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#18クソみたいな日に名前を付けるとしたら①

「ごめんね」と言いたくなるほど脆い夜に

部活が終わってマックと豚骨ラーメン屋をハシゴ。
友達と別れた帰り道、夜は平等にやってきた。
自転車を漕ぎながら部活でできた痛みに気が付いた。
日に日に増えていく傷。
けど、ポジションの関係上傷付けてしまう回数の方が多いだろう。

夜の匂いが鼻を通る。
車を運転している人しか権利のない道路を走る。
夜の10時過ぎ。
丘の上の高層マンションの明かりはまだ明るかった。
明かりの数だけ人生がある。
でも、その人たちは僕よりもうんと素晴らしい人生を歩んできた人だろう。
そんなことを考えてしまう。

明かりのほとんどない上り坂を上がる。
「背伸びをしなくてもお前の居場所はここにあるから」と、迎え入れてくれるような凸凹としたアスファルトの道。

1月なのに春の匂いがした。
きっと気温が高かったからだろう。
上を見上げればオリオン座が僕らを照らしていた。
空は冬そのものだった。

家に帰っても誰もいない。
それでも「ただいま」と呟く。
誰も褒めてくれないから「今日も頑張った。お疲れ様自分」と呟く。
閉めかけたカーテンの隙間から夜の闇が優しく部屋を照らした。
そんな夜に「ごめんね」と言いたくなるくらい脆く、繊細だった。
胃の中で油が暴走していた。
そんなことをお構いなく夜は平等に流れていく。
洗濯物を回して、indigo la Endを聴きながら夜をぎゅっと抱き締めた。

「おやすみ。そしてごめんね」
抱き締めた夜は線が細く、しくしくと泣いていた。
「何も出来ない僕でごめんね」
頼りない僕を肯定してくれているような気がした。(36.2)

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