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2021年のドラフト振り返り

先日、マーロー氏による『デザイン演説2022』という記事が公開され、Twitter上でも話題になりました。そして、それに関連してユーザー間で、ここ一年の各セットのドラフトを振り返る流れがありました。

この記事では私もその流れに便乗して、2021年4月~2022年8月頃のドラフト、セットで言えばストリクスヘイヴンからアルケミーホライゾン:バルダーズゲートの私のドラフト体験について語っていこうと思います。

なお、この記事は全てMTGアリーナでの体験を元にしています。なので、紙限定のパックについては触れていません。

ストリクスヘイヴン(STX)

私がマジックを始めたのがこのセットからです。

マジックも始めたばかり、ドラフトの定石も分からない、ということでかなり苦戦しました。「セット固有の能力語がある」というのも当時は知らなかったので「魔技って何?チュートリアルで習ってないよ?」みたいな感じだったし、履修・講義の意味もよく分からず講義のカードをメインに突っ込んだりしていました。

初心者なりに最初に「これつえ~んじゃね~の?」と思ったカードは「血の研究者」とか「クアンドリクスの誓約魔道士」みたいな+1カウンターが乗って育っていくカードだったと記憶してます。サイズがでかくなっていくのは分かりやすいですからね。特に血の研究家とかライフゲインで「なんかシナジーしてる!」ってのが初心者にも分かりやすかったです。また、「リミテは除去が強い」という情報は仕入れていたので「定命の槍」みたいな確定除去ある黒緑強いんじゃね~、って思いながら最初やってた記憶があります。

もりもり育つよ!つよいよ!

そして「実は白黒アグロが一番強いよ」という情報を仕入れ、ほぉ~と思いながら何となくマネしてみるものの、「アグロってなに?」という感じで上手く使えず、そうこうしているうちに終了……

といった感じで初めて触れたセットですが、ドラフトやMTG自体は楽しめたものの無知ゆえにセット特有の面白みみたいなところはあまり感じられずに終わってしまいました。

フォーゴトン・レルム探訪(AFR)

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)というTRPGゲームとのコラボセットということで、ダンジョン探索やダイス要素が取り込まれたセットでした。

まず、ダンジョン探索はチマチマとアドバンテージを稼いでいくという点がいかにもリミテッド感があり、良いメカニズムだったと思います。3つのダンジョンからさらにルートも自分で選択できる、ということで自己決定の機会が多く満足感を得られるシステムでした。フレイバーに富んでいて演出も凝ってたので、結構好きなメカニズムでした。

一方でダイス。こちらはダンジョン探索とはある意味真逆ですね。自分の意思とは関係なく完全に運任せで結果が決まってしまう。これには賛否あったかと思いますが、個人的にはこちらも結構好きな要素でした。ガチャって楽しいからね。

溜め込むオーガ」でダイス振って宝物を複数生成してマナジャンプ。そして「大地教団の精霊」で更にダイス振ってまだ土地の少ない相手をランデス、というムーブが個人的に好きでした。これでクリティカル(d20)が出るとゲキアツです。土地破壊最高!

ダイスころころ楽しい

メタゲーム的には黒赤が抜けて強かったですね。シンプルに黒・赤に強いカードが多く、宝物による色サポートやマナジャンプも可能。カレインによる宝物シナジー。そしてパクリファイス。そりゃあ強いわなという感じです。

自分も環境初期はいろんなアーキを試していましたが、気づけば黒赤を擦り続ける機械となっていました。クイックドラフトメインだったため、特定のアーキを再現しやすいのがそれに拍車をかけてしまいましたね。

イニストラード:真夜中の狩り(MID)

最初に気に入ったのは降霊を軸にした青白。分かりやすく1枚が2枚になる能力で、しかも裏面はスタッツは並以下とはいえみんな飛行持ちですからね。アドバンテージを稼ぎ、飛行クロックで勝つ。勝ち方もシンプルで分かりやすいです。特にトップコモンである「臓器の貯め込み屋」との相性がすこぶる良く、めちゃくちゃつええ~と感じました。この環境における臓器の貯め込み屋は結構ぶっ壊れでしたね。

臓器の溜め込み屋から降霊が落とせると爆アド

次に腐乱率いる青黒。腐乱トークンは2/2、ブロック不可、攻撃したら自壊とまともな戦力とは言え無さそうな性能をしていますが生け贄の種にしたり、クリーチャータップのコストにしたり。また、そういう活用が無くとも最後の押し込みでフルパンしてるだけで結構強かったり。MIDにおける黒の除去の強さ、腐乱トークン生成・墓地追放の両役を担う「戦墓の大群」、トップアンコモンの「病的な日和見主義者」「スカーブの世話人」などの存在によりこちらもかなり強いアーキタイプでした。

腐乱を突っ込まて1ドローしたりタップしたり

他にも白緑の集会は上手く組めれば速さで勝てたり、青緑はフラッシュバックによる物量で押すことが出来れば意外と悪くなかったり…。
初めてリミテッドでミシックに行けたこともあり、思い出深いセットでした。

一つだけ、イマイチな点があるとすれば、これはマーロー氏の記事でも言及されてましたが、狼男が弱かったという点ですね。
狼男をフィーチャーしたセットでこれはちょっと悲しいですね。

なぜここまで狼男が弱かったのか考えてみると

  • アドが稼げない

  • 狼男の本領を発揮するには夜にする必要があり、かなりのラグが発生してしまう

  • 苦労して夜にしたところで降霊やフラッシュバックで簡単に昼に戻されてしまう

などの要因がありそうです。

イニストラード:真紅の契り(VOW)

このセットは結構難しかったな~、と個人的に思ってます。アーキごとに強い・弱いはあるにはあるんですが、明確に上下が分かれているわけではなくどのアーキもそれなりにやれるからこそ他家との棲み分けが大事なセットだなと思います。

ゆる速(リミテ好きが集うDiscordサーバー)では青赤ジャッカルというアーキタイプも話題になりました。軽量の回避持ちクリーチャーやケッシグの炎吹きを詰め込み、祖先の怒りを始めとする軽量インスタント・ソーサリーを連打して速攻で20点を削りきることを狙うというアグロです。自分はあまりジャッカルしてなかったので、間違ってたらすみません。

ジャッカルって多分こんな感じ

個人的に一番好きなカードは「旅する聖職者」でした。白1/1/1のクリーチャーでタップすることで1点ゲインと対象のクリーチャーに+1/+0修整付与が出来るというカードです。素で使ってもライフレースに強くなるという利点がありつつ、白黒のライフゲインアーキや白緑の訓練アーキの核となるカードということで1マナクリーチャーながら大活躍してくれました。

勝率的にはあまり勝てなかったセットではあるのですが、いろんなアーキタイプを楽しめる、あからさまに強弱の差が無いというところで、結構バランスの取れた良環境だったんじゃないかなというのが私の感想です。

神河:輝ける世界(NEO)

日本をモチーフとした次元が舞台になっているということで、盛り上がったセットでしたね。ドラフト的にもコモンに初めて英雄譚が収録されたり、換装や忍術といったメカニズムが特徴的でした。

こちらも目立った強弱も無く、バランスの取れた良環境でした。英雄譚も全部ひっくるめて見ると1枚の仕事としては破格の性能ですが、タイムラグが弱点というところで良い塩梅だったと思います。

メタゲーム的には17Landsを見ると青黒忍者・黒赤アーティファクト・黒緑・白緑エンチャントが強く、赤白侍や赤緑改善がちょっと弱いという感じだったようですね。

自分はトップメタの青黒を使おうとするとあまり上手く勝てなかったため、黒赤とか白緑を狙ってやってました。特にサクリファイスでガチャガチャやるの結構好きなので、鬼流の金床はお気に入りでした。

盤面に2枚揃えば勝ち!

ニューカペナの街角(SNC)

リミテッドにおいては珍しい3色推しのセットでした。弧三色の組合せによる5つの一家があり、3色環境が初めての私にとっては期待もあり、難しそうだな~という不安もありといった感じでした。

蓋を開けてみると、とにかく斡旋屋(緑白青)が強い!
その理由の一つとして、今までのリミテッド基準では考えられない強すぎるコモンカードが白・緑に擦られてしまったからでしょう。「鼓舞する監視者」と「宝石泥棒」です。前者は3/2/1飛行キャントリップ1点ゲイン、後者は3/3/3警戒トランプルETBで宝物生成。どちらも「これってアンコモンでは?」と言いたくなる性能です。
白は他にも「ラフィーンの密通者」だったり、「集まる群衆」だったり2-3マナの優秀なコモンが多くそれがバント一強を支える要因になっていました。

おばけコモン

私はこの頃、行弘賢さんのドラフト配信を良く見ていたため、特に白緑を最初は好んでやっていました。前述の鼓舞する監視者、宝石泥棒どちらも使えて、かつ白緑マルチの市民の奉仕者が条件を満たせば2/3/3絆魂で殴り続けられるため、これもまたつえ~と思いました。

ゆる速で配信するようになってからは、強者から白青で飛行クロックパーミッションの強みを教えてもらい、それからは青の強さにも気づき、とにかく斡旋屋カラーを延々と擦っていました。

環境理解が深まり、バントが混むようになると結構グリクシスも強いというところでメタゲームが少し動いた感じがありました。ただ私自身がグリクシスもやれるやんって思い始めたのが本当に環境末期だったので、私にとってはニューカペナ=バント、という認識でほぼ終わってしまいました。

改めて振り返ってみるとバント一強というところでやはり少し単調な環境だったのかな~と思います。
フォーゴトンも黒赤の一強環境でしたがダンジョン探索とダイスがティミー的な楽しさがありフレイバーにも富んでいたためその楽しさがあったのですが、ニューカペナはそういったメカニズム面でもあまり惹かれるものが無かったのが少し残念かなという印象です。

アルケミーホライゾン:バルダーズゲート(HBG)

統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いという、こちらもD&Dとのコラボセットをアルケミーで遊べるように調整したという意欲的なセットによるドラフトです。こちらは現在進行形で開催されております。

二体掛かりがアグロしながら軽率にアドを取っていくので、結構アグロ優位な環境です。ただ、緑にもマイコニドという優秀なマナクリーチャーが存在しそこからアウルベアヒルジャイアント戦慄のリノームというデカブツや他色レア叩き付け戦法があるため、アグロしか勝たん! みたいな環境ではないと思っています。
残念な点は、青が結構な死に色なことでしょうか。上述の通り、二体掛かりが軽率にアドを取れてしまい逆に青は今回アドを取る手段に乏しいです。また優秀な飛行クリーチャーも存在せず、どのコモンクリーチャーも並以下なためかなり厳しいです。

青が弱い、ということを除けば個人的には割と楽しい環境だと思っています。「専門化」とか「永久に」などのアルケミー特有の要素のややこしさに最初は辟易しましたが、そこを乗り越えてしまえばという感じですね。

まとめ

私のここ一年少しのドラフトについて振り返ってみました。まだMTGを初めて間もないということもあり、どのセットも新鮮に楽しく遊べたな~と思います。
また振り返ってみると「このカード強かったな〜」とか「これ好きだったな〜」と思い出すことができて楽しかったです。皆さんもぜひやってみてください! ではでは!

※本記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

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