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出張報告書(岩手のホテルで痴漢にあった)

これから連載を始める出張報告書シリーズのNOTEは、私が日本国内や海外に出張した際に実際に体験したものです。出張ネタは覚えているものもあれば、すでに、はるか彼方へ忘れ去っているものもあります。その中で今でもとても強烈で鮮明に覚えている事の一つが今回のお話。ちなみに私は男性です。

岩手県にある工場へ出張

岩手の工場にある装置を移設して、その技術立ち上げに3日間の予定で出張することになりました。出張は私ともう一人の技術者(リーダー)と二人です。その頃、私は24歳で鼻息荒くブイブイ言っている技術者(エンジニア)。この出張も早々と終わらせて帰るぜ!と息巻いておりました。季節は12月の上旬で東京とよりも岩手県は寒いのでショート丈のコート、Pコートを着て行ったのでした。

装置移設の立ち上げ予定

初日の水曜日の午前中にクリーンルームの予備室(装置のメンテナンスを行う部屋)で梱包の取り外しと組み付け。午後は配線確認と漏電を確認したのち、電源をONして動作確認まで。

二日目の木曜日は再度動作確認とプログラムデータをインストールしてヒーター系の温度コントローラーの動作確認と温度プロファイルの計測。進捗が早めに進めばサンプルを作成始めて、初期のサンプルの品質を確認するところまで。

最終日の金曜日は、サンプルの品質の結果からプログラムデータの修正と再度サンプルの作成と品質確認。品質が問題なければ、連続で量産時のロット数を想定した数量のサンプルを作成。サンプル全数の外観確認とサンプリングによる強度試験や断面確認試験を行なって良好な結果だったら工場の技術部門へ打ち合わせを行なって引き渡しという段取りでした。

連日、終了は夜8時過ぎを想定して長引けば11時を覚悟してました。

事件は初日の水曜日の夜に起きた

初日は予定から若干遅れ気味で進行し、当初の予定の8割が終了した時点で区切りが良いのでこの日は終わりにして、工場から予約していたホテルにタクシーで向かいました。時刻は工場を出たのが夜8時30分ごろでした。
ホテルは工場から約20分ぐらいの距離にあります。そのホテルはいわゆるビジネスホテルではなく宴会場も兼ね備えた、そこそこの規模のホテルです。

私は同行していた人と一緒にホテルのフロントでチェックインの為に宿泊者カードに住所、氏名、連絡先の電話番号を書き始めていた。

背後に全くなんの気配も感じていないその時、
後ろから、いきなり右のお尻をガバっと鷲掴みされ、さらにはこねくり回されるという目に遭いました。鷲掴みされた瞬間に、

『キャッッ』『ヒャッッ』 の中間位の声が無意識で口から出て、即座に振り返ると、そこには全く面識の無い知らないオッサンがいた。

オッサンは酒に酔っていた様子で、
『すみません、後ろ姿が知っている人に良く似ていたので、つい、、、』
と謝った。

すると、私の格好によく似た人がホテルの一階の@@忘年会と案内板がある宴会場の隣にあるトイレから出て来た。私は彼を眼で追いながらも、よっぽどショックだったのかオッサンに対して声が出なかった。オッサンはとても気まずかった表情をしながらホテルから出て行った。

ショックは大きすぎた

フロントに戻り宿泊者カードの続きを書いてチェックインした後からその日の寝るまでの事は記憶がない。しかし、翌日以降の工場での装置立ち上げに対して自分でも驚くくらいダメダメのポンコツになっていた。

装置の品質確認が終わり、工場の技術部へ管理を引き渡して立ち上げは終了。帰りの東北新幹線の席で全てを振り返って得られた結論は、

泥酔しても年齢性別を問わず痴漢行為は絶対にしないと決めた

なお、ショックから立ち直るまでおよそ2週間ぐらいはかかったと思う。

当たり前の事なんだけど、ショックが大きいと決意も大きいのです。


それでは次の出張報告書まで、しばしお待ちください。








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