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Ami Ⅱ 第9章-キアへの道②                            

第9章 キアへの道‐②
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僕たちは「クス、おいで。」と言いました。
すると、しばらくしてから、アミが「よく見てください。」と言ったのです。
目の前に白い霧が浮かび、それが渦巻き状になり、次第に人の形になっていきました。
ビンカは、怯えた様子でしたが、アミの笑い声が彼女を落ち着かせました。
「誰かが私の存在を必要としているのでしょうか?」
と、どこからともなく現れたその存在は、赤みがかった長い髪で、白い服を着た、若い男性だったのです。
僕は、何と言っていいかわからず固まってしまいました。
「この古めかしい船に、わざわざ仕事場から来させたのは、何か強い理由があるのでしょうね。」
と、その青年は微笑みながら、アミに向かって言いました。
「実は、いや、クス、ただ、この子達に、君のようなことができる人もいるんだよってことを伝えたかっただけなのです。」
「ああ。
なんと大きな使命でしょうか。
若い人に教えることは、どんなことでも強力な理由になりますね。」
クスは冗談っぽく、アミに共感してくれました。
「私達の小さな友達が、頭の中で100万個の質問をしているようですね。
さて、ご存知の通り、私の名前はクスです。
私は、地球を『脱獣化』する、つまり内なる獣を減らそうとする作業に、フルタイムで従事しているのです。
こんな無駄な宇宙船を使わなくても、宇宙を横断できるし、もっと速く、ほら、あなたたちの世界に行って、あるものをもらって、ここに戻ってくることも出来るのですよ。
。。。ほら、戻ってきました。」
なんと彼が持っていたのは、僕のクレヨンケースと、スワマの赤ちゃんの形をしたビンカの小さな人形だったのです!
そしてまた、彼は一瞬にして僕たちの目の前から消え、直ぐに戻ってきました。
「君たちの小さな持ち物は、既に元の惑星に帰りました。
いつか、君達が正しい行動をすれば、私のように出来るようになるでしょう。
私は、未進化の世界へ奉仕しに行くことで、今の私よりも優れている存在になることを望んでいるのです。
だから、あなた達を罰することはありません。
少し進化した君達が、自分の住んでいる3次元の世界に耐えられなくなった時には、4次元から来た私がどう感じているか想像してみてください。
パイプが折れたダイバーのようにね。
あはは!!」
「次元のことも、あなたの仕える世界のことも、まだ何も話していないのですよ。
これ以上、僕の友人達を混乱させないでください。」
とアミは冗談っぽく言いました。
「私が気づいてないとでも思っているのですか、弟よ。
この宇宙にはたくさんの住処があるという事実に慣れるいい機会だと思ったのですよ。
小さなお子さんたち、何か素敵なものを見たいですか?」
僕たちは、頷きながらそっと首を振るのがやっとでした。
「決まりですね!!」
と、クスはフランス語で言いながら、指で「パチン」と音を立てて、素晴らしい香りのピンク色の煙を残して消えていきました。
アミは嬉しそうに笑いながら、
「クスはかなり高いレベルなのです。
私の星より、彼は1000年先を行っていて、私のことを真面目でつまらないと思っているのです。」
すると、司令塔の椅子の背もたれに座ったラビットが、ニンジンを食べるのに頬を速く動かしながら喋ったのです。
「君達は真面目でつまらないんだよ。
以上だ、みんな、サヨナラ。」
と、今度は日本語で言い、手を振って僕たちに人参を放り込んで消えていきました。
すると、その人参が、ふんわりと浮いて、美しく香りのよい花に変化したのです。
ビンカの目は、まるでおとぎ話を楽しんでいるようでした。
そういうことが、まさに、起こったのですから。
「どうしてこんなことができるの?」
「彼は単にそれを想像するだけなのです。
彼が想像したものは具現化するのです。」
「でもこの花は想像ではないよ。」
と僕は言い、その繊細な香りを吸い込みました。
「これがマテリアライゼーション、具現化です。」
「4次元の意識を持つ者は、あなたにとって信じられないようなこともできるのですが、実は、実践と信念があれば、誰でも出来る事なのです。」
「4次元ってどこなの?」
とビンカが尋ねました。
「どこでもいい、ここでもいい、自分の部屋でもいい、至る所です。
それは場所ではなく、分子の振動のレベルなのです。
その高い周波数で振動できる人は、自分のことを見えるようにしたり、見えないようにしたりと、自分の好きなようにすることができます。
壁を通り抜けたり、姿を変えたり、宇宙の果てまで一瞬で行ったり、要するに別の法則に支配されているのです。」
「ってことは、彼らは愛の法則に支配されていないってこと?」
と僕は尋ねました。
「ふっ、なんという暴挙ですか。」
とアミは動揺した様子で言いました。
全宇宙に愛の法則から逃れらるものはなく、それに優るものは存在せず、他の法則や力は、私たちに見えるこの宇宙にも、見えない宇宙にも、3次元にも2次元にも5次元にも存在しないのです。
全創造物の支配力は愛、すなわち神であるからです。

他の法則に支配されていると言ったのは、例えば重力の力、エントロピー、時間、空間などの影響を受けなくなったということです。
彼らは非常に高い波動レベルに達していて、『宇宙の啓蒙活動』に完全に身を捧げているのです。」
それが僕には不思議に思えました。
宇宙を創っているのは神様だと思っていたのに...。
「そうですが、私たちを通して実行しています。
私たちが働き、みんなのために奉仕することを端的に示す計画を立て、それを実行に移すのです。
全部神様がやってくれたらむしろつまらない...。
さあ、とうとうキアに到着しました。」


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