Ami 第4章-警察だ!!①
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夜の11時頃でした。
こんな時間に街を歩くなんて、刺激的で危険な冒険のように思えましたが、アミの隣で守られているような気がしていました。
アミは散歩の途中、立ち止まっては木々の葉の間にある月を眺め、時には蛙の鳴き声や夜鳴き虫の声、遠くの波の音に耳を傾けるよう教えてくれました。
また、彼は立ち止まって、松の木や樹皮、大地の匂いを嗅ぎました。
そして、美しいと思える家、通り、角を観察していたのです。
「ほら、あの家々はなんて美しいのでしょう。」と、まるで絵を描くように言いました。
月光があのつるに降り注いでいる様子や、空の線に対して切り立つ屋根に注目していました。
「人生は健全な楽しみのためにあるのです。ペドロ。」
「人生があなたに与えるすべてのものに、注意を払うようにしてください。
物事の魔法の側面は、どんな瞬間にもあるものですが、私たちは普段、当たり前のことに必要な注意を払いません。
考えるのではなく、知覚して感じるようにしましょう。
人生の深い意味は、思考を超えたところにあるのです。
ペドロ、わかりますか?
人生は、おとぎ話のようなもので、誰かがあなたを愛しているからこそ与えられた、とても貴重な贈り物なのです。」
彼のエネルギー、彼の言葉は、僕に新しい視点を与えてくれました。
今、僕が考えてえているこの世界は、僕が注意を払うことのなかった、いつもの毎日の世界であることが信じられないようでした。
今、僕は一種の奇跡であり、僕は楽園に似た場所に住んでいて、いつもまるで『眠っている』ように、重要でない考えに没頭し、それに気づくことがなかったのだと気づきました。
町の広場に着きました。
店の入り口にいる若者もいれば、広場の中心で話している人もいました。
夏も終わりを告げたこの場所は、静かなものでした。
誰も僕たちを気にしなかったのです。
アミのスーツ姿や髪型を誰も気にしなかったのは、仮装だと思ったのでしょう。
もし、こんな『子供』が歩いていると知ったらどうなるでしょう。
取り囲まれ、記者やテレビが来て、僕は彼の友達に見えるでしょう・・・。
すごいことだ!!
アミは僕の心を読んで、「いや、結構です。」と言いました。
「殉教者になりたくありません。」
僕は、彼が何を言っているのか解りませんでした。
「まず、この国に 不法入国した罪で捕虜になります。
そして、私をスパイとみなして拷問し、我々の『侵略計画』に関する情報、とりわけ我々の科学的進歩に関する情報を入手し、それをどう武器に変えるかを調べるでしょう......。
そして、あまり愛情のこもらない方法で、私をレモンのように絞った後、医者は私の美しい小さな体の中を見たいと思うでしょう...。
いや、結構です。」
アミは、そんな恐ろしい映画のような話をしながら笑っていましたが、僕はその可能性があることを認識していたし、彼が広場で少年たちと話をするために陽気に近づいたとき、不安に感じたので彼を止め、もっと離れた場所に二人きりで座りました。
「あなたは被害妄想さんですね。」
と彼は笑いました。
僕は彼を無視し、エイリアンは徐々に姿を現し、人々がそれに慣れるようにし、そしてある日、堂々と自己紹介をするべきだと考え始めました。
「私たちがやっているようなことは、手がかりやシグナルを与えることなのです。
私が、今からあなたに説明する特定のプランに従って、『UFOの波動』をあるときは大量に、あるときはごく少量を流すのです。
しかし、私たちを公然と見せることは、そうすることが不便な理由を3つあげましたが、またそれが法律で禁止されているからなのです。」
「どんな法律?」
「普遍的な法律です。
進化した世界には、全員が尊重すべき一般的な規範があり、そのひとつが、進化していない世界に干渉してはいけないというものです。」
「進化していない世界?」
「良質の惑星文明を持たない世界をそう呼んでいます。」
「宇宙の基本法則に従って生きていないために、それを持たないのです。」
「どういうこと?」
「その法則に従って生きる世界は、。。」
「僕には解らないよ。
その基礎の法則とは......何の法則なの?」
「ほら、知らないでしょう。」
と、彼は、笑ってからかいました。
「あなたは進化していません! 」
「でも、僕はまだ若いからね。
大人は知っていると思うよ、科学者とか、国の大統領とか......。」
アミは大声で笑いました。
「大人、科学者、大統領?... 誰よりも劣る者たちです!」
「国を動かしている人たちでさえ知らないの!?」
「まあ、あなたの世界ではそういうものだから、幸せが少ないんでしょうけど...。」
「その法則とは何なの?」
「後で教えてあげます。」
「本当?」
僕は、大統領でさえ知らないことを知ることができると思い、興奮しました・・・。
「行儀よくしていればです。」 彼は冗談を言いました。
僕は、彼が言ったように、『進化していない』惑星に介入することの禁止についてじっくりと考え始め、何かが腑に落ちないことに気づいたのです。
「それなら、君はその規則に違反していることになるよね。」
と僕は驚きをもって言いました。
「ブラボー!あなたはこれを見落としませんでした。」
「いやいや、だって、君は介入してはいけないと、僕に話しているよね。
これは、介入することだよね。」
「地球の人類の進化的発展に不適切な形で介入することではありません。
あなたが望むように、自分たちの姿を堂々と見せ、大々的にコミュニケーションをとること、それが介入になるのです。
他にどんな理由で介入することが禁止されているか知っていますか?」
「分からないよ。」
「4番目、もしそうなったら、すでに述べた災害とは別に、この世界の歴史の中で最も恐ろしい大惨事が起こるかもしれないからです。」
僕はパニックになりました。
「アミ、どんな大惨事なの?」
「私たちが使っている経済的、科学的、社会的、精神的なシステムについて知った後、人々は私たちの真似をしたがるでしょう。
誰もが私たちを手本とし、自分たちを指導する人々、自分たちを組織するために使うシステム、伝統や信念に対する敬意を失うでしょう。
そして、この世界のすべての権力が数日で崩壊し、あなたの文明の安定を危うくするかもしれないのです。
一部の権力者は自分たちの特権を失うのを見て気が狂うだろうし、混沌として、あなた方がこれまで成し遂げてきたことが、すべて終わってしまうかもしれません。」
「そして、とても善良な君たちは、その醜い結末を避けるために介入し、僕たちのすべてを修復するんでしょう。」
僕は少し冗談めかして言いました。
なぜなら、宇宙の問題は、すべてが僕が思う以上に複雑であることが既に解かっていたからです。
「ある生徒のテストを他の生徒が行うのは、不正行為になります。
他の生徒があなたの代わりに試験をして、合格することを望みますか? 」
「いいえ、自分でやったという満足感を失うからね、だめだよね。」
「そして、もしここですべてをアレンジしたら、5番目、より高度な文明に到達するまで、自らの手段で進化してきたという正当な満足感を失うと思いませんか?」
「その通りだね、考えてもみなかったよ。」
「もっと多くの理由で、我々は許される範囲を超えて介入することはできないのです、ペドロ。」
「私とあなたの接触は、援助計画の一部なのです。」
「もっと詳しく説明してよ。」
「援助計画は一種の 『薬』です。
我々は服用量の範囲内でスムーズに、微妙に、非常に微妙に投与しなければなりません。」
「その『薬』とは何なの?」
「情報です。」
「情報?何の情報?」
「まあ、我々はずっと昔から、この辺にいたのですが、我々の存在についての重要な手がかりをあなた方に見せたのは、最初の原爆の後だったのです。」
「UFOが存在することが分かったの?」
「そうです。
援助計画が行われました。
そして現在も行われているのです。
それは、あなた方が宇宙で唯一の知的生命体ではないという証拠と、私たちが戦争に気づいている事をあなた方が疑うために行われました。
そして、推理力のある人は、もし私たちが攻撃的でなければ、もしより進んでいるならば、彼らもそうであってはならないという考え方が出来るかもしれません。」
「なぜ、僕たちを助けるために、そんなに手間をかけるの?」
僕はそう尋ねました。
彼は愛情を込めて僕を見て言いました。
「なぜなら、手間ではなく、喜びなのです。
連帯は自然で普遍的なものであり、進化が大きければ大きいほど、連帯も大きくなるからです。
困っている人を助けずにはいられないのです。
彼らも私たちも同じだと思うからです。
この世界の貧しい国々で、飢えと無力感に苛まれる人々がたくさんいることを、あなたは好みますか?」
「いや、もちろんそんなことないよ。」
「どうしてですか?
彼らは他の土地の人たちだから、彼らの不運はあなたに影響しないはずだと言う人がいるかもしれません。
しかし、それは我々にも影響を与えます。
たとえ彼らが別の物理的な外観で、他の言語を話す、貧しい人々であっても...。
そうでしょう?
魂が健康であれば、連帯はそれだけで流れます。
多くの善良な人々は、貧しい場所で起こっていることを好まず、何かしようとします。
ある人はその国に行って、できる限りのことをしようとしますが、それはただ連帯や共感のためなのです。
私たちもまた、同じような動機でここに集まっているのです。
とてもシンプルな理由です。
とりわけ、大きな力、例えば原子力エネルギーは、非常にデリケートで危険なもので、破壊のために使ってはいけないもの、同じ種に対してさらに使ってはいけないものです。
そしてあなたのためだけではありません。
乱暴な人々の手に渡れば、これらのエネルギーは他の世界にも影響を与え、望ましくない宇宙の不均衡を引き起こし、銀河レベルで波紋が広がる可能性があるからです。
そう理解してほしいのですが......。」
「本当に?」
「今のところ大丈夫ですが、科学は進歩しているので、もちろん用心しなければなりません。
理にかなっていると思いませんか?」
「そうだね、まったくだよ。
よく解ったよ。」
「一方、私たちは、私とあなたのように、ある一部の人たちと少し接触はしています。
また、テレパシーで『メッセージ』を送っています。
これらの『メッセージ』は電波のように空中にあり、すべての人に届きますが、それを受ける十分な『受信機』を持っている人もいれば、そうでない人もいるし、何も持っていない人もいます。
でも、私たちが出来るのは、情報や助けを与えることだけなのです。」
「わあ、僕たちも知らないうちに...。
とにかく、沢山じゃなくてもいいから、もう少し自分たちの姿を見せたらいいと思うんだ。」
「今のところ、いや今まで以上に、自然な形で自分たちを見せることはできません。
質量レベルでは何もできないのです。
ペドロ。」
「どうして?」
「なぜなら、私たちは、ただ、観衆を楽しませるために『発光現象』を起こすためにここにいるのではないからです。
私たちが善良な存在であることを知ってもらい、一緒に抱き合い、歌い、笑い、みんなでとても幸せになるためなのです。」
「ダメなの?残念だね。とても素晴らしいことだけど......。
なぜダメなの?」
「6番目、私たちがそうするには、あなたの世界には悪が多すぎるからです。
多くの悪のグループがあり、非常に強力で有害です。
彼らとハグするためにですか?
それで、彼らは私たちの技術を見つけるのですか?」
僕は少し考えて、現実には、それは人類にとって、僕の世界にとって、そしてどの世界にとっても破滅的なことだろうと考えました。
その時点で、僕は、無邪気であることをやめました。
「ここには悪い人がたくさんいるから、彼らと公然と関係を持つ準備は出来ていないのです。
私たちは世界の普遍的な連帯を促進するためにここにいますが、それは個人の成長なしには達成できないことです。
ペドロ、人々が良くならなければ。。。
さもなければ、進化ではなく、革命です。
恐ろしいことです。
だから、今のところ私たちの関心は、あなた方がUFOを見ることではなく、あなた方が内面的に成長することなのです。
あなたはすでに、内部と惑星の変化の必要性、連帯感や共感性の増大のための十分な情報を持っています。
なぜなら、それが、あなたの世界が好意的に変化し、あなたが私たちと共に立ち上がり、あなたを脅かす危険を終わらせるために必要なすべてだからです」
「君が言うその情報については、まだ聞いていないよね・・・。」
「あなたは、まだ若いので、世界の問題や個人の成長の問題に興味がないのです。
それは普通のことです。
しかし、私達に触発された事が、多くの本に何百万ページも書かれています。
そして、ドキュメンタリー、いくつかの映画でも、これらのことに触れているのです。