事務処理その1「指導要録」①
長期休業中、学校の先生は何をやっているのか。
なぜ児童・生徒がいないのに、授業もないのに忙しいのか。
疑問に思った人も多いと思います。
実は、休業中、学校の先生はひたすら事務処理や雑務をしています。
ここでは、意外と知られていない、学校の先生の事務処理についてお話しします。
第1回目は、「指導要録」です。
聞きなじみがないものだと思います。公文書の一つです。学校関係者でない限り、この文書の存在を知る人は少ないと思います。これを、学校の先生は生徒の数だけ作っています。
指導要録には、2種類あります。
「学籍に関する記録」と「指導に関する記録」です。
「学籍に関する記録」には、児童・生徒の名前はもちろん、生年月日、保護者の名前、出身学校などが記録されています。
当たり前ですが、公文書ですので、間違いがあってはいけません。
特に大変なのが、名前が特殊な文字のときです。よくあるのが、高橋の「髙」、山崎の「﨑」、斉藤の「斎、齋、齊」、渡辺の「邊、邉」です。
これは、4月に提出してもらう「生徒個票(家庭環境調査票)」で確認します。微妙な場合には、保護者に住民票を取得してもらうこともあります。読み方(ふりがな)に関しても、「やまざき」なのか「やまさき」なのか、徹底的に調べます。
離婚して名字が変わったり、引っ越しをして住所が変わったりすると、当然要録にも訂正を加えます。何年の何月何日に、どういう理由で変わったかまで記録します。学校は役所ではありませんので、直接保護者に聞くしかありません。ですので、休業期間のときに電話で聞き取り調査をします。
ちなみに離婚して学籍の名字が変わっても、保護者からの要望で、学校内では名字は変えずにおいて、周りから変わったことを知られずに過ごしていく児童・生徒はけっこういます。
ここまでの話だけでも、先生の仕事は授業だけではないんだとご理解いただけたでしょうか。
長くなってしまいましたので、「指導に関する記録」は次回。