『バーナード嬢曰く。』を読んだ衝動
『バーナード嬢曰く。』を現在発行されている5巻まで読みました。
前々から存在は知っていたし、公開された話が面白くてTwitterで回ってくると読んでいた。
作者の施川ユウキ先生が以前連載されていた『サナギさん』という作品が、これまで出会ってきた4コマ漫画というジャンルの中では『あずまんが大王』と双璧をなすほどには好きだったのだが、この数年はなんとなく新しい漫画と積極的に出会いたい気分ではなかったし、出会いたいと思うジャンルではなかった。
しかし、ほぼ毎日居座っているDiscordで、仲良くさせて頂いているフォロワーさんが勧めていた。
彼がよくこの作品の話をしているのは知っていたのと、以前勧めてもらった某男性アイドルアニメ苦しいくらい自分に刺さったこと、また長時間のボイスチャットで判断力が鈍っていたことも手伝い、全巻購入してしまう。
好きなジャンルでは、ある。
十代から二十代は活字中毒みたいなもので、よく読書をしていた。そしていつだって読書欲は燻っている。
だから、読んだ。
少女が三人、少年が一人、図書館。
それぞれの好きなジャンル、読書のスタイルなどもとても良い。
古典から現代の話題作まで、様々な作品や作家の名前が挙がるので、ある程度読書が好きな人間であれば、何かしら触れたことのある作品があると思う。
しかし、そこではない。そこもなのだけれど、そこ以上に、私が惹かれたのは、
か、神林しおり!!!!!!!!!!!
お前は!!お前はもう!!ああ!!!!もう!!!!
神林しおりという少女の青い甘酸っぱさが、恥ずかしいのだ。
私の一番好きな『恋愛とは呼べない友情以上の感情』に飲み込まれ、平気な顔を張り付けながら面白いくらい溺れている彼女が、いとおしい。
町田さわ子という、元気で素直で頭の中身は軽そうだけれど優しくて明るい少女。
はじめははっきりとバカにするような態度を見せていたが、序盤のとある話から、明確に『意識する』ようになる。メルト!!
「百合じゃんw萌えるw」なんて簡単に片付けられない感情がそこにある。そこ、とは神林しおりから町田さわ子へ、と同時に、私から二人へ、もそうだ。
神林しおりが町田さわ子を想う行動や紡ぐ言葉の一つ一つを、祈るように読む。
往復書簡、新幹線でのLINE、未来のサン・ジョルディの日……気付かれないように、いや、何に気付かれないように?とにかく、おかしく思われないように自然に、神林しおりが慎重に慎重に綱の上を進んでいるのに、その綱を大きく揺らしながらぶらさがって向かってくるのだ、町田さわ子が。
アアアアア~~~~~~~~~~~もうみんな大丈夫?!私は大丈夫じゃないが?!
とにかく二人の友情が青くて苦しい。いつまでもいつまでも仲良くいて欲しい。
「恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、(中略)この世で最も美しい友になりましょう」
(マラケシュ心中/中山可穂)
青い、と言えばもう一組。遠藤くんと長谷川さんもとても良い。
長谷川さんは初登場から遠藤くんのことを好きな少女として登場していて、しかし遠藤くんという人はどうにも感情が読めない男なので、長谷川さんの片思いで空回りみたいなテンプレなのかな、と思っていた、が。
意外と、もしかしたら、ん?となる描写が自然と、気付かれない程度の感覚で増えていく。
極めつけは机の下だった。私はあの話で涙が出た。嬉しい時も泣いてしまう。
彼女と彼の未来は分からない。けれど、今は友人として、読書で繋がり笑い合っていて欲しいと思った。
はあ。めちゃくちゃカップリングのオタクの話になっちゃった。
でもこの作品、『読書』という本題が時としてぶれるほどに人物の関係が魅力的だ。
恋なんて存在しなくていい。成立しなくてもいい。ただ、今の四人の関係が全て心地良い。それだけです。
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