Base Ball Bear アルバム紹介・感想・解説 HIGH COLOR TIMES
ご無沙汰しておりました、ケンイトウです。
なかなか多忙が続き更新滞っておりました。
と言っても極々プライベートな用ばかりで充実した日々を送ってます。
一段落つきましたので、今回はインディーズ1stアルバム『HIGH COLOR TIMES』について語っていきたいと思います。
単曲ごとの解説はこちら。
デビューミニアルバム『夕方ジェネレーション』を経て作成された作品。
作成時メンバーの年齢は19~20歳ほどで、
まさに「夕方世代」を経て次の世代を過ごす日々で生まれた曲群。
ギターの音色・フレーズ、リズム隊の演奏にも幅が生まれ、バンドの地力が固まってきたような印象。
特に湯浅ギターのリードフレーズの多様さや、ダンサンブルなリズムも増え、メジャーデビュー以降に世代を代表する「四ツ打ち」バンドとなるサウンドの根幹を感じる。
また、歌詞の面では「夕ジェネ」期の真っ直ぐな青春感からは脱却し、
「夕方世代」の自分を俯瞰してみるような視点が増える。
言葉選びも比喩的であったり、文学的な表現が多用され、まるで短編集を読んでいるような、そんな詞世界で構築されている。
「俺」=「自分」と「君」という世界観は大前提でありながら、
主観から、客観へ。そんな世界観に小説感を覚える。
No.1『極彩色イマジネイション』は曲名の通り、まさに「HIGH COLOR」なサウンド。「夕ジェネ」期の「オレンジ色」から「極彩色」へ。
「イマジネイション」という「想像」の詞世界に。
No.2『April Mirage』でも「Mirage」という幻影に思いを馳せる。
個人的にアルバム名とは対極的に「モノクロ」な世界も描いていると感じていて。
寂しさを表すような乾いたサウンドが特徴的。
No.3 『空飛願望』のように、跳ねるような浮遊感のあるワウギターが特徴的な飛び道具的なリフも。
一方、No.4『向日葵の12月』のようにソリッドなギターメロ、No.5『白雪の彼女』と冬の風景を描くような乾いた曲群。
夏を間近に描いていた『夕ジェネ』期と比べると、季節感の変化も感じつつ。
No.6『海になりたい』ではライブバンドとしての一面も。
思春期特有の「死」を意識した曲ながら、ライブサウンドに昇華するというのは十八番というか。
No.7『aimai memories』では結局のところ思い出に囚われる自分を歌い、No.8『サテライト・タウンにて』では過去に戻れないことを歌い。
No.9『君色の街』でソリッドなサウンドを追求し、一気に『白黒』の自分と、「君色」の対比に落とし込む。
そんな回想の歌からNo.10『翳ない2人』で「夕方ジェネレーション」期の自分に回帰。
No.11『彼氏彼女の関係』は、「彼女」・「街」・「海」と、メジャーデビューアルバム『C』につながる詞世界を描き、「街」に消えゆく「彼氏彼女」をダンサンブルに歌う。
ラストナンバー『HIGH COLOR TIMES』はひたすらに空想の「君の街」を描き歌う。この曲こそこのアルバムに相応しい曲。
自分が『Base Ball Bear』を聴きだしたとき、遡って聴いてこのアルバムがあったからこそここまでハマったんだろうな。
次回からはまた一曲解説に。
26曲目『ラビリンスのタイミング』で会いましょう。