一本50万!のジーンズ・・・。
私の世代だと、学生時代を過ごした
90年代はアメカジ(アメリカン・カジュアル)全盛の時代だった。
ただ、お金はないので、新品はあまり買えず、
アメリカで買い付けられてきた古着屋さん(現代の古着屋さんは、ブランド品の中古ショップのような形式だが、当時はこうした形態は存在していなかった。90年代は、アメリカ、ヨーロッパの古着をメインに販売するお店を古着屋さんと呼んでいた。)
を回っては、
サイズや値段で折り合いの付く
掘り出し物が見つかれば、そんな服を着て
バイクに乗るのが楽しかった。
バイクに乗るので、ライダー系に進んでいった。
革ジャン、革パン、Gジャン、
ブーツ、ジーンズ、Tシャツ、スウェット、ネルシャツ
手袋、バンダナも、可能な限りアメリカ製を選んでいた。
街乗りでは十分だが、
乗るバイクの排気量が上がるほど、
運転に注力したくなり、
速度、距離、気温の負担が増えていくため、
オールドファッションな
アメカジブランドのアイテムだと、
「ただ重いだけ」、「すきま風が入り込んで寒い」
「雨や雪に弱い」、「汗でベタつく」
といった弱点に気付くようになっていく。
そこで、徐々に、
一般的なバイク用品店やアウトドア用品店で入手できる専用メーカーのウェアを着るようになっていった。
デザインは確かにモッサリしてるけど
機能的で快適で安全という点ではやはり専門の商品は便利だと認めざるを得ない。
しかし、そんな自分のかつての「アメカジ時代」の地層を掘り起こすべく、
名古屋市の服屋さんにドンブラコ。
DON'T(ドント)さま
名古屋市千種区猫洞通2-25 1F
私は愛知県在住なので、こちらのお店はひょいっとおじゃまできるが、
遠方からも、はるばるお客様がいらっしゃるという
知る人ぞ知る、アメリカン・カジュアル・ヴィンテージウェアのお店。
オーナー様いわく、アメリカの服は1940年代後半から50年代中盤ぐらいが丈夫だったとのこと。
第二次世界大戦の戦後からベトナム戦争開戦以前あたり?
アメリカに渡ったドイツ人が手掛けた服はこの時代が多く、仕事が丁寧なのだとか。
アメリカの3大ジーンズメーカー、リーバイス、リー、ラングラー
スニーカーはコンバース、ケッズもあった。
超ヴィンテージの50万円のリーバイスのジーンズもあるそうだが、
店内は一点物のお宝でビッシリ埋まっていて、買いもしないのに見せてもらうのも
気が引けるなあって感じて遠慮しておいた。
こちらのお店は、古着のみならず、かつての面白い服をレプリカということで
いろいろと復刻させている。
たとえば、プルオーバー(被り)のスウェットのフードパーカーは、
丸首のスウェットに後付けでフードを取り付けたチャンピオン製が発祥だったのだとか。
お店のオリジナルブランドは「Cushman(クッシュマン)」
通販で購入も可能。
アメリカ製のかわいらしいスクーター(バイク)のブランド「クッシュマン」から名付けられた。
なんとなく、「トムとジェリー」に出てきそう。
めちゃくちゃ古そうだが、一応、エンジンはかかるそう。
4~8馬力?
オーナーさんは70代には見えないほど、
バリっとアメリカンスタイルで決められていた。
元々は、VAN(ヴァン)という戦後から70年代に大流行したメンズファッションの創業メンバーだったとのこと。
こちらのお店では、服飾の歴史も学べて
服の博物館としても楽しめた。