明治神宮野球大会_北海道地区代表決定戦
◇北海道代表の座を争う
北海道学生野球連盟と札幌学生野球連盟、それぞれの秋季リーグ戦の優勝チームが代表決定戦に進出。明治神宮野球大会に出場する北海道代表の座を争います。
◇「北海道代表」これまでの変遷
北海道として単独枠を得たのは平成21年度以降(第1回、第2回を除く)。道六、札六で代表枠を争う形になったのは平成8年度以降。平成8年度から平成20年度はすべて東北勢に代表枠を奪われている。そして、この間の道六と札六の間でどのような代表決定戦が行われてたのかの詳細は不明。このあたりの記録はこの冬の間にでも整理しておきたいところ。
◇第40回(平成21年度)以降の戦績
2009年~2022年まで全14回開催(うち2021年は本大会が開催されず)。代表獲得は道六6回、札六7回。直近2年はいずれも道六が代表獲得しており、代表獲得の通算回数では道六が追い上げてきている状況。今回道六が代表獲得の場合、札六は通算回数で並ばれることになると同時に3年連続代表の座を明け渡してしまう状況となる。学園の奮起に期待したいところ。
■学園大・島崎圭介監督インタビュー
明治神宮野球大会の「0回戦」
多少の煽る気持ち、加えて、たまたま先に生まれた為に持っている長めの物差しを当ててみたりして『札六勢に今年こそ神宮へ駒を進めて欲しい』という前のめりになる聞き手を緩やかにかわすように指揮官は冷静だった。農大の印象についての問いに「相手は全国大会の常連校。ここに勝てれば全国でも勝てる力がつく。そういう相手と北海道でやれる。ちょうど今日もそういう話をしたところです」「胸を借りるつもりで」そういった言葉が並んだ。「下剋上で」という強い言葉も同じように並んだものの、基本的には冷静に自分達と相手の位置関係を見定めているような印象がまず残った。
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全国大会の常連校、道外の各地から選手が集まり、神宮大会前には避けて通れない難敵・農大。過去、ここを越えていった札六勢は道都と東海だけ。その道都と東海には比率の大小こそあれ、道外出身選手が混ざっている。逆に言うと、近年純粋に道内出身選手で大半を固めたチームは農大を越えていない。つまり「道都みたいなところより、もうちょっと濃いチームとどう戦うか」ということである。
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北海道地区代表決定戦ではあるが、学園にとっては、明治神宮野球大会の「0回戦」に相当するのかもしれない。島崎監督の話を聞き終えて数日経過した今、そんな風に考えている。
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「網走にいるけど本州のチーム」再び島崎監督の言葉。本州と北海道。その違いについて尋ねると、例えばそのひとつは「声、ひとことの強さ」であるという。「声の力って大きいですから」。一方で「自分たちのペースでやることも大事」というバランスを取る言葉も。間合いを慎重に計るかのようなコメントが非常に興味深い。違いの一例として持ち出された「声の力、ひとことの強さ」。これは観戦者としても大いに注目したい要素。「声の力、ひとことの強さ」が試合の行方にどう影響を及ぼしたのか、この点は、観戦者の余計な物差しを当てることなく「結果」から遡って考察をしてみたい。
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そして、考察対象には、道内出身選手が大半を固めた学園が農大を越えていくことができたのかという結果も当然加わる。現時点での違いや違いから生まれる何かしらの差を認識した上で学園が「0回戦」にどのように挑んだのか。それを見定める為にも、まずはグラウンドに目を凝らしたい。
4年間やって学生野球
10月12日以降の試合には、4年生の集大成という意味合いも加わる。島崎監督は「4年生、誰も抜けずにやってくれている」「勝った負けたも、もちろん大事なのですが『4年間やって学生野球だぞ』というところを体現してくれている、背中を下級生に見せてくれている」と語る。
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農大は下級生時からチームの中心を担い、代表決定戦と全国大会も経験した多くの4年生が率いる。実際のプレーで引っ張るのが農大の4年生ならば、学園4年生は隊列最後尾で落伍者はいないかなどを見守る役割を引き受け、チームの求心力を生んでいるようにも感じる。実際上の役割は異なるが、チームの支柱として4年生がいることは両チーム変わらない。
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そして、そういった4年生の4年間に報いるような試合と結果を手に入れたい、これも両チームが共通に抱く想いであろう。
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『学生野球は4年生です。4年生がきちんとまとまっているチームは強い』これは生田勉亜細亜大学前監督の言葉。また、身近なところでは、以前の札大キャプテン市川修斗からも道都の話題にふれる中で『4年生がしっかりしているチームは強い』という趣旨のコメントがあったことを思い出す。細かなニュアンスは異なるが三者が「4年生」に言及しているのは興味深い。いずれにしても、4年生がひとつの重要な鍵(直接的又は間接的)になるのは間違いはなさそうだ。
全国ベスト4の射程距離に入れるか
全国大会でのベスト4を目標としている学園にとって、今回の代表決定戦は目標の射程距離に入れるかの重要な試金石。
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「不安はありません、楽しみです」と島崎監督。
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20年秋季リーグ戦2位躍進を学園古豪復活劇の始まりと見ている観戦者としては、再び現れた重く大きい扉の前に立ったかのような情景を想い浮かべているところ。
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見逃せる筈のない一戦、10/12午後1時札幌円山球場で幕が上がります。
10/12_農大6-2学園
10/13_学園6-10農大
農大が連勝で一気に押し切る。
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先発は学園木村と農大神宮。試合は序盤から早速動く。
1回裏、農大が4番金子の本塁打で3点を先制。追いかける学園は3回久保田のチーム初安打を足掛かりに好機を得て杉林適時打で1-3とする。学園は続く4回にも2点を挙げて同点に追い付く。学園の得点はいずれも農大守備の乱れに乗じての3点。昨日は両軍共にほぼ守りの乱れがなかったのだが、今日の試合では序盤に生じた守備の綻びが得失点につながった格好に。
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3回表を終了して3-3。初回に重めのジャブを貰った感の学園だが、3回4回と連続得点して同点とする。3回の野選以降、流れはじわりと学園に傾きつつあるようにも見えた。
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しかし、ここで流れを手放さないのが農大。同点とされた4回裏、5番良元からの三連打、最後は7番北口が左中間への2点適時二塁打を放って逆転。その後、工藤の適時打でさらに2点を加えて7-3とすかざず逆転。
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学園先発木村は5点目を失ったところで降板。二番手小沼を挟んで、三番手に髙谷を投入。
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再び追いかける展開となった学園。6回表に無死満塁の好機を作ると、8番下向犠飛で4-7と追い上げ開始。なお、一死一、二塁の好機が続き、打順は9番の髙谷へ。代打も考えられる場面でもあったが、髙谷はそのまま打席へ(結果は送りバント成功)。打順1番に戻って水野への代打で平手が登場。その平手は四球を選び二死ながら再び満塁。打順は2番杉林。今日2打席目で適時打、秋開幕戦もサヨナラ3点本塁打を放っているだけに、さらなる追加点が大いに期待されたが、ここはセカンドゴロに倒れて1点止まり。
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農大先発神宮は4失点目直後に交代。二番手は佐々木。
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7回表、学園は一死後志村が右中間への二塁打で出塁も後続倒れて無得点。なお、農大マウンドはこの回の頭から笠間。その裏、学園は髙谷から常谷にスイッチ。農大の攻撃は三者凡退で終了(3回に続き二度目)。
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7回裏三者凡退として学園には流れが来るかと思われたが、8回表の攻撃は三人で終了。
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8回裏、農大は先頭の北口が左前安打で出塁すると、犠打と死球を挟んで2番上原、3番江川、4番金子が連続適時打を放ち3点を追加。10-4とリードを広げる。
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9回表、学園は二死後南適時打で2点を返すも、最後は金野がショートゴロに倒れて試合終了。
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1回、4回、8回に得点を挙げた農大。先制、中押し、ダメ押しのお手本となるようなスコアを刻んで完勝。中盤に守備の乱れで失点、9回には学園に追い上げ許すも、8回裏の追加点も効いた格好で勝利。連勝で学園を退けて3年連続の神宮行きを決めた。
◇PLAYBACK2009_北海道地区代表決定戦
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