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心の風景5

杉山の風景 城下との境から河内辺り

 シロさんの畑。杉山小学校から城下へ抜ける道と知原の尾根道が合流する辺り。南に田原市六連(むつれ)、東に豊橋市城下(しろした)に接する、杉山町の南東に位置する。
 自治会で知り合った元警察官のシロさんは、現在この畑でいろいろな野菜を作っている。広大な畑ではないが、大根、ニンジン、キャベツ、白菜、ブロッコリー、レタス、ジャガイモ、ビーナッツ、トマト、キュウリ、ナス、トウガラシ、トウモロコシ、各種豆類など、季節ごと、畝ごとにいろいろなモノを作っている。
 畑の北側は崖になっていて、下はほとんど手付かずの雑木林とハチョウトンボなどが生息する小さな知原池がある。初夏の頃、木陰でシロさんの畑をスケッチしていると後ろの雑木林からフクロウの声が聞こえたり、下草がカサカサと、狸か何かいるのかなと振り返ると、コジュケイと目が合い、大慌てで崖の下に転がり落ちるように逃げていくマヌケな姿に吹き出す。
シロさんの畑 ボールペンに淡彩

シロさんの畑

 田んぼに水が引かれ、一年のうちでもっとも光に満ちた季節。
 杉山町と老津(おいつ)町の境を流れる紙田川。渥美半島の台地を削ってできた川だから、全長も5~6キロくらいのものか。源流がどこにあるのか知らないが、きっと城下(しろした)町か赤沢(あかざわ)町あたりだろう。
河内風景 ボールペンに淡彩

河内荒子

杉山町河内(こうち)地区、上流側紙田(かみた)から・細田(ほそだ)・荒子(あらこ)までの1㎞余りの紙田川沿いの田園風景がいい。知原の畑地帯を経て自転車で細田に下りて紙田川堤防を走り、荒子経由で杉山駅、自宅という、春の杉山風景満喫散歩は楽しいが、二級河川の紙田川の堤防は未舗装砂利道で雨上がりには轍(わだち)の殆どが水たまりになっている。いくらマウンテンバイクでもこの水たまりだらけの道を走るのはしんどい。おまけに春の西風が老津の台地と杉山の台地に挟まれた紙田川の谷を吹き抜ける。この風を正面から受けながら水たまりをこぐのは勘弁してもらいたいが、ここから上流(城下町)方向を望む風景がいい。城下までは自転車でもほんの数分のところだが、靄(もや)をついて朝陽輝く眺めは実際以上の奥行きを感じる。

誰にでも心の風景があるものだと思う。長年住んでいながら全く知らないエリアがあることに気付いたとき、その先に何があるのだろうという興味が旅の始まりだったりするから面白い。思いもかけない風景に出会う。

marumann F6号サイズ COTOMANスケッチブック ボールペンに淡彩

Posted by Akira Isizuka on Wednesday, July 27, 2022

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