
銀の龍と小さな雛
夜明けの風がそっと吹く、
銀の翼が月光を映しながら広がる。
その下に、**かすかな命の鼓動**。
ふるえる羽根、小さな瞳、
まだ飛ぶことを知らない雛がいた。
嵐の予感、冷たい風。
けれど龍は何も言わず、
そっと翼を広げ、**小さな命を包み込む**。
「恐れることはない、
風が吹くのは、おまえの翼を試すため。」
龍の銀色の鱗は、月の光を映して輝く。
そのぬくもりの中で、雛は目を閉じた。
嵐が過ぎ、朝日が昇る。
銀の翼はそっと開き、
青空へと、**新しい旅の道を指し示す**。
「いつか、おまえも風に乗るだろう。
けれど今日の空は、まだここでいい。」
龍は再び静かに羽ばたく。
雛は小さく鳴き、
やがて空を見上げた。
銀の龍の背に乗る日は、
そう遠くない未来にあるのかもしれない。
内野 藍

-