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SIGN SHOEGAZER

 2024年4月25日、デュエプレでは《インフェルノ・サイン》の殿堂が施行され、とあるデッキの解体が余儀なくされた。

 デッキの名は、【サインシューゲイザー】。
 また、通称【サインシュゲ】。

こんなリストで使ってました

 デュエプレ史上最高傑作デッキとも評され、オラクリオンらしく多数の信者を獲得したこのデッキだが、紙のデュエマの歴史の中にこのようなデッキは存在しなかった。

 デュエマでもシューゲイザー自体は環境を一色に染める程活躍したが、シューゲイザーにSAを与え、プリンで起こし、また殴り、というデュエプレでも流行った中速ビート型が主流であった。

 ではなぜデュエプレでは受けに寄ったシューゲイザーが活躍したのか。

 デュエプレでのシューゲイザーの足元を眺めてみると、そこには紙のデュエマとは違った仲間たちがいた。

存在しない記憶

1.弱すぎた《超合金 ロビー》

 【サインシューゲイザー】に限らず、エグザイルクリーチャーの仕様変更は環境に大きな変化をもたらした。

 デュエマではエグザイルの上と下(例えばロビーとロビンフッド、ミケとミケランジェロ等)はそれぞれ独立した別のカードであり、それぞれ4枚採用するとデッキが8枠埋まってしまうという、流石のカツドンも泡を吹いて倒れそうな仕様である。

 当然というべきか、この仕様のせいでデュエマでは環境でエグザイルクリーチャーを見ることはほとんどなかった。

 ロビーに至ってはデュエマではコスト5で攻撃時3枚ドロー2枚ディスカードという、マイペースにも程がありすぎて一発殴りたくなる性能である
(ドロンゴーが発動する恐れがあるため、ロビーよりパワーが高い方が殴る場合は注意されたい)。

紙ロビー

 しかしご存知のとおり、デュエプレではロビーとロビンフッドは1枚のカードにまとまり、ロビーが3マナになったことでその力の真髄を発揮することができた。


2.強すぎた《インフェルノ・サイン》

 前述のとおり、ロビーは弱すぎて使われなかった訳だが、逆にサインは"強すぎて使えなかった"のだ。

 今回殿堂入りしたサインだが、紙ではなんと能力そのまま5コストであり、ロマネスク等との相性の良さが危惧され、2009年12月19日に
殿堂入りしてしまった。(2009年は紙ではNEXやキリコが出た年)

紙サイン

 シューゲイザーが出た2013年にはサインは既に殿堂入りであり、1枚制限のサインと組み合わせてもそれがデッキテーマになることはなく、煉獄の儀式からシューゲイザーが蘇る光景を目にする機会は少なかった。


3.早すぎた埋葬

 キリュージルヴェスはアッパー後の性能でデュエマにも存在していたが、紙のデュエマでもシューゲイザーとの相性が良すぎたため、2014年5月24日付けで殿堂入りした。

 なんとこれはサイクリカが収録されたパックが発売されたまさにその日であり、ロージア、エメラルーダはこの後に登場したカードであるため、これらのカードと共に複数枚のキリューを使うことは不可能であった。


4.そもそもルールが違う

 デュエプレでは、マナの「枚数」と「文明」がそれぞれ独立していて、「使用可能マナが何枚あるか」と「文明が解放されている/いない」の2点で使用できるカードが決まる。

 文明は解放されてさえいればその文明のカードをターン中に何枚でも使用できる。

 一方デュエマでは、1マナにつき1色しか出せないというルールがある。

 少し難しい話だが、要は

デュエプレでは、マナが「ヴィルヘルム1枚、他4枚が全て水単色マナの合計5マナ」といった状況でキリュージルヴェスを召喚できるが、デュエマではそれができない。

 デュエマではこの場合マナのヴィルヘルムは闇、火、自然のうちの1色しか出さないため、他の2色もさらに1枚ずつマナに置く必要がある。

 【サインシューゲイザー】ではキリュージルヴェスが3枚の構築でもキリューを1枚マナに置いてもう1枚を素出しする場面は少なくなかったが、デュエマで全く同じ構築を使用したとしても更に2色のマナが必要となり、火と自然のカードを採用することは少ないため素出しは困難である。


 以上のように、紙のデュエマでは決して交わることのなかったカードが手を取り合い、要素が噛み合い、環境トップレベルまで上り詰めためちゃくちゃにアツいデッキが【サインシューゲイザー】なのだ。

 これからもしシューゲイザーを使うなら紙の歴史と同じ中速ビートの型が主流になると思われるが、特有の仕様によって、デュエマではあり得なかったはずのデッキが活躍するのもデュエプレの良さの1つだと改めて思わせてくれたデッキだった。

 そして、私のアカウントのサインはレジェプレ版1枚を除き全て800ポイントと化してしまった。諸行無常。

 さようなら、そしてありがとう。


 楽しいお祈りの時間だったのだわ!


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