お金に対する意識。実は社内に強く持って欲しい。【6夜目 第3話（全3話）】

青山でデジタルプロダクションを営む5人の社長たちが、夜な夜なお酒を酌み交わしながらへべれけで語る馬鹿馬鹿しい笑い話や熱いクリエイティブ論をゆるっと公開中。ぜひ第1話からお読みください。

へべれけになったCEOおじさん
今村 玄紀（BEES/HONEY INC）新婚ほわほわ！最年少おじさん。
加藤 琢磨（SHIFTBRAIN Inc.）子供と一緒に！メルカリおじさん。
定金 基（COPILOT Inc.）今夜もファシる？！出禁おじさん。
田口 亮（FOURDIGIT Inc.）今夜のキーマン？シャーペントークおじさん。
村田 健（SONICJAM Inc.）何だかお疲れ？最長老おじさん。

今回は、以前の記事で募集したへべれけメイト(ゲスト)として、UNIBA INC. CEOの菊地さんにお越しいただいています！

定金：
いつの間にか、菊地さんの持ってきたテーマの『お金の話』になってますね。

今村：
確かに。教育目線ではありますけど。

菊地：
そうですね、シャーペンの話めちゃくちゃ面白かったです。

田口：
ありがとうございます（笑）

村田：
本当はどんな話したかったの？やっぱり会社のお金の話？

菊地：
正直、そんなにこだわりを持ってお金の話がしたかった訳ではないです、スミマセン…（笑）ただ、せっかく社長の皆さんが集まる機会なので、お金について聞けるなら学びたいとは思ってました！社内で色々と着手し始めたタイミングだというのも影響してるかもしれません。

田口：
なにやってるの？

菊地：
ウチの会社、環境を整えるための買い物については権限を結構大きくしてるんです。でも、あんまり使われてなくて…。聞いてみても、数千円の備品買うのを遠慮してたりするんですよね。

加藤：
うんうん。

菊地：
そんな中で、逆にサーバー費は100万円単位だったり、よく見るともう使ってない案件のサーバーを消すの忘れちゃったりしがちなんですよ。これってすごく勿体ないなぁって。『そのお金で、悩んでた備品の上位版買えちゃうよ？！』みたいなの、あるんですよ。

村田：
ウチもその悩みあるよ。案件の中の500万の外注費とかは個人判断で進めてくれるのに、10,000円とかの経費ですごく質問してきたりするんだよね。承認を得るのは、自分で判断して責任を負うのを避けてるんじゃないか？って思うよ。

定金：
健さん考えすぎだよ。疲れてるよ。

今村：
（笑）菊地さん、続きを…

菊地：
（笑）皆にはもっと、自分達のためになる形でお金を使えるようになって欲しい。『会社のお金だから…』じゃなく、自分のお金のように考えて欲しいと思うようになったんです。それで、お金周りの情報はもともとオープンだったんですが、最近プロジェクトごとに収支がわかる指標をつくりました。『このくらいなら使っていいや』という意識を持てるようになるかなと。まだやり始めたところで、どうなるかはこれからですが…。

田口：
おぉ。

加藤：
面白い！！実はウチでも『お金の情報を全てを透明にしよう！』と思ったことがありました。

田口：
実行しなかった？

加藤：
社員の反応として賛成の意見だけでなく反対の意見もありました。みんなの給与も公開されることになるので、知りたくない人がいる以上その時はナシになりましたね。そういうのって、一部でも隠れてると意味がないじゃないですか。逆にそこが気になってしまうっていうのもあると思うんです。

村田：
人の給与を知りたくないのもあるし、自分の給与を知られたくないって気持ちもあるかもね。金額が多くても、少なくても。

定金：
マネジメントコストが跳ね上がりそう！少なくとも、社員数が少ないなら公開しないほうが良いんじゃないかな。

田口：
うーん。

定金：
どうしました？

田口：
話を聞いていて、会社の収支を自分ごとで考えてもらうのってかなりハードルが高いなと思ったんです。給与は気にされると思うけど、営業利益や販管費には興味持ってもらえるかは、正直掴みきれないなと。

加藤：
売上・粗利・利益あたりは興味あるんじゃないですかね。

村田：
全員がお金の意識を持つことで、失われちゃうものもあるんじゃないかなって不安もあるけどね。

菊地：
なんでしょう。

村田：
クリエイティブとお金の兼ね合いってあるじゃん。『クリエイティブとしての面白さはまったくないけど儲かる仕事』と『めちゃくちゃ面白いけど儲からない仕事』どっちかしか受けられない時にどっち選ぶ？！みたいなさ。お金を意識しすぎると、後者を選びにくいのよね。クリエイティブメンバーには、あんまり気にしないでやってほしいなと思ってる。

田口：
…でもやっぱりお金の意識は持って欲しい。前にもへべれけで『案件に時間を掛けすぎても、バリューは増えない』って時の話をしたんですが、クリエイティブの価値を意識するためにもそこは理解して欲しいなぁと。

村田：
そうね。お金を意識した上で『めちゃくちゃ面白いけど儲からない仕事』に踏み込めるとベストだね。

今村：
理解があるなかで、投資するかしないかの判断がつくのは強いですね。

定金：
現実的な話しちゃうと、”お金にならないけどやる”っていうのはプロジェクトのサイズにも寄りますよね。その後どういうインパクトがあるかって話で。無尽蔵に品質に投資するだけじゃ、ただの消耗じゃないですか。”面白いけど、利益出ないし次にも繋がらない”だと、いずれは社員のモチベーションも尽きると思うなー。

今村：
そうですね。僕はつい、CS（Customer Satisfaction）を優先させてしまう傾向があるので、消耗にならないよう”どこまでやるべきか”というのは気をつけています。

Customer Satisfaction … 顧客満足
Social Satisfaction … 社会的満足
Employee Satisfaction … 従業員満足

定金：
CSって言葉が出たけど、SS（Social Satisfaction）が高いとCSも高くなりますよね。

村田：
お客さんとしては当然、SSから受ける影響は大きいよね。

加藤：
それで言うと、自分達の感情もCSやSSからの影響を多く受けますよね。お客さんからの反応がいいと自分達も嬉しいですし、つくったものが世間で人気出るとアガるじゃないですか。

定金：
SSが高いとCSが上がって、ES（Employee Satisfaction）にも繋がると。

今村：
SSを起点にした満足度の連鎖ですね。ただ、そうなってくると冒頭に話した『いいねが付けばいいのか？』という話も出てくると思います。…自分は”いいね”と思うものに世の中とギャップがある認識でいるので、より考えてしまうんですが。

加藤：
僕は世間で”いいね”が多いものに対して、共感する時もそうでない時もそれなりにあるので思うんですけど、”いいね”が多いのはただそういう事象なんだと思ってますね。

今村：
自分がどう感じるか次第ですよね。世の中的に、”いいね”が多ければ”正しいもの”として扱われる風潮が気になるところではありますが…。

村田：
うん、まぁ、”いいね”が多ければ良いのだろうと考える人は多いよ。ウチの姉ちゃんみたいなさ。

田口：
姉ちゃん…（笑）

村田：
基本的にミーハーで、音楽も誰かが良いと言ったから聴く、みたいな人だったんだよね。”人から勧められたものを聞きたい姉”と”好きな曲を絶対に自分で見つけたい俺”って対比があったから、印象に残ってるもん。

菊地：
自分で手にして確かめたいって願望を持っているかは大事ですね。

今村：
…なんだか、各社のシャーペンを買って機能性を確かめてる田口さんの娘さんの話にも繋がってきますね？

田口：
本当だ（笑）

加藤：
興味があるものについては自分で確かめたいって思えますね。自分で確かめたくないっていうのは、そこまで興味が強くないってことなのかもしれない。奥さんと買い物に行って『食器の色、どっちが良いかな？』って聞かれても、『どっちもいいと思う！』みたいに感じる時ありますし…。

村田：
それ絶対言っちゃいけないやつね。

定金：
『右！』って言っとこう、そこは。

加藤：
（笑）話を戻すと、お客さんがあって仕事なのでやっぱり外からの反応で感情が左右されることはありますね。

菊地：
うんうん。

加藤：
…そろそろいい時間なんですが、菊地さん、今日はどうでしたか…！

田口：
聞きたい聞きたい。

菊地：
…思ったより、普通の飲み会でした（笑）

加藤：
それ最初に言っといたじゃん！

定金：
期待値に届かなかったってこと？僕らにとって最低の評価なんじゃない？

菊地：
いやいや、そういう意味じゃないですよ！（笑）まぁでも、へべれけトークに参加してみてあらためて、一番濃いのは定金さんだなぁと感じました。

定金：
えっ、ショック…。

田口：
ショック受けるところ？（笑）

加藤：
”濃い”って、どこの部分ですか？

菊地：
キャラの立ち方ですかね？

定金：
PMだよ？

菊地：
PMって、ゲームで例えるとヒーラーだったりサポート職なのに、定金さんは勇者なんですよ。

定金：
あー。謙虚さが足りないんですかね。

村田：
うんうん。俺も謙虚な人間になろうと思ってるよ。

今村：
何かあったんですか？

村田：
ううん。でも、やっぱり歳取ると謙虚さって失われていくじゃん。…焼肉行っても『どうせ自分では焼かないんでしょ？』って思われたりさ。

菊地：
あれ？その話、どこかで読んだぞ？（笑）

村田：
これからは、とにかく人に感謝だけをして生きていこうと…

定金：
マジでどうしたの？！

加藤：
（笑）

田口：
せっかくだから最後に、UNIBAさんの誰にも言えない秘密の告白とかないんですか？

菊地：
えっ？！それって、ホワイトボード叩き割った的な…恥ずかしい思い出みたいなエピソードですよね？？

加藤：
さり気なく僕のことを恥ずかしいもの扱いしないでください！

今村：
（笑）

菊地：
失敗した話、失敗した話、失敗した話…

定金：
そんな考えるならナシでいいですよ（笑）

菊地：
すみません（笑）またお邪魔するまでに考えておきます！

加藤：
そうですね。またゲストに来てください！

7話へつづく、かもしれません…！

＜ゲスト(へべれけメイト)大募集！＞
この「青山デジタルプロダクション界隈CEOへべれけトーク 今宵もやっぱり覚えてないので、文字にしてもらいました。」に、ゲスト出演してくださるへべれけメイトを募集します。

正直にお話して、どうなるのかまったく読めない、とても試験的な試みです（笑）そんな状況も楽しみつつ、5人の社長たちとあれやこれやを語ってみたい方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひご応募ください。

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話を聞いた人
aya.h（Facebook）インターネットとお酒がすきな"非"ライター。
絵を描いた人
仲村直（Tumblr）肝臓のことを想いつづけて12年。二足のわらじ人。
乾杯したお店
南青山ひふみ（Retty）美味しい肴とお酒が楽しめる、大人理想のお店。