい」と思ったのです。
だから、今やっているラクロスでも自分からDFを志望しました。
将来は夢を叶えたい誰かの脇役として協力していきたいと思っています。
そして、いつか脇役に徹した男として1つの小説を書いてもらうほど濃い人生を送りたいです。
これからもこのアカウントをどうぞよろしくお願いします。(36.4℃)
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