それでも、私たちは「ステーキ」を食べるのか。
もし海水温が1度低ければ、今回の災害は防げていたかも知れない。
過去の想定を超えた台風豪雨被害で、家族を失い、家を失った被災者の喪失と悲哀は誰しもが想像に難くない。それでも自分たちの町や村を再建してほしいという故人の意思を受け止め、自分が生き残った意味と常に対峙しながら、必死に地域の再建に取り込むことが復興である。復興とは防潮堤やダムなどのインフラ整備だけの問題ではない。
一般に海水温が1度上がれば、その分だけ台風の勢力は強くなる。温暖化により今回と同じか、それ以上の勢力の台風の襲来率が上昇するのは明らかだ。
未来の子供達にとって、私たちに一体何が出来るのか?
今こそ、気候変動や温暖化などの環境問題のビッグイシューに真剣に取り組む時であり、それを標準にする時である。明日から、明後日から取り組もうではなく『今』なのだ。この責任を未来の子ども世代やそれ以降の世代になすりつけてはならない。この問題は今の私たちにかかっているのだ。この責任を理解することは、私たち、今の世代の人々次第である。
私たちは、地球が直面している生物多様性の喪失、生態系の崩壊、そして気候変動に対しては、科学がこれらの問題に取り組むことができると信じてきた。
しかし、それは間違っていた。
気候変動や環境問題は、人間の利己的、貪欲、無関心であり、精神的な文化的変態が必要なのである。そして、科学者たちはこの問題を解決する方法を知らない。
それでも、私たちは「ステーキ」を食べるのか。
「意図的に除外されている」と主張する地球温暖化対策とは、「動物製品の消費を大幅に削減する」ことである。食肉や乳製品の加工に関する畜産は、飛行機・自動車・電車を含む輸送部門全体を超える温室効果ガスを排出しており、地球を救うには動物由来の食物を食べないようにするべきなのである。
畜産は二酸化炭素よりも強力な温室効果を発揮するメタンや亜酸化窒素の主要な排出源であり、森林破壊の主要な原因でもある。地球温暖化対策について述べる際に食肉の消費量削減について訴えないことは、生活習慣病の患者に対して食生活や喫煙習慣を改めるよう述べず、定期的な運動だけをアドバイスするようなものだ。
牛肉生産は大量の穀物や水を消費する。家畜が育つまでに、牛肉1キロに11キロの穀物と2万600リットルの仮想水と呼ばれる水が必要なのだ。
また、地球上の現在約8億以上が食料不足で飢餓に直面している。そして、私たちが牛肉ではなく直接穀物を摂取すれば、地球上の飢餓はなくなると言われている。
一方で食生活の改革が主要なトピックとして取り上げられない理由について、人々は長年の食生活を改革することを避けたがっているからだ。「化石燃料業界やそのロビイストを中傷することは、私たち自身の食習慣を改めるよりもはるかに簡単で、食肉の消費量削減という結論を受け入れたがらず、そういうことを言うと、この国のステーキをやめれない「おめでたい者」たちは、自らのエントロピーを縮減するために、「認知的不協和」を起こし一斉に騒ぎだす。だが、いくら騒いでも事実だから仕方がない。
ほとんどの人々は子どもの頃から肉や卵を好んで食べており、今さら食生活を変えるのは困難である。理性では肉を食べるべきではないと理解しているものの実際に行動に移すことは難しいのも事実である。
世界の電力網を大幅に転換させたり、温室効果ガスの排出に関する国際的な基準を採用したりすることに比べ、日々の食生活を変えることは誰にとっても簡単に思える。しかし、長年にわたる習慣や愛着、好みといった問題は、食生活を変えるという簡単なステップをこの上なく困難なものにしてしまう。
しかし、地球温暖化への対策は、「スケジュールが空いた時や気が向いた時だけ進められるものではない」とのことで、家が火災で燃えているのと同じように、地球温暖化は放置すればするほど深刻化し、いつかは「どれほど努力しても地球を救うことができなくなってしまう転換点」に達してしまう。
気候変動に対処するために個人ができる主要な行動として、「ゴルフはしない」「自動車を使わない生活をする」「飛行機に乗らないようにする」「植物中心の食生活にする」の4つである。
このうち、最も簡単に人々が参加できるのは食生活の変更であり、メタンガスなど二酸化炭素よりも大きな温室効果を持つガスの排出量を減らすため、個人レベルでも大きな貢献が可能なのである
たとえば多くの人々が夕食だけ肉を食べ、朝や昼に肉を食べないようにするだけでも効果がある。植物由来のマクロビオティックの普及や農業に関する法律の整備なども重要だと指摘している。また、個人の地球温暖化対策の重要性を訴えることで、大企業や政府の責任から目をそらす必要はなく、個人レベルの対策と同時に国や世界レベルの対策を推進していく必要があるのである。
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