とある傍観者の独白
この記事はファン主催の企画『富士葵ちゃんと振り返る Advent Calendar 2023』に寄稿したものです。
プロローグ
「hebitaro君って永遠の傍観者だね」
友人にこんな風に言われたことがある。
それなんて斬魄刀?
てな感じで今ならツッコミの1つでも入れたくなってしまう。
だって“傍観者”ってあまりいい言葉じゃないよね。しかもなんで“永遠”!?
それでも友人の発言がごくごく平熱の語り口だったので、意外なくらいスッと心に入ってきて。
これは自分の本質を言い当ててるな、と素直に思えた。
友人たちとの集まりでも自分が中心になるより、ちょっと離れたところで見てる方が好きだし。
4人以上の集まりになると発言することより聞くことの方が多くて。
話題の中心にいるよりも周辺で見守っていたい…そんなタイプ。
あんまり自分から主張もしないけど他人を否定もしない。
“永遠の傍観者”とは、どこまでいっても当事者になれない自分の心の在り方そのものな気がしたんだ。
そんな斬魄刀(永遠の傍観者)を携えた者の推し活(?)の記録である。
ここから先はツッコミの構えを崩さず、読み進めていただければ幸いです。
第1章 出会い
富士葵との出会いは「なんでもないや」の歌ってみたである。
キッカケはTwitterのタイムラインに流れてきた誰かのツイート。
「めっちゃ歌うまいVtuberの子がおる!」と興奮気味のツイートのリンクから初めて富士葵の存在を知ることになった。
動画を視聴した感想は…。
確かにうまい。
そして“この手があったか…!”だった(えっ
何目線?な感想だけど、仕事でYouTube番組制作(ゲーム実況)をしてたこともあったのか。
黎明期のVtuberをそこそこ知ってた中で、初めて観た「歌ってみた動画」だったのでものすごく可能性を感じたのは事実。
「歌ってみた」はYouTube検索のノイズ、素人のカラオケなんてUPするな…と思っていた(言い方w)自分にとっては衝撃の体験でした。
富士葵…やるじゃねぇか…!
と自己紹介動画を見始めたところ…。
「アスパラのベーコン巻きとか〜」
お…おう…。
みんなのことを応援…?
ずいぶんフワッとしてるけど…大丈夫か?
(当時の感想ですw)
そこで無情のブラウザバック。
hebitaro、見切りが早すぎる。
セール品で3割引になってる商品を見て「買わなかったら10割引」と言って買わない…そういうヤツだよ。
いま思えば、せめてチャンネル登録してコメントの1つも残しておけば古参を名乗れたのにね(笑)。
…ってこんな話ばっかりの文章なので、見切りが早い方はブラウザバックお願いします(笑)。
第2章 セカンドインパクト
富士氏と再会したのは約一ヶ月後(意外と早い)。
キッカケは、たまごまご氏の記事である。
(※注)
上記リンク先の記事は改稿されていて、自分が当時見た記事のタイトルは【歌姫VTuber「富士葵」に友達ができた日】みたいな感じだった。
この記事には、第1章でブラウザバックした後の富士葵の軌跡が記されていた。
記事タイトルの“友達”はごぞんじキクノジョーのこと。
とりあえずキクノジョー召喚動画を観て…ふんふん…友だちを黒魔術で召喚ね…ずいぶんトガってるな…w
それよりも衝撃を受けたのは、この動画。
初めて観たとき、リアルに椅子から転げ落ちそうになった。
おい歌うまってレベルじゃねぇぞ…!
ちなみに2023年の現在までで、歌ってみた動画でこんなに驚いたことはない。
まさにセカンドインパクトである。
当時“Vtuber界のスーザン・ボイル”といわれていた富士葵。
歌はうまいけど容姿が…なんて評判を自身の歌唱力で吹き飛ばしてみせた富士葵。
あんたすげぇよ。
しこたま感動し過去の動画を遡り「なんでもないや」以降の動画をすべてチェック。
やっぱ歌うめぇ…。
あとこのハチャメチャに笑ってる動画最高じゃね?
という感じですっかり夢中になってしまったhebitaro。
その流れで知ったのがCF(クラウドファンディング)である。(記事にもありました)
CFでモデルのアップデート…!?
う〜ん。
自分はパスかなぁ。(ブラウザバック)
hebitaro、またしても見切りが早すぎる。
いや当時CFは今ほどメジャーではなかったけどさ…。
CFの仕組み自体に胡散臭さを感じてしまったのもわからなくはない。
ただ、ここで支援していれば古参を(以下略
エンドロールに名前刻みたかったな〜と今では思う。
ちなみにVtuberのCFはあの時点で前例なかったのでは?(ソースなし)
2,200万円での達成は花譜の4,000万に抜かれるまで記録だった記憶があります。
このCF、いろんな方が支援してくださっていて、まんが家さんの名前もチラホラ。
先頃アニメ2期の制作が決定した「SHY」の作者・実樹ぶきみ先生の名前もあったのはビックリだ。
(当時はまだチャンピオンで「SHY」が連載開始する前だと思う)
さて。
活動初期、CFという絶好の推すタイミングを二度にわたって逃し、相変わらず傍観者のままだったhebitaro。
この後、史上最大のやらかしをしてしまうことになる。
第3章 壁に耳あり
CFは華麗にスルーしてしまったものの、やっぱり気になるじゃない? 新モデル。
で、お披露目動画観たんですけど…。
コレやばない?
2023年の現在までで、新衣装のお披露目動画でこんなに衝撃受けたことないよ!(2度目)
当時は“孫”とかいって可愛がられてたんだけど、わかるわ〜。
ん? 「当時は」?
いや、今は…ねえ。
そこはツッコミ入れるとこちゃうぞ!w
この“羽化”動画にすっかり魅了されて気分だけは歌劇団になっていたhebitaro。
まだチャンネル登録はしていなかった(しろよw)。
チャンネル登録していなかったこととは関係なく(だから登録しろw)、以後の富士氏の活躍はスピード感を増していく。
メジャーデビュー決定、そらあお結成など、楽しいことがいっぱい。
この贅沢な日々をリアルタイムで傍観(w)できたのは幸せだった。
そして、ついにその時がきた。
富士葵はじめてのリアルライブ決定。
お台場で行われた「食フェス×エンターテイメントバトル Fight!」である。
富士氏と1対1でお話? できるわけないでしょうが!
エールアンドエールのハイタッチ会も大葵菊祭のおしゃべり会もスルーした男やぞ!
おっと…これは未来の話だったw
お話なんて無理。
こちとら斬魄刀もちやぞ…(意味不明
それよりもライブだよ…。
しかも初のリアルライブだよ…。
行くしかねえ。
しかし生まれてこのかた音楽ライブに行ったことのない自分が…ライブ…。
(あっ大学時代に友人のライブには行ってた。テヘッ)
お台場…8/19…ん? その日コミティアじゃね?
奇しくも同じ日、ビックサイトでコミティアという同人誌イベントが開催されることに気づいてしまった。
あ〜、これは…帰りに寄れちゃうね〜。
いや〜偶然だなぁ〜。
というわけで偶然を装ってFight!に行くことに決定。
当日。
クッソ暑い中、国際展示場からひと駅歩いてFight!の会場に着きましたよ。
あれが富士葵のブースか…と遠くから確認。
いいじゃない。
きちゃったよFight!
Fight!きちゃったよ!
そして運命の時間が近づく。
ライブ会場そばまで移動して、呼び込みの兄ちゃんが“もうすぐ”って言ってる向こう、会場の中を覗き見したのさ。
いや衝撃。
歌劇団の方々めっちゃ仕上がってた。
これがよく言う「面構えが違う」ってヤツなのか…!?
眩しい。
あまりにも眩しすぎる。
もはや斬魄刀なのかポムじいさんなのかわからんけど、まあとにかく会場に入れなかった。
入れなかったんだよ。
とはいえですよ。
目のまえで5分後には富士葵の初リアルライブが始まるんですよ?
そのまま帰れますか?
無理だよね!?
どうしたか。
会場のすぐ外で聞いてました。
ん?
会場の外で聞きました。
えっ。
secret baseよかったよね〜。
いやよかったよねじゃないのよ。
斬魄刀とかポムじいさんとか言ってないで会場で聞きなさいよ。
ん? そもそもチケット買ってなかった?
馬鹿野郎。当日券でも買いなさいよ。
…ってこのやり取り、一人で書いてるからただのノリツッコミじゃんよ!
…というわけで。
会場の壁の向こうで聞きましたとさ。
さすがにしばらく凹みましたね。
一度きりの初ライブに参戦する機会を逃して…しかも壁の向こうで…なんて。
“後方腕組み”とか言うけど、後方で腕組みしてるつもりが壁にめり込んでたみたいな。
伝説のイベントFight!は自分にとってほろ苦い記憶になったのでした。
第4章 旅は道連れ世は情け
さて。
ここまで重要な推し活ポイント(?)をスルーしまくってきたhebitaro。
そろそろ何かあるだろ!?と思ったあなた。
きました!
あの企画が…!
バスツアー…だと!?
想像もしなかった方向からやってきた刺客…じゃなくて企画に斬魄刀も疼くってものよ。
いや疼いちゃダメか。
結論から言うと、バスツアー…参加できませんでした。
参加費はなんとか出せる額だったんですが…イメージできなかったんですよね。
自分が歌劇団の方々とコミュニケーション取れてる図が。
もちろん歌劇団の方々、皆さんいい人で絶対かまってくれると思うんですけど(笑)、ファンコミュニティみたいなトコに属したこと人生で皆無だったので…。
だから“面構えが違う”とか勝手に自分をサゲちゃったりしてたところはあって。
…とか、なんだかんだ言ってても、参加できなかったことには変わりはなく。
それでもFight!の時みたいに、やっぱり気になる…よね(笑)。
Twitterのハッシュタグ、監視してました。
#富士葵JTBツアー
参加した歌劇団の方々のツイートを見てたらですね…。
やっぱり楽しかった!
一歩踏み出せなかったことへの後悔と自己嫌悪でもやもやとしていた心に、一陣の風が吹いたように。
スッ…。
と気分が軽くなった。
歌劇団の方々は皆いい人ばかりで、ツアーを心から楽しんでいて。それを実況ツイートしてくれている。
なんてありがたいんだ!
その思いが、壁と一体化していた身体を動かした。
それまで富士氏関連のツイートはほぼゼロ。ハッシュタグ付きのツイートをするなんて絶無だった自分が、思わずしてしまったツイート。
それまで壁にめり込んでた自分が、5センチくらい顔を出して感謝の言葉を口にした。
その瞬間を捕捉された。
誰に?
富士氏に。
なんとご本人にフォローされちゃったのである…!
やべえぇぇぇぇぇぇぇ!
見つかったぁぁぁぁぁぁ!
いや見つかったって何よw
正直最初はかなり焦った。
変なツイートしてないか過去遡ったり。
マジでしばらくツイートできなかったw
だけどやっぱり、嬉しかった。
心のなかに小さな火が灯ったみたいにあったかくて。
ふわっとしていた自分の気持ちに芯が通ったような感覚。
ようやく歌劇団の末席に加わることができた気がした。
壁と一体化していた自分から、少しだけ、顔を出すことができたんじゃないかなと。
冷凍されたハン・ソロみたいな感じにね。
エピローグ
ざっくりまとめると。
傍観者的に推しの活動を見守ってきた者が、思わず発した同じファンへの感謝の言葉…それをキッカケに推しにフォローされて。
以後、いままで以上に積極的にイベント参加をするようになった。
という感じ。
ストーリーとしては立派なんだけど…。
じつは性格は1ミリも変わっていない。
相変わらず多人数の席では自分が話題の中心になることを避けてるし、イベントに行っても皆さんが楽しく交流する様子を離れて眺めていることの方が圧倒的に多い。
つかほとんどかな。
依然として壁。
…でもまあ、それも楽しいのよ。
性格ってその人固有の心のリズムみたいなもので、そうそう簡単には変わらないし、変えられない。
でも、そこにメロディは乗せていける。
いろんなイベントに参加して、楽しかったり、大変だったり…いろんな想い出をメロディとして心のリズムのうえに乗せていけるんだ。
それこそが、君だけの音になるんだ。
永遠の傍観者といわれた自分の、不格好なリズムのうえに。
これからもいろんな想い出のメロディを重ねていきたい。
その楽しさを教えてくれた富士氏と歌劇団の方々に感謝してます。
ありがとうございました!(終わってない)