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【雑記/特撮】タイトルに1人足りない、ような

【おことわり】
今回の記事は「仮面ライダービルド(2017~2018)」本編及び映画「ビルドNEW WORLD 仮面ライダークローズ」のネタバレを多大に含みます

【これまでの(主観込み)あらすじ】

火星からもたらされたパンドラボックスの起動と共に起きた「スカイウォールの惨劇」から10年。天(ッ)才物理学者桐生戦兎は、『不屈のインファイター』万丈龍我、『鋼の心火』猿渡一海、『贖罪の闘士』氷室幻徳と共に数々の死闘を越え、遂に『星を滅ぼし歩く者』エボルトを撃破。「新たな地球を作り出す」という奇跡を起こして世界を守り抜いた。

……はずだった……!

という所から始まる本作。なるべくネタバレしないように頑張りながら紹介していきます。

1)負ける気がしねぇ!
不撓不屈の男万丈龍我

「仮面ライダービルド」のスピンオフとして公開された今作の主役は「(自称)プロテインの貴公子」万丈龍我。今作では本編で語られなかった彼の「罪」が明かされます。「ヒーロー」として、「仮面ライダー」として闘うからこそ背負うべき責務にいま一度向き合い、新たな地球の安寧を脅かす敵に敢然と立ち向かうその姿はまさしく「燃えるドラゴン」。さらに今作では彼の思いがけない過去も明らかに……。

2)だいたいお前のせいだよ!
「帰ってきてしまったラスボス」エボルト

今作もう1人の主役はテレビシリーズでその邪智奸計を遺憾無く発揮し続けた地球外生命体エボルト。後述する新たな敵の影響と死の直前に張った「最後の一計」で見事に復活したエボルトはこともあろうに万丈と即席コンビを結成。いつもの人をおちょくった姿勢と言い回しはそのままに、己の血縁でもある新たな敵に奇策を駆使して挑みます。
かつて地球を崩壊寸前まで追い込んだ「ヒーロー」でもないなら「ダークヒーロー」とすら呼び得ない男エボルト。紛れもない「ヴィラン」です。これまでも「システム上は仮面ライダー」でしたが今回は(図らずも)地球を守る側になったことで「概念上の仮面ライダー」に近づいたエボルト。おそらく自身にその気はないでしょうしいつか続編ができたら確実にまたラスボスするであろうこの男の存在感がとにかく濃い。「仮面ライダークローズ×仮面ライダーエボル」としてあげてもバチは当たらなかったかもしれませんね。

3)稀代の狂王!
「破滅主義の塊」キルバス

そして今回の新たな敵こそがエボルトの実の兄キルバス。弟にわざわざ言われるほどの破滅主義者たる彼はかつて王として君臨していた自らの星をも滅ぼしてしまった「滅びに魅せられた男」。進藤学さん演じるダンサーに擬態した彼はとにかく激しく、執拗に(腰が)動く。ふざけた動きとふざけた強さがとにかく噛み合ったこの男の目的は「新たな地球そのものを巻き込んだ壮大な自害」。どんだけ滅びたいんだ!
そしてそんな彼が変身する仮面ライダーキルバスはシリーズ伝統モチーフの一つである「蜘蛛」モチーフの仮面ライダー。両腕を中心に蜘蛛の脚が組み込まれたデザインは今回限りとはちょっと思いたくないほどの完成度です。

仮面ライダービルド特有の頻繁に挟まるボケとクライマックスまでガシガシ盛り上げるシナリオ運びがまた見れる、というのもさることながら「改心の欠片もないかつての敵との呉越同舟」という上がるシチュエーションで更に熱くなる!上映開始からラストまで「予想の上にかっ飛ばす」ビルド流の集大成!不屈のヒーロー×策謀の魔王、これぞ想定外のベストマッチ……!?

【評価】
火力:3.9/5.0(もうちょい火薬を盛ってもよい、それはそれとしてシナリオの熱さは一線級)
主演:4.3/5.0(赤楚衛二さんの「蓄積」が見える渾身の演技。万丈龍我という役と全力で向き合った結果)
ドライヴ感:7.0/5.0(外し方もノセ方もお手の物。観客を掌の上で転がす技法は最早達人芸)

#映画 #特撮 #雑記 #note映画部 #悔しいがかっこいいラスボス #よく動く強敵の腰 #仮面ライダービルド #負ける気がしねぇ


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