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立ち入り禁止の世界

写真展を見に行くのって、蜷川実花氏くらいだったなぁ。かつて大学生だった頃、友人の知人がやった個展を見に行ったことがあったのと、数年前の幡野広志氏の写真展も好きで見に行ったことがあるか。でもライブとか美術品、イラスト展とかと比べるとあんまり機会はなかった。

品川駅直結のキヤノンタワーでやっている、こちらを見に行ってきた。Xで流れてきて気になったやつ。立ち入り禁止のトンネル掘削現場とか、清掃工場とかで撮られた写真たちを展示している。入場料はなんと無料。

西澤丞さんという方の写真展
展示方法も無駄がなくて隙がない

しかも写真撮影可(1枚だけの写真を撮るのはダメ)。写真集とかで見るのとは、サイズが違うのもあって細かいところまでよく見えて全然迫力が違う。展示もキャプションはなく、説明が別紙であるのでそれと見比べたり、あえてそれを見ないで何の現場なのかなぁと想像しながら見るのも楽しかった。個人的には炉の写真がすごくすきだなぁと思った。炎の熱まで伝わってきそうで、時間があればずっと眺められると思った。わたし、たぶん火が燃える様がすきなんだと思う。同じ形にならないで、ずっと形を変え続けるところとか、基本的にはあらゆるものの形状を変えて色や形を壊していくところとか。

あとはメカメカしいのもすきみたい。工場夜景みたいなのは前からすきだと自覚していたのだけれど、もっと現場にフォーカスしたメカっぽさもいい。無骨な鉄とかコードがあちこちに蔓延っているところとか、色味の少ない視界とか。

立ち入り禁止の世界を見せてくれるという特別感も含めて、すごく素敵な写真展だった。日常を切り取った写真も良いけれど、こういうのもいいなぁ。

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