男女共同参画社会
杉山校区御園第一区では女性の町自治会長さんが誕生した。もう何年も前から市の自治連合会として男女共同参画が謳われていたが、校区自治会長に至っては令和3年度に初めての女性の校区自治会長の誕生が話題になったほど。未だ男性の自治会長が圧倒的に多い。
「自治会は男がやるものだ」という意識は頭の固い年寄にこびりついているイメージかもしれないが、意外にも働き盛りの40歳代の男たちにも女性の自治会参加に否定的な考えを持つ人が多いのには驚きだった。
地域によって名称や活動内容の違いはあるかもしれないが、杉山校区では女性部連絡員という団体がある。立派な自治会の一員であり、校区自治会が主催する大きな行事(イベント)のほぼすべてに実行委員として参加している。この人たちがいなければ行事の進行は成り立たない。この事実は自治会役員を経験した人であれば間違いなく同意するものだ。自治会の活動は、町自治会長たちだけでできるものではない。イベントの際には地元の企業や店舗或いは地主の方に寄付や駐車場利用、借り物など、多数の交渉事や情報収集等も行われる。イベントだけでなく一般の住民の目には見えない活動もたくさんある。自然災害、交通安全、街灯の管理、ゴミステーションの管理、道路の調査管理、水路の管理、防災対策等多岐にわたる。自治会だけで解決できないものであれば、資料を作り、市に折衝・依頼する仕事もある。そういうことをみんなで手分けして活動を進めていく。イベントごとに担当が割り当てられ、担当者が中心になって企画を進めていくが、一つのイベントに担当者が一人ですべてをこなすことはできない。
人それぞれ得手不得手がある。地域で顔が広く交渉ごとの上手な人もいれば資料の作成等事務作業の得意な人、パソコンを使える人、工作の得意な人、場合によっては重機を扱える人もいたりする。また若い頃に消防団や青年団に参加していた人たちは地元に人脈があることが多い。
「みんなで力を合わせて」という言葉を誤解している人がいる。
台風で倒木処理をした時のこと。直径1メートルもある大木が倒れた。自治会で処理しきれないために切り出し作業は市に依頼したが、切り出し後の木は業者に依頼するだけの費用がなく自治会で処理しなければならない。重機で処理する人、小枝の後始末をする人、記録を取り資料にまとめる人、それぞれ役割分担をするのである。イレギュラーでの出来事である。仕事でどうしても参加できない人だっている。「みんなで力を合わせて」とは補い合ってこそ成立するものである。同じ作業をさせることではない。
女性の参加に否定的な人の多くが「力仕事もできない」を理由に挙げる。力仕事に苦手な男もいれば力持ちの女性だっているし「力仕事もできない」という理由は成立しない。「女に指図されるのはちょっと抵抗がある」というのを聞いたこともある。それが本音なのだろうと思う。