歳の差カップルの恋の行方
歳の差カップルといっても、わが家で暮らす文鳥の話です。期待した方ごめんなさい。
でも、人間にも負けない、ドラマティックな恋をする文鳥の様子を知っていただけたらうれしいです。
実は写真の2羽の文鳥は、産卵をして、今卵を温めている真っ最中。最初の卵が生まれたのが9月1日。4つ目の卵を産んだところですが、最終的には5〜6個産むのが平均的な感じです。頭が黒い桜文鳥が女の子。名前はあんこでこの秋に5歳。グレーの子はシルバー文鳥で男の子。名前はつみれで、この春に生まれた子です。
あんこちゃんはこの春、春生まれの文鳥たちをお迎えする時に、里親募集の掲示板に出ていた子で、前の飼い主のご主人がアレルギーになり、手放すことになったのを、同じ沿線なのでお迎えしました。
お迎え初日、キャリーから出したらすぐに手に乗ってきて、いわゆるベタ馴れだったので、なんで可愛いんだろうと思ったんですが、大好きだった前の飼い主さんと離れたことが分かったんですね、翌日から放鳥時に手に乗ることはなくなり、ケージから出す時だけ手に乗るようになりました。
一方つみれちゃんは、巣上げしてまもなくの時期にお迎えした子。もともとさし餌のいらない、ひとり餌ができる子を探しているうちに、この子を巣上げしたブリーダーさんと出会い、この子はどうですかと引き合わせてもらいました。昼間さし餌ができないしと少し戸惑いつつ、覚悟を決めてお迎えすることにしました。そのため、昼夜を逆転させる形でさし餌をしました。
性格的にすごくドライな子で、外よりもケージの中でおもちゃで遊ぶ方が好き。ひなの頃からベタベタとすることがない子で、こちらもあまりしつこくできないし、と思っているうちに、手乗り崩れになっちゃった子です。
愛する前の飼い主さんと離れて失意のあんこちゃんを、仕切りに気にして求愛ダンスするようになったのは7月のこと。放鳥すると真っ先にあんこちゃんのケージの前へ行きプロポーズ。つみれちゃんは熱心でした。
最初はケージ越しに撃退していたあんこちゃんでしたが、徐々に態度が軟化して尾羽をプルプル振るように。これはもしや?と思って、一度一緒に放鳥してみましたが、うまくいかずにケンカばかり。しばらくは一緒に放鳥せず、別々にしていました。
そもそも、あんこちゃんは年齢も5歳近く、産卵をするのもこの秋がおそらく最後のチャンスだろうなとは思っていました。リスクもあるしと考えると、なかなか踏み切れないなと思っていたので、一緒に放鳥するのは勇気のいることでもありました。なので、ちょっと安心したりもしたのです。
ところがつみれちゃんは諦めません。毎日毎日、来る日も来る日もあんこちゃんの元へ。ケージを開けると大好きな豆苗に見向きもせず、真っ先に向かうのです。そこで、2週間ほど経ってからもう一度一緒に放鳥してみました。すると今度はつみれちゃんの求愛を受け入れたんです。それからはずっと寄り添って過ごすようになりました。
そうなるとやっぱり必要なのは大きなケージです。しばらくは小さめのケージで別々に過ごしてもらい、大きめのケージを新調してから同居させてみました。すると、今度はあんこちゃんの方がつみれちゃんにべったりで、つみれちゃんを追ってそばに行き、ぴったりと体を寄せて離れないのです。
でも、そこはドライなつみれちゃん。ぴったりとくっつかれるのがしんどかったらしく、1晩眠れなかったようで1日で明らかに疲れて、あんこちゃんのそばから逃げるようになりました。これは良くないと思い、再度別々のケージへ。あんこちゃんは寂しそうでしたが、つみれちゃんが辛そう。つみれちゃんはその日、別のケージに移ってから、滅多に見せることのないうとうとする姿を見せるほどでした。
その後、翌日、またその翌日と別々に放鳥したのですが、あんなにそばから離れたがって逃げていたつみれちゃんが、それでも毎日真っ先にあんこちゃんのケージのところに行ってダンスをするではないですか。
それで、再度一緒に放鳥してみたら、そこは大人の女。今度は程よい距離感を保ちながら接しているんです。これなら大丈夫と同じケージへ。無事産卵となりました。
前の飼い主さんから愛を一身に受けて育ったあんこちゃんの愛は、最初重たかったのかもしれないけど、今は仲良く相手を思いやりながら過ごせていて、2羽とも幸せそうでとても嬉しいです。私もお世話をする中で、毎日幸せを分けてもらっています。
あんこちゃんの年齢を考えると、産卵は命に関わるリスクもあり、とても心配していましたが、今のところ順調に産むことができていてホッとしています。
あとは無事にベビーが生まれてくることを願うばかりです。飼い主も頑張ってさし餌するぞーと、準備を万端に整えています。
あんこちゃん、つみれちゃん、よかったね。末長く幸せに暮らすことができますように。
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