サガ・マスターズ
サガ・マスターズという言葉をご存知だろうか。
デュエルマスターズでは、環境が特定のカードやデッキに染まった時、○○マスターズと非公式に呼ぶことがある。キリコ・マスターズ、デュエル・バスターズ、オニカ・マスターズなどがその例である。
そして2023年2月18日、新たな「マスターズ」が始まった。サガ・マスターズである。
普段大会に出たりしている人は当たり前のように知っていることだが、あまり環境を把握していない人や他のカードゲームをやっている人が読んでくれているかもしれないため、このカードがいかに狂っているかを解説していく。
まず、デュエルマスターズには「ループ」というギミックがある。複数枚のカードが無限に同じ挙動をし続ける盤面を作り、その過程で生まれた莫大なリソースで一気に勝つ、というギミックである。
サガの場合、
①墓地にクリーチャーが2枚以上ある状態でサガを出す。
②サガの能力で1枚引き、クリーチャーを1枚捨てる。
③ここで墓地にサガがあれば、サガを破壊し、墓地にあるサガを出す。(②に戻る。)
こうすることで、理論上、山札が無くなるまでは②と③を無限(※後ほど補足)に繰り返すことができる。この仮定で、サガの1枚引き1枚捨てる効果により墓地が増えていく。
墓地が増えた後はサガの仕事ではないので詳しくは解説しないが、サガループのデッキでは墓地が11枚とマナが1枚あればエクストラウィンできる手段があるためシールドを割らずにフィニッシュすることができる。
このようなループデッキは過去にも存在したが、同名カード2枚でループするカードは存在せず、環境を牛耳るほどのものはいずれも優先して規制され、環境からその姿を消していった(抜け道を見つけて環境に居座り続けたデッキもなくはないが)。
こうした傾向から、「公式はループデッキが嫌い」というイメージが定着した。実際、本来シールドを割り合うゲームで一方的にぐるぐるぐるぐるとループしてはい勝ちです、はゲーム体験として良くない。
しかし、明らかにループするカードが生み出されたのには理由があるはずだ(何らかのミスによって生み出された可能性も0ではないが)。
問題なのは、このカードは環境で活躍しないと判断され、「許された」のだとすれば、それは単純にカードデザインが下手ということになってしまうし、あえて環境を破壊するカードを出そうとしたとしてもその理由は分からない。
ただ、ゲーム体験が悪化していることに変わりはない。サガループとサガループに勝てるメタデッキしか環境にいないのは、不健全としか言いようがない。
サガを殿堂にすると公式がデザインミスを認めることになるから殿堂してほしくないといった意見もあるが、不健全な環境を終わらせるためにしっかり規制をかけられることを願う。
(※補足)
ループを証明するときは、○○の効果を「無限回使います」ではなく「好きな数使います」などと言うようにしよう。「無限」だと山札が切れるまで続けるという解釈をされて負けにされたりトラブルが発生する可能性がある。