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57.雑記⑩∶守破離と革新
よく【革新・進歩・リベラル】という言葉、また【歴史を造る】という言葉を聞きます。
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言葉だけ聞くと、何だか耳触り良く、主体的であり、自発性があるように聞こえます。
しかし、組織においては、【守破離】の無い、単なる【革新】は、とても傲慢な姿勢であり、迷惑な考え方だと感じます。今がある過去を否定し、'自分こそが創造者'であるような、不遜さがあります。
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組織において必要な事は、【守破離】だと感じます。(すべてを守る、残すだけでは衰退していくだけだけであり、その為に破と離があります。)
ただ、その守破離も、【凡事徹底】を追及する中にこそ、守破離の【破】であり、【離】があるのだと感じます。
過去を振り返った時、日々の徹底の中、【改善】が生れ、それこそが、【革新】であったとなるのではと考えます。
【革新】かどうかは、後々、周囲が決める事であり、決して当事者が宣言するものではないです。当事者・組織者は、先ずは、【凡事徹底】にこだわり続ける事ではないかと考えます。
ところで、【新規ビジネス】(アイデア)においては、【革新】(今よりももっと便利に)、それが大きなチャンスなります。
その為、多少傲慢に映るかもしれませんが、この'自らが造り出そう、自らだったら出来る'という考えが、最も大切だと思います。
特に創業時点は、何よりも重要な項目の一つではないかと思います。
しかしながら、アイデアが形になり、だんだんと【組織】の形になってくる中、【革新を追いかける価値観】が、かえって【組織の成長を乱す】ようになります。
'今を否定することが革新'ですので、継続を意図する組織とは、そもそも折り合い出来ないように感じます。
組織には∶
凡事徹底を行う事で、守破離を行う事を心掛ける必要があります。
新規ビジネスには∶
今よりも、より新しいモノ、より良いモノや事を提供したい、自らが創りだしたいという意思の中での、革新が必要です。
経営者には∶
両方のバランスを取りながら、より最適な方向へ進めていく事なのだと感じます。