22秋_二部リーグ戦開幕に寄せて
屁理屈に屁理屈で応酬するような稼業に長く勤しんでいました。そのことで様々な事物の「名前」について拘るという習慣が身についてしまっています。なので、<札六>という呼び名に、札六眺めを始めた当初、とても違和感をおぼえました。屁理屈屋稼業の底意地の悪いセンサーが作動したこともありますが、「二部リーグ、三部リーグが存在するのに<札六>はおかしいのでは?」と考えたことが、違和感の根っこにありました。この違和感自体を「お前がお題をこねくり回しているだけの屁理屈だ」と言われてしまうと、まあ、そうなのかもしれませんが、ひとつだけ、記しておくと、全国に26ある大学野球連盟で〇〇六大学連盟という正式名称を用いている連盟には下部リーグは存在していないはずです。名実ともに〇六なわけです。
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「どちらが強いか」(対抗戦、定期戦を由来とする。転じてチームを固定してリーグ戦を行う)、あるいは「どこが強いのか」(下部リーグが存在する、入替戦が行われる)といった、リーグ戦を行う目的を表すのが連盟の名称であり、呼称であるならば、三部リーグまで存在する札幌学生野球連盟「全体」を称する呼称としての「札六」はやはり正しくはないことになります。
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屁理屈屋稼業のひとりよがりはさておき、違和感の根っこのもうひとつにあったのが「二部リーグ、三部リーグに所属している選手は「札六」という呼び名についてどのように感じ、どのように考えているのだろう?」という疑問でした。この疑問は解消される必要のない屁理屈屋稼業のひとり禅問答として、その後も持ち歩くこととなります。
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ところが、2019年から始めた札六眺め当初から持ち歩いていた禅問答を問い直す事態が起きます。その発端となる理由はひとつではないですし、発端を細々と説明しはじめると途方もないので、ひとまず割愛しますが(どこかに書いていたかもしれませんが、発見できませんでした)折からの感染症蔓延に伴う様々な出来事が理由として絡み合ってのこと、と、ここではごくごく簡単に整理をしておきます。
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その事態とは。2021年秋のリーグ戦のち、二部から一部へ、三部から二部への自動昇格(降格なし)の措置が取られたことで、各部6チームづつの配置が変わりました(一部7チーム、二部6チーム、三部5チーム)。2022年春限定ではありますが<札六>という呼称からはみだす状況となったわけです。
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「呼称なんてどうでもいいじゃないか」という割り切りもできますし「呼称は意味や目的に沿うものだからこだわるべきだ」と態度を堅くして身構えることもできます。この点は本稿主旨からそれてしまうので、ここでは深く入りませんが、実は奥深いお題ではないかと考えています。
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さて、前置きが長くなりました。私の札六眺めの基本的な方針は札幌学生野球連盟所属の18チームを(気持ちの上では)等しく見るべきだという点から出発しています(だからこそ<札六>呼称に違和感をおぼえたのは前にも書いた通りです)。
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この基本的な方針を持つ観察者にとって、2021年秋から2022年秋の事態は、私の札六眺めの基本方針の真意を確かめられる事態にもなりました。
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小難しく書いていますが、一部から三部にまたがる編成替えが起きたことで、眺めるべき対象(あるいは範囲)が格段と広くなったということです。その意味では、素直によろこばしき事態であったと前向きにとらえています。
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待望の一部復帰となった北海道大学、二部初昇格を果たした北海道医療大学が、春の札六の風景をしっかりと変えてくれました。
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そして、この秋。春の降格を受けて、北翔大学が二部、北海道教育大学札幌校が三部へと戦場を移します。望まない不時着後の最短期間の滞在となるのか。そうはさせじと先住チームからの反攻があるのか。見る側の興味は尽きません。
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「東都一部で戦い続けることが、一部のバトンを先輩から後輩へ託すことが最大のステータス」(「大学野球」2022春季リーグ戦決算号4ページから引用)亜細亜大学記事中の文章。入れ替えが行われるリーグ戦で戦うことの意味が言い尽くされていると感じます。この視点を借用するならば、今年の秋の札六くらい見どころの多いリーグ戦もそうそうないのではないのではないでしょうか。これが札六、これぞ札六。そして、二部と三部、これも札六。
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