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E判定から1年で農工大前期数学 を突破した方法

どうもこんにちは。おやこどんです。
この記事では農工大の前期数学でいかに得点をとるのかについて述べていきます。
筆者は1浪で農工大工学部に合格しており、約2年間農工大の試験と向き合ってきました。今この大学に向けて勉強している人にこの記事が届いてくれれば幸いです。
<注意>私個人の意見が多く含まれる文章なので、1意見として受け止めてください


1.配点、時間について

農工大前期数学の配点は以下のようになっています。(2024年度)
工学部 350/1800 = 19.4%
農学部 200/1600 = 12.5%
試験時間は15:55~17:55の2時間です。2次試験の最後の時間なので、本当に最後の最後ですね。

2.出題傾向


前提として、農工大前期は4つの大門で構成されています。試験時間が2時間なので、単純計算大問1つあたり30分ですね。
出題傾向は結論から言うと、微分、積分が大問をそれぞれひとつづつ担当し、残りの2枠をベクトル、数列、複素数で取り合い、極限がおまけ程度に各大問に出現する、というものになります。これについて、出題表とそれぞれの細かい内容について述べた文章で説明していきます。

微積が必ず前期数学について行列がなくなった2015年度から2024年度までの出題範囲について表でまとめました。

表1 前期の数学出題表

表1を見てわかる通り、微分、積分は毎年出ます。また、ベクトル、数列も頻出です。次点で複素数、極限の問題となります。微分積分の範囲は数Ⅲの内容がほとんどです。
全体の傾向として、発想が難しいというよりは計算量が多く時間が足りないという感じです。各大門ごとに小門ごとに難易度があがる構成になっており、奇抜な発想で大門がまるまる解けるということはほとんどありません。

2.1各単元の出題傾向

ここでは各単元においてどのような内容で出題されているのかを確認します。

微分

重めの関数が与えられて、それの極値を求めて図示をしてから別の関数との関係を考察していくという問題が多いです。そのため、まずは重めの関数をしっかりと図示できる力が必要になってきます。関数方程式や証明の問題などはあまり出題されていません。長い式に対して普段通りの計算をする技術が必要になってきます。

積分

こちらも重めの関数が与えられてそれの面積、体積を求めるという問題が多いです。ただし、積分は出題範囲が広く、積分漸化式、道のり計算、曲線の長さの計算なども出題されます。やはり証明問題はあまり出ませんが、数Ⅲの最後の範囲まで出題されるので侮れないです。

ベクトル

農工大前期数学で一番特色がある分野であると考えています。ベクトルの分野では、3次元空間のベクトルがほとんどです。他分野との融合が感じられる問題も少ないです。(最大最小を求めるときは数Ⅲ微分を使いますが)ある点からある平面に対して垂直なベクトルを引く、という考え方をよく使うので、この考え方は習得しておくべきです。

数列

自分で漸化式を立てるような問題は少なく、与えられた数列に対して場合分けなどを適切に行っていく問題が多いです。こちらも与えられる数列が重いものが多いです。2024年度では数学的帰納法を用いた証明が出題されましたが、それまでは帰納法自体も使うことはあまりありませんでした。整数分野との複合で考察していく問題も少なく、いかに重めの数列を普段通りの考え方に落とし込めるかが重要になってきます。

複素数平面

上記の4分野に比べると少し出題頻度は下がりますが、捨てていい分野ではないと考えています。複素数平面を図示して図形的に考察していく問題が多いです。解そのもののみに注目した問題は出ずらい印象です。同じことを言って申し訳ないのですが、こちらも与えられる複素数は重めのものが多いです。回転、拡大、縮小とド・モアブルの公式を理解したうえで、重めの複素数に対してこれらを適応していく技術が必要です。

極限

極限の問題は、主に微分が扱われている大問において漸近線を求めるときや、数列が扱われている大問で、唐突に極限を求めるなどの出題方法で現れます。つまり、ある関数や数列の極限を求めることをゴールとした大問はあまり見られません。基本的な極限の求めかたや等比数列の無限級数を求める技術があれば、対応できるでしょう。

その他の範囲

整数、確率、数Aの図形分野、証明などはほとんど出ないので2次対策をする上ではあまり重要にはなってきません。基本的な考え方として、上にあげた6分野を理解するために数ⅠAⅡを勉強するというスタンスになってくると考えています。

2.2 出題傾向のまとめ

いかがでしたか。微分積分が2枠を担って、ベクトル数列複素数で後の2枠を奪い合っているという構成が認識できましたでしょうか。もちろんこの傾向が2025年度も成り立つ保障はありませんが、過去10年分の出題範囲や自分が農工大に入り、その質実剛健の雰囲気をじかに体験した後、この方針は変わりにくいものであると考えています。試験において山をはる、損切をすることは残り時間が決まっている以上必要な考え方であると思います。なので、私の考察を参考にしたり、過去問を参照して考えるなどの行為は確実に点数を伸ばすことに繋がっていると考えています。

3.出題傾向から考える勉強計画

「2.出題傾向」を読んでいただければ、農工大数学において第一に微分積分、その次にベクトル数列複素数が大切であることが分かっていただけたかと思います。その上で、2次試験に向けてどのような勉強をしていけばよいかについてまとめたいと思います。

共通テスト前であれば、ベクトルと数列を固めてください。その上で、数Ⅲの微分積分の範囲は、共通テスト対策と同じ程度の時間かそれ以上の時間で進めてください。

共通テスト後であれば、微分積分、3次元ベクトル、複素数の図形的な問題、極限の基礎的な内容、漸化式の復習に時間を使ってください。

微分積分の重要性

なぜこれほどまでに微分積分を重要視するかについて、いくつか理由があります。それは以下の通りです。

  1. 配点が大きい

  2. 出題確率が大きい

  3. 得点が安定する

まず、1についてですが、数学は工学部で350点、農学部で200点を占めています。工学部で考えると、大問1つあたり90点弱あります。これは大きいです。例えば、共通テストの整数問題などは配点が20点ですが、これを10点→15点に伸ばす時間と微分の範囲で30点や→45点に伸ばす時間は同じくらいだと考えています。(この辺りは確固たる理由をもって述べれる事柄でないことに関して謝っておきます。)

2についてですが、微分積分はほぼ出ると言っていいでしょう。つまりほぼ確定で出る2分野で175点分占めてることになります。

3についてですが、微分積分の範囲は出題内容が予想しやすく、得点が安定します。農工大の微分積分で考えればなおさら安定します。

以上の理由により、微分積分には特に時間を費やした方がいいです。

4.目標点について

目標点を決めておくことは大切なことであると考えています。漠然と高い点を取ると考えていると時間配分が定まらず、方針も定まらないからです。
私の目標点についてですが、私は昨年の2023の合格最低点1147点を約50点上回る1200点を目標としており、他の科目の兼ね合いもあって6割をとることを目標にしていました。具体的な配分としては、3つの大問を途中まで解き、ひとつ完答するという方針にしていました。(いわゆる3半1完ってやつです)他教科との兼ね合いについては他の記事で書くつもりなので、目標点の設定が大切であることだけ認識しておいてください。

5.試験内での時間の使いかた

2時間の試験をどのように使っていくのかをあらかじめ考えておくことはとても重要だと考えています。それは試験に挑んでいる時点での自分の実力を点数に最大限に反映させるための要因が時間配分にあるからだと考えているからです。以下に実際私がどのような時間配分で問題を解いたのかについて説明します。

具体的な時間配分

  1. 受験番号を書き入れて、解答用紙4枚分に縦線を入れる。2分

  2. 4題すべてに目を通す 1分

  3. 微積の内、簡単と思った方から解く。大門の最後はよほどすぐに解けると思わない限りは一旦とばして次に進む。

  4. 3.で残した方を解く

  5. .ベクトル、数列、の中で簡単であると判定した方から解く

  6. .複素数をで解く。

  7. イレギュラーな問題(確率、命題、極限単品など)を解く

  8. 残った時間37分で、残したやつの中で解けそうなものから解いていく

  9. .計算の時間がない場合、方針のみ書いていく

いかかがでしょうか。私は先ほど述べた通り、微積は内容が予想しやすく、安定すると考えていたので始めに解いて安心してからスタートするようにしていました。微積でなくていいですが、自分の得意な部分で初めに得点を確保しておくいうのは重要なことだと思います。
このように2時間という時間をどのように使うのかをあらかじめ決めておくことで本番の焦りも減り、最大限の力を発揮できるようになると思います。

6.おわりに

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。私が2次数学で考えていたことを詰め込んだ内容になっていると思います。まだまだ書き足りないことがあるので、順次この記事もパワーアップさせていきたいと考えています。農工大を選んだあなたがこの記事を読んで少しでも役に立ったと感じてくれたら幸いです。




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