わたしたちの未来遠点ー①ゲンマイドトキシンは、エピゲノムの芸術
2025 HECP国際博覧会
2025HECP international exposition
2025年は2055年の予兆であった。そして、2055年は重要な点において2025年の続編であった
Genmaidtoxin/プロローグ
わたしたちの未来遠点ー
ゲンマイドトキシンは、エピゲノムの芸術
命は何にも支えられていない
環境と遺伝子の間:われわれのエピジェネティクスは常に変化している。ゲノムに加えられた修飾をエピゲノムとよび、 エピゲノムは後天的なものであり変化を受ける。芸術文脈におけるエピジェネティクスとは、エピゲノムの集合であり、わたしたちの命は、一つの位相幾何/トポロジーにおいて連続的に明滅している。
生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである。だから、わたしたちの身体は分子的な実体としては、数ヶ月前の自分とは、まったく別物になっている。分子は環境からやってきて、一時的に「私/ホムンクルス」を作り出し、次の瞬間にはまた環境へと解き放たれていく。私たちの身体自体は、分子が一時的に形作っているにすぎず、そこにあるのは,連続写像そのものでしかない。その連続の中で、私たちの身体は変わりつつ、かろうじて一定の状態を保っている。その連続自体が「生きている」ということなのであり、わたしたちはこの生命の特異的なありようをトポロジカル・ステイツ/位相幾何的可変な状態と呼んでいる。
ここで私たちは改めて「生命とは何か?」という問いに答えることができる.「生命とは位相的可変にあるシステムである」という回答である。
そして、ここにはもう一つの重要な啓示がある。それは可変的でサスティナブルを特徴とする生命というシステムは、その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存しているのではなく、その流れがもたらす「機能」であり、環境との大循環の輪の中にある。サスティナブルは連続しながらも、環境とのあいだに一定の平衡状態を保っている。一輪車に乗ってバランスを保つときのように、むしろ小刻みに動いているからこそ均衡を維持できるのだ。