補講課題とAI
先週まで非常勤講師として授業を担当していたクラスの生徒さんが欠席4回となった。そのままだと学校の規定で卒業試験を受けられなくなる。救済措置として補講授業を受講するか、課題を提出するかのいずれかを対象の生徒さんは受けることになった。
講師間の相談の結果、課題に対する報告書を提出してもらうことを決めた。
担当している教科は講師3人で分担して授業を受け持っています。一人の主任の先生が課題を提示して2日後の夕方に学校から生徒さんの報告書が送付された。
主任の先生が報告書を読んで違和感を感じたらしく、私たちにも報告書が共有され意見を求められました。
主任の先生が違和感を感じたものは
違和感の中身は短期間で作成した文章にしては出来すぎている
技術論文的な表現だけど、あっさりしすぎている(中身が薄い)
機械生成されたような雰囲気を感じる
これらから、Chat GPTなどの生成AIを使って作成したのでは?という疑惑を持ったとのこと。
私も答案を読んでみましたが、同様に以下のようなことを感じました。
文章がきれいすぎる(大人の文章)
内容が均等すぎてネット上の解説記事などライターが書いた記事に近い
出題から提出までの時間の短さでこの内容は書けないはず
参考までにマイクロソフトのBingで項目だけを入れてみるとバッチリ答案の項目とヒットした。どのツールを使ったかは別にして生成AIを使っているだろうな!と直感した。
もう一人の先生がChatGPT3.5を使ってみたところ、提出された報告書に近い内容の文章が生成されたとのこと。確証はないが限りなく黒との意見。
今回の補講課題は対象の生徒さんが卒業試験を受験する権利を得るためのものなので成績には影響しない。補講課題に生成AIなどを使ってはいけないといった規制はかけていない。私たち講師の意見としては報告書は受理して試験資格を与えるという結論になった。
講師の内、一人は大学の先生で大学でも生成AIを使ったレポート作成は大きな問題となっているとのこと。AIの助けでレポートを書いてくる可能性があることを大前提として何らかの対応を行うことが必要になってくると危惧していた。
生成AIは自分から少し距離のあるところにまだあると思っていましたが、こんな形で触れることになるとは想像していなかった。生成AIを使う側よりも使われてしまった側の対応の方が苦悩すると思う。
文章やデザインなどの人が発想によって作り出すオリジナリティを求めて依頼発注する側にとっては深刻な問題になっていくと(既になっている)思う。
WEBベースでのAIとしてGemini(元 Bard)に名前を変更したとGoogleからメールが届いたので今回の課題をやってみた。生徒さんの報告書よりもレベルが高いまとめた形で出てきた。
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