2022年の札六を振り返る
◇春季リーグ戦前
4/9旭大-北大
4/16北ガス-道都
4/17国際-大谷
4/23樽商-北翔
4/24学園-JR北海道
4/24JR北海道-札大
◇春季リーグ戦・第一節
□4/30(札幌円山)
東海10-2北大。渡部6連勝の幕開け。一部帰還の北大は復帰戦を飾れず。学園9-0札大。帯川・山川<リバー対決>による札幌ダービー。学園ルーキー下向4打席目に右中間二塁打で札六デビュー。大谷0-6道都。滝田5回零封、松下春一番の二点本塁打。年間俯瞰の視点から語るなら、3試合とも、秋とは様相異なる大量得点での決着であったことを記憶しておこうかと思う。
□5/1(札幌円山)
北翔4-3学園。北翔が9回表伊藤本塁打他で逆転勝利。なお同点の犠飛となった竹内の一打は折れたバットでの一撃。折れたバットでなければ・・・。道都1-2東海。伊東、登坂の投げ合い。登坂、9回試合を終わらせる二つのアウトを連続三振で奪う圧巻の投球。北大4-4大谷、幾多の入替戦でやりあった両チームが一部リーグで初対戦。北大8回表に追いつくしぶとさ発揮で引き分け決着。
□5/2(札幌円山)
北大0-8道都。道都岡崎3点本塁打、印南好投で北大を一蹴。東海6-0学園。東海3連勝。先制塚本和真、中押し佐藤豪紀、ダメ押し林祥大と春の東海の攻撃を牽引した役者が揃い踏み。札大15-0北翔。札大が北翔投手陣に15安打を浴びせて記録的な大勝で今季初勝利。なお開幕戦完封負けを喫していた札大の今季初得点は佐野の右前適時打からであった。
□5/4(札幌円山)
学園1-3道都。20年秋以降学園4勝1敗と学園優勢もこの日は伊東が雨中の力投で道都がやり返す。学園堀川好救援が好材料。大谷7-3北翔。21年秋に続き北翔には牙を剥く大谷が健在。北翔は最終回髙津投入も結果は裏目に出た。東海8-1札大、塚本和真ソロ、佐藤豪紀3点本塁打と東海の長打力が炸裂して札大を圧倒。
□5/5(札幌円山)
道都2-1北翔、道都松下適時打で勝ち越し最少点差で逃げ切る。北翔来季から副主将を務める坂野の適時打で先制も及ばず。大谷2-7学園。学園志村満塁本塁打、常谷・坪田のルーキーリレーで快勝。大谷は終盤の追撃機を活かしきれず。北大3-5札大、札大が逆転勝利、春引退の岩田適時打で追い上げ、太田が決勝の勝ち越し適時三塁打。
□5/7(千歳)
一節ラスト2日間は千歳へ。札大4-4大谷、9回表札大が佐野3点本塁打で引き分けに持ち込む。8回裏の適時失策で勝ち越し許した吉田、執念の安打が起点に。北翔2-7東海。東海が5連勝、渡部が3勝目。北翔は終盤に守りが乱れて半ば自滅。学園1-1北大、小雨降る中、中盤互いに1点づつを取り合っての引き分け。帯川、宮澤の投げ合い。宮澤は春最長の7回1失点の好投、二番手飯島も勝ち越し許さず引き分けをもぎ取る。
□5/8(千歳)
東海5-0大谷。東海が一節全勝で首位通過。硬軟自在の攻撃と投手陣も完封継投と盤石。道都1-1札大。札大影山犠飛で先制、道都石垣適時打で同点に。その後互いに決め手欠いて引き分け。東海を追う道都は半歩後退、札大は5割で折り返し。北翔7-5北大、北翔が競り合いを制して最終戦勝利。坂野の犠飛が決勝打。好救援の坪井が初勝利。
□一節誌面版
◇春季リーグ戦・第二節
□5/12(千歳)
北大1-5東海。来季から北大スキッパー・今の先頭打者本塁打に東海はキャプテン相馬のアーチなどで応酬、7勝目。道都8-3大谷、東海を1.5歩遅れで追走中の道都は松下満塁弾などで快勝。札大7-3学園。札大は同点で迎えた7回表佐野の三塁打を足掛かりに逆転。対学園戦連敗を5(1分挟む)で止めた。
□5/13(千歳)
学園2-0北翔。帯川が前日の救援失敗を取り返す快投、被安打2で完封。北翔島本好投も相手が良すぎた。決勝打は増田。東海0-2道都。道都が意地を見せて東海を逃がさず。登坂-伊東の再戦、伊東が一節の借りを返す。大谷2-3北大。北大が1点を追う北大が8回裏に今適時打などで逆転、今季初勝利。終盤巧者北大、序章となる一戦。
□5/18(札幌円山)
大谷4-8札大、札大が杉木3点本塁打などで序盤から攻勢して快勝、二節2連勝。北大5-1学園、北大が逆転勝利。終盤巧者の北大が本格化。なお失策挽回の適時打放った大澤は学園キラーとして来春以降も注視対象。東海12-1北翔、東海が4回までに11点を奪う猛攻で北翔を圧倒。北翔主砲竹内に待望の1号本塁打。
□5/19(札幌円山)
大谷2-5東海。大谷が飯田本塁打で先制も直後に東海竹内適時打などで逆転。その後、林、平野の適時打で突き放し登坂、山の継投でそのまま逃げ切り。北大5-6北翔、北翔河野の逆転サヨナラ弾で追いつ追われつの接戦制す。河野はもちろん天晴、途中出場で4点目、5点目のホーム踏んだ黒岩も同じく天晴。札大0-7道都。道都が序盤から札大を圧倒。逆転優勝の望み離さず。
□5/20(札幌円山)
北翔1-8道都。道都が2戦連続コールド勝ちで懸命に東海を追う。北翔は運命決する残りの2戦(大谷・札大戦)へ。学園4-10大谷。学園常谷適時打で先制も直後に先発帯川乱れて6失点。麻生最難所(道都・東海)前に痛恨の逆転負け。札大1-4北大。8回裏、1点を追う北大が鮮やかに逆転。終盤巧者がいよいよ冴えをみせて3勝目。
□5/23(札幌麻生)
学園9-7道都。学園6点差を跳ね飛ばし逆転勝利、逆転優勝目論む道都に引導を渡す。学園は7回裏代打天神の適時打などで5-7と猛追、続く8回裏金野満塁本塁打で逆転に成功。試合展開、勝敗がリーグ戦行方に大きく影響を与えた点などから春の札六最もインパクトを残したとも言える一戦。東海14-2。この試合に勝利で優勝となる東海が3本塁打を含む16安打の猛攻で札大を圧倒。秋春連覇を手に入れた。北翔7-3大谷、北翔3本塁打で対大谷戦の連敗を3で止めて4勝目。大谷伊藤嶺が春全12試合登板を達成。
□5/24(札幌麻生)
北翔2-9札大。札大が3位を確保、まず一抜け。道都2-1北大。土壇場で道都が意地~三浦逆転弾~を見せ逆転勝利。北大・北翔が並び、学園4位が確定。学園8-10東海。学園前日に続き5点差を跳ね返す反発力を発揮。その後再逆転許すも8回志村本塁打で同点に。が、最後は東海が振り切り最終戦を飾る。
□5/25(順位決定戦/札幌麻生)
北大6-2北翔。一、二節は北翔連勝も、命運懸る一戦で北大が勝負強さを見せ一部残留確保、北翔は16年春以来の入替戦へ。6回表に北大が藤原3点本塁打などで4点先制。さらに7回、9回にも追加点。北翔は先制許した直後に2点を返すもその後反撃ならず。互いに継投に出た6回から一気に試合が動いた。
◇春季リーグ戦・入替戦
□6/21(札幌麻生)
学院4-10北翔。史上初の巴戦による入替戦。1-2部はまず一部6位の北翔と二部1位の学院。北翔が4回までに9点を奪い優位に試合を進めそのまま逃げ切り。4番竹内が先制2点弾含む2本塁打3打点。先発島本が7回2失点。4番とエースが本来の力を発揮してまず先勝。学院はMVP角田を立て必勝期すも序盤に捕まり、終盤反撃に転じたが及ばず。これで学院は後がなくなった。
文教1-9岩教。岩教が1回2点を先制後、3回から6回まで4イニング連続得点、合計7点を奪い勝利。岩教10安打(2塁打が5本)文教8安打と安打数自体は大差ないが長打の有無と文教が与えた12四死球(四球10死球2)を岩教がことごとく回収、これが点差に反映された。文教唯一の得点は1番投手芝田の適時打。
□6/22(札幌麻生)
大谷5-4学院。後がない学院と入れ替え戦2日目から登場となった入替戦巧者・大谷の一戦。先制を許した大谷が中盤に逆転。しかし、8回学院が二死から代打の代打造田2点適時打で同点に。が、9回大谷は飯田、槙の安打で舞台を整えこちらも代打林が逆転の適時打で接戦にケリ。学院は連敗で昇格ならず。5-4、大谷がなかなか一部ではできない1点差勝利というスコアがこの試合が入替戦であることを雄弁に語っているように思う。
札教9-3文教。一部での優勝実績もある古豪校と新興私学による一戦。札教が2回までに7点を先制、終盤に2点を加えて逃げ切り。ポイントは7-3で迎えた7回の攻防。いわゆる次の1点はどちらがというそれ。しぶとく1点を奪った札教に対して文教は一死満塁の好機に投直併殺と明暗分けた。文教初の二部昇格挑戦は潰えた。
□6/23(札幌麻生)
運命の3日目・・・であったが雨天順延。6月27日、舞台は栗沢。長い春、いよいよ終焉へ。
□6/27(栗沢)
北翔13-17大谷。両チーム合わせて総得点30。互いに無得点のイニングは3回のみ。いわゆるノーガードの撃ち合いである。5本の本塁打が飛び交う一戦を大谷が制し、今春入替戦に出場した6チームで唯一「下剋上」に成功して一部残留、北翔は本戦は5位ながら順位決定戦、入替戦に敗退で二部降格。
岩教16-15札教。二部最後の椅子を懸けての一戦は第1試合に負けず劣らずな壮絶な一戦。12-12で迎えた8回岩教が4点奪い逆転、粘る札教は9回5連打で3点加えて1点差まで詰め寄る。しかし最後は4番福田、捉えたと思われる打球が遊直で試合終了。4時間に及ぶ兄弟喧嘩の末、岩教が二部死守。札教は三部降格。
◇春季トーナメント戦・決勝
19秋以来に開催されたトーナメント。4強は学園A、札大A、国際A、道都A。決勝は道都Aと国際A。ともに春のリーグ戦2位同士の対戦となった。試合は道都2点リードで迎えた8回に菊地2点適時打で国際を突き放して優勝。道都イレギュラーズが19秋に続き連覇。殊勲賞に道都田中が選出された。
◇全日本大学野球選手権大会
6/7(神宮)※6/6雨天順延でスライド
環太平洋大学0-2東海大学札幌キャンパス
渡部ノーヒットノーラン達成
6/8(神宮)
佛教大学6-0東海大学札幌キャンパス
◇秋季リーグ戦・第一節
□8/28(札幌円山)
春王者東海が春7位の大谷を、春2位の道都は春4位学園をそれぞれ下してまずは順当に発進。春5位の北大が春3位の札大に勝利したのがこの日の波乱。札大は春二節に続き対北大戦連敗となった。開幕投手は、東海渡部・大谷鳴澤。道都滝田、学園帯川。札大原田・北大高橋。先発6人中左腕が4人。3試合いずれも敗れたチームが完封負け、投高打低・秋全体の傾向を暗示する開幕3試合となった。
□8/29(札幌円山)
東海が北大をコールドで退け連勝。道都は9回表に3点差を追い付いて札大と、大谷は9回裏に2点差を追い付いて、それぞれ引き分けに持ち込む。東海・道都を追いたい札大・学園が2試合を終えて勝ち星なし。なお、学園-大谷の一戦は今秋最長時間試合。札大塩沢が大会1号本塁打。
□9/1(札幌円山)
8月31日(水)の雨天中止を挟んでの3日目。8月31日予定試合は9月2日に順延される。学園が帯川完投で今季初勝利、道都は大谷を下して2勝目、滝田が2勝目。札大が東海をコールドで撃破。勝利投手は山川。春王者に3日目で土がつく。札大・学園が3日目に揃って1勝目を上げた。
□9/2(札幌円山)
学園が東海に勝利して2勝目(21年春以来の東海戦勝利)。学園は初先発の工藤がチームに浮力をもたらす6回無失点の好投。秋の流れを大きく変えた一戦。札大も大谷戦に勝利して2勝目。道都が北大に辛くも逆転勝利、3勝目。序盤出遅れた札大・学園が連勝、一方、春王者の東海、さらには北大、大谷が連敗。
□9/3(札幌円山)
一節最終戦にふさわしい対戦が並んだ。大谷は伊藤嶺が北大を完封、今秋初勝利。札幌ダービーは学園が勝利して道都追撃の一番札を掴む。敗れた札大はひとまず学園に先を譲る格好に。結びの一番~登坂と伊東、春二戦に続く三度目の対戦~を道都が制して首位通過。東海は3連敗、4位で一節を終えた。学園志村が1号、札大塩沢が2号本塁打。
◇秋季リーグ戦・第二節
□9/13(岩見沢)
二節岩見沢で開幕、いきなりの大一番~学園と道都の一戦~で幕開け。道都が学園をコールドで退け<道都7-0学園>優勝に向けての快走が続く。福島が4打点の活躍。東海は服部・相馬の新旧主将の連続適時打大谷に辛勝<東海2-1大谷>連敗止める、北大が札大に一節に続き連勝<北大4-0札大>。
□9/15(札幌ドーム)
道都が札大下して6勝目<札大0-3道都>滝田が5安打完封。なお5安打中4安打が佐野。佐野の後ろ滝田対策で入れたと思われる布施が3三振1併殺、攻撃を分断された。北大が東海に逆転勝利、北大は二節二連勝。学園が大谷に勝利して4勝目。この日の3試合の結果から優勝は道都・学園に絞られた。東海鈴木大地が1号本塁打。
□9/16(札幌ドーム)
学園が東海に勝利、東海に一、二節連勝。帯川、渡部左腕対決を制し学園は優勝に望みをつないだ。先制打は杉林、決勝打は池本。札大は大谷に2-1で勝利、こちらは札大成田、大谷伊藤の旭川明成対決。札大連敗から脱出。道都は二節に入り負けなしの北大を一蹴。
□9/19(札幌円山)
札六・秋の灯を北大が吹き消す。先発高橋がキャッチボール投法で学園打線を幻惑したか、高橋から田所、飯島と繋ぎ学園を僅か2安打に抑え込む。攻撃では1回表に大澤本塁打で先制、3回に3点、7回にも1点とじわりと中押しダメ押し。4勝目を上げ入替戦圏内から離脱、明日の大谷戦勝利で5割着地。
□9/20(札幌円山)
大谷伊藤が1安打完投、一節に続き北大に連勝。入替戦確定の危機からひとまずチームを救った。5番高橋が先制、逆転に絡む2安打の活躍。打線組み替えで臨んだ北大だが、この日は終始伊藤に翻弄されて大谷に連敗。最終戦は飾れずも、二節3勝2敗と盛り返した北大は4勝6敗で全日程を終了した。
□9/21(札幌円山)
札幌ダービー第2ラウンド。札大勝利で4勝目。札大が最終戦勝利で学園に並んでの2位滑り込みの可能性を手放さず。学園5勝4敗1分で終戦。優勝行方決した後の東海-道都戦。東海コールド勝ち。東海勝利で大谷6位が確定。札大太田・東海石橋が本塁打、相馬がコールド決着の満塁本塁打。
□9/22(札幌円山)
東海-札大。Aクラス入り懸けての一戦。登坂、山川両エースの真っ向勝負。結果はスコアレスドロー。互いの打線の状態から両投手好投でのスコアレスドローは想定内決着か。札大3位、東海4位で終戦。道都-大谷。道都伊東がノーヒットノーランを達成。優勝決しても最後まで目を離すなということ。
◇秋季リーグ戦・入替戦
□10/11(札幌麻生)→雨天順延
□10/12(札幌麻生)
樽商5-9文教。文教が先勝、二部昇格に王手。文教は四球出塁で得た4度の好機に犠打を絡めて着実に加点。先発芝田が直球・変化球、内外角を巧みに投げ分け完投。樽商は与四球と内野守備の乱れからの失点が響き終盤追い上げも届かず。
大谷9-3北翔。大谷が先勝。大谷は1-3で迎えた4回表小山、飯田の連続適時打などで5-3と逆転。大谷はその後も7回までに小刻みに加点し、逃げ切りに成功。先発伊藤が完投。北翔は序盤押し出し四球で3点得るも中盤以降攻守共に流れを失い追い上げならず。一部復帰に向けて後がなくなった。
□10/13(札幌麻生)
文教4-6樽商
北翔0-3大谷→北翔昇格ならず、大谷一部残留
□10/14(札幌麻生)
樽商0-2文教→樽商三部降格、文教二部昇格
◇明治神宮野球大会代表決定戦(網走呼人)
10/14(金)道都大4-5東農大
10/15(土)東農大0-3道都大
10/16(日)道都大1-2東農大
◇秋季トーナメント戦
10/29(土)学園A4-3国際A
学園Aが終盤8回に3点差を跳ね返して国際Aに逆転勝利。2022札六最後のタイトルとなる秋季トーナメント戦優勝を決めた。
*
学園は3点を追う8回表、この回先頭の1番金野が遊失策で出塁。2番関が中前安打、さらに3番杉林が四球で続き、無死満塁の好機をつくる。ここで代打の片野が一、二塁突破、右前へ適時打。二者生還後、本塁への送球が逸れる間に一塁走者杉林も生還。結果的に走者一掃の一打となって3-3の同点。さらに5番森晴斗が犠打で繋ぐと、6番中島が右前適時打を放ち、逆転に成功。学園は裏の守りから工藤泰己を投入。最速148キロの力強い直球で2回を零封、国際の反撃を封じて、学園が逃げ切った。
*
鮮やかな逆転劇に加えて、二盗を二度阻止した捕手の大日向、さらに9回裏最後のアウトとなるダイビングキャッチを決めた右翼の金野とここぞと言う場面を球際強く守り切っての勝利。
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春ABとも国際ABに敗れていた学園は雪辱、また、一部リーグ2位のチームとして貫禄を示した格好。
学園堀川が殊勲賞を獲得。
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