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生徒さんが日本に来た!(その3)

世界有数のパウダースノーを求めて、今シーズンもさまざまな国のスノーボーダーとスキーヤーが北海道を訪れています。ミュンヘン在住のクラウディアさん(仮名)は私の生徒さんで、はじめての北海道をご家族でお楽しみです。

クラウディアさんはこの旅行を一年ほど前から計画していて、最初は「ニセコに行きたいデス」とのことでした。たしかにニセコは世界一の雪質と美しい山並みを誇るスキーリゾートですが、北海道民の私はついうっかり脳裏に浮かんだ(ベタなチョイス・・・)に基づき、余計な一言を言ってしまいました。

へび「ニセコは外国人でいっぱいなんですよ。日本じゃないみたいです。外国人がいっぱいすぎて、国内なのに語学留学が企画されているくらいです。日本語を話さなくても済んでしまいますよ」

クラウディア「日本人がほっかいどうでりゅうがく?!」

へ「そうです。ニセコはもう日本じゃありません(極論)。物価も宿泊費もめちゃめちゃ高くて、味噌ラーメンなんか平気で3,000円とかなんですよ。札幌市内で食べれば1,000円です」

ク「日本じゃない・・」

というわけでたった一人の日本人から偏見に満ちた情報を得てクラウディアさんは予定を変更し、現在ルスツ(留寿都)に滞在中です。それはそれでご満足いただいているようです。

そんなクラウディアさんが、札幌に立ち寄るとのことで市内をご案内することになりました。ルスツから着くバス停でお迎えするための準備をしていたところに、メッセージが届きます。

ク「せんせい、バスがクシャーンに着いてしまいました」

あい?それはもしかして倶知安(くっちゃん)。クラウディアさんの乗ったバスはルスツから羊蹄山(ようていざん)をニセコ方向にぐるっとまわって終点倶知安に着いたようです。

羊蹄山(ようていざん)を囲むようにルスツ、ニセコ、倶知安が位置しています
羊蹄山は蝦夷(えぞ)富士とも呼ばれています
夏の羊蹄山、登山が趣味のパートナーが撮影
羊蹄山から見たニセコ

留寿都から札幌まで約2時間の予定でしたが、なぜか倶知安に行ってしまったので、JRに乗り換えて小樽経由で札幌に来ることになりました。

図らずも車窓からニセコを見ることができ、乗り換えのために小樽にも立ち寄れてしまった
北海道はでかい

思いもかけない外国での冒険で興奮気味のクラウディアさんを札幌駅でお迎えできました。なお「乗るバスは間違えていない」の言葉は信じるしかありません。帰りのバスのチケットと停留所を先に確認して市内観光に出かけます。予定より遅れたので札幌中心部を徒歩で回ることにします。

まずは定番、赤レンガ庁舎を見学。北海道の歴史がちょっとだけ学べます。ちょっとだけ。

次は、三大がっかりの誉れ高い札幌時計台で、しっかりとがっかりしてもらってご満足いただきます。

ランチはごま蕎麦八雲(やくも)

ご注文は天ぷらそば1,580円。クラウディアさんによると、ミュンヘンのランチは東京の二倍ぐらいのお値段だそうです。札幌は東京よりさらに安いので驚かれます。

ノルベサは、「乗るよね」「乗るんだよ」のニュアンスの北海道弁です。観覧車は夜がお勧めですが乗っちゃうべさ。

AOAO(アオアオ)は一昨年オープンした札幌の中心街にある水族館です。ここは私も初めて行きましたが、面白かった!イワトビペンギンは普通にかわいいけど、なにやら不思議な見たことのない魚に興味津々。時間のあるときにもう一度行きたいです。

クビナガガメ、そのままのネーミング
シーラカンスの化石つまり死んだ生きた化石の化石
なせか顔以外は埋まってるハゼのなかま
庭園のような水槽の展示

ドイツのお土産にかわいいハンドクリームをもらいました。

ドイツ語わからない


ドイツ語わかった!

クラウディアさんが札幌で見るものすべては「安い!」のご感想をいただきます。それもそのはず、彼女のミュンヘンのアパートは六畳一間のサイズにシャワー、トイレ、キッチンがついたバブル時代みたいなワンルームマンションでお家賃が日本円にして月26万円ですって。ええ、もちろん畳で数える部屋の広さの表しかた、二畳で一坪という土地の面積のはかり方も、要らない知識としてしっかり教えてあげました。

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