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だれが貴様の飼い葉桶から麦を食うか

ふとしたきっかけで昔のことを少し思い出したので記しておきましょう。

採用形態

私がMBAを終了して転職した会社でのこと今思い出せば複雑な権謀術数があったようです。業界は半導体。

S氏、私が入社した時のCFOで会計士バックグラウンド。古巣からサービス部門のコントローラー、FP&Aマネージャーを引っ張ってきていた。

T氏、本当はCFOになりたかったマン。私の入社時にはオペレーションのヘッドだった。社内事情には詳しい。

かつては半導体は悪魔のビジネスなどど言われ、シリコンサイクルで周期的に投資の反動から数年分の利益の大赤字を出すという構造でした。いまのSOX指数とか信じがたいがその辺は省略します。業界最大手でしたが過去のリストラで相当数が社内を去り、S氏はじめ社外から人を引っ張ってきた時期でした。S氏もいちおう業界大手からの転身でしたが私から見ても会計寄りでファイナンスがオペレーションを強く牽制する社風の某社でやっていくにはいろいろと弱かった。連れてきたマネージャーズによる立て直しも上手くいったとは言えず、結果的にはサービスの人はクビになり逃げ足が速いS氏は転職先を見つけて去っていきました。そのあたり引っ張ってきた人に対して責任なんかとらないようです。残ったFP&Aの人はのちに早期退職制度に応募することに。万を持してT氏がCFOになるのですが、かつてリストラで会社を去った人間を呼び戻したり、プロパー社員をかわいがるなど色々と自分のシンパを増やしてたようです。ちなみに私のところにも突然電話がありゴルフはやるのか?と聞かれましたがやったことがありませんと話してそれっきりでした。まあ私は非常に仕事ができる人だったので特にT氏の好き嫌いとは関係なく、順調に責任範囲を広げていったのですが。

このT氏ですが、やはり数年後に再びシリコンサイクルからの業績悪化の際に、本国エグゼクティブもゴロっと入れ替わり色々と苦しくなったようです。半導体はかつては日本が非常に大きな力を持っていたので世界の売上の半分を日本が占めていた時代もあったのですが、リーマンショックあたりではついに既得権益もはく奪されアジアの1リージョンという扱いになってしまいました。日本経済の相対的な沈没によりアジア地域での日本の扱いに大きな影響があったのは前回の不景気のあたりで多くの多国籍企業で見られたと思われます。この時期に全世界を巻き込む変革プロジェクトがあり私も海外出張などが多かったです。その後も主に人員面での入れ替えは続いて本社コントローラー、内部監査あたりも会社を去ることになり、T氏も古いファイナンスというレッテルを貼られたようです。なんちゃらTransformationがどういう思想なのかは別のnote記事に詳しいので参考までに。

さて居場所もなくなったT氏は別のIT企業のCFOに転じましたが、しばらくして私の部下(新卒プロパー)と同僚のマネージャーを引き抜きました。引き抜かれた側としては迷惑な話です。そして私のところにもT氏からFaceBookの申請が。どの面を下げて申請してきたのか知りませんがFaceBookってやつはこういう使われ方をするんですね。まあ嫌いでもなかったので許可したところ、転職しないかとか迷惑千万なメールが来たものです。もはや上司でもないのにこいつは何を言ってるんだと。

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まず私は他人にどうこう言われて重要なことを決めるのは大嫌いなんですよ。そのT氏もなんとIT企業を1年ほどで辞めて別のより大きな製造業のFP&Aのようなポジションに転職しました。そして引き抜かれたマネージャーと元部下は放置です。誘った責任なんか一切取らない。ちなみにマネージャーはまだそこにいるようですが、元部下は転職を確認しています。自己責任なので引き抜きは悪いとは思いませんが、体よく利用した感は否めません

さらに面白いのはそのより大きな製造業の時にはエージェント経由で私に電話がありました。しかしながら、その人の一連の行動や性質はわかっていたのでお断りです。だれが貴様の飼い葉桶から麦を食うか。どうせ転職先で自分の味方が少ないから声をかけてるだけでしょう。結局FaceBookもブロックし、今後一切連絡は持たないことにしています。こういうのは人間関係も破壊するので個人的にはお勧めしませんし、そういう引っ張られて転職したパターンでその後上手くいった事例を私は知りません。

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T氏はおそらくは次期CFOということでFP&A経由で入ったようだったのですが、その後のプレスリリースで見る限り人事異動はするもののCFOにはなれなかったようです。次期〇〇なんてのは信用ができない。今はどこかの半導体企業のCFOらしいですが社名などはしりません。


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