そもそも、なぜ「球速の正体」を明らかにする必要があるのか。それは試合にチームとして勝利する為であり、チームが勝利するためには、選手一人ひとりが正しい鍛錬を積み上げて、成長をする必要があるからに他ならない。その為のひとつの手段として、現在地と目的地の距離を測り、目的地までどういった経路を辿るべきかの策を探るべく「球速の正体」を知ることが必要になる。
■データ化×言語化=正体
ざっくり整理すると「球速の正体」は数字と文字で明らかにされる。前者は理屈で後者は感覚。理性と野生と対比しても良いだろう。いずれにしてもその正体は、一見、相反するようにも見える、ふたつの切り取られ方で姿を現す。このふたつの軸が細かなニュアンスは少しずつ異なるが、筆者及びインタビュイーによって語られていく。論より証拠ではなく、論も証拠も、だ。
どのように言語化を行うのかは奥深いテーマで非常に興味がある。「復活できない呪文」とならないように正しく感覚に言葉を与える作業を上手くできるのも好投手の要件になるということだ。
■測ってから、試してから
球速が勝つための一手段であるならば、その正体をみつけたということは、勝利するための有力な方策をみつけたということになる。
■チーム目標と個人目標
まずはバランス問題から。
そして大所帯のチームにおける計測の意味と価値。個人の動機付けがチーム全体のレベルアップと紐づいている事例の紹介。