片付けをしていて思ったこと
(写真はSTARS展の奈良美智さんの展示だ。)
4月に緊急事態宣言が出されてから、解除された今も、私はずっと部屋を片付けている。いわゆる「断捨離」をしているのだと思う。
片付けは途方も無く、なかなか終わらない。終わらないが、気づいたことがある。
「どんな物も、長い時間が経つと懐かしい思い出になってしまう…。」
実に20年以上「整理しなければ…」と思いつつ見ないふりをしていた、引き出しいっぱいの大量のプリント写真と向かい合った。(自粛期間の賜物!)
当時のカメラで、フィルムを何本も丸ごとプリントしていたりする。良い写真だけを選んでプリントした訳じゃないから、何コレ、という雑な写真がいっぱい混ざっている。それらを処分して、いい感じの写真をアルバムに整理して、いつでも見返せるようにする。というのが目標だ。
私は困った。捨てられないのだ。20年も経っていると、雑な写真も全て懐かしい。例えばテキトーに撮った空らしき写真さえも、「20年前の空だ…」なんて思って全く整理が進まないのだ。どんなに自分が半目でも、明らかにシャッターチャンスを逃した写真でも、20年という付加価値がついて、全てが私の人生の歴史的資料になってしまった。
さて私が20年も直視できずにいたのは、スバリ数が多かったからだ。大量の情報と向かい合うには結構な時間と体力が必要なのだ。この先、今ほどそれらが自分にある状況はそうそう無いのではないか。だから私は今選ばなければならない。未来で気軽にアルバムを見返せるように。だって、見る為に撮ったのだから!
片付けは思い出と闘いながら続く。私は何かっていうとカメラのシャッターを切ってしまうのだ。全部が思い出になって思い出が埋もれてしまう前に、選ぶんだ。
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余談だが先日、森美術館のSTARS展に行った。現代アートが並ぶ中に、奈良美智さん自身のコレクションが展示されていた。奈良さんの軌跡だから価値があり、アートな訳なのだが、でも私も、自分の思い出をあんな風に丁寧に選んで並べて見たいって思ってしまった。可愛い。
あと、私の歴史的資料です。
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