ゲームUIの最後の砦!UIUX Labの取り組みを紹介
1. はじめに
はじめまして!サイバーエージェントゲーム事業部の横断組織「UIUX Lab」の代表をしている今村です!
今回初の試みでLabメンバーを中心にデザイナー有志でアドベントカレンダーを実施することになりました!自分も初めての経験なのでドキドキしています!
トップバッターを仰せつかりましたので今回は挨拶も兼ねて「UIUX lab」の取り組みについて軽くまとめてみようかと思います。
2. UIUXLabの誕生と役割
設立の背景:
実はなんと2016年にすでに設立されておりました。「スマートフォンゲームに最適なUIを研究する」をテーマに活動をスタート。
当時の代表に召集された5,6人程度の規模で
ゲーム開発の現場へのノウハウの還元を目指し、外部アドバイザーを招いてノウハウを吸収するところから始まりました。
活動内容について:
子会社の新規開発プロジェクトのUI提案や改修を活動の軸に、他社アプリのUI分析レポートなどで組織貢献。UI関連イベントの登壇なども行っていました。
基本的にメンバー各自、所属プロジェクト業務と横断業務を掛け持ちする形で実現しています。
直近では、プロダクトのUIクオリティアップに焦点を当て、新規プロジェクトを開発中から追いかけ、リリース時にできるだけUI品質が高い状態で世に送り出せるように試行錯誤しています。
※過去にはラボメンバーでこんな記事も投稿しています。興味ある方は是非。
3. 進化と挑戦の足跡
UIUX Labの変化:
初期:
・外部アドバイザーと共にUI/UXノウハウ吸収。
・新規プロジェクトのUI改修提案にも挑戦。
・コアメンバーのUIに関する思考力を高めることになった時期。
・UI関連ミートアップイベントなどに登壇。取り組みを社外へ発信することも求められた。
中期:
・外部アドバイザーから独立し、新規プロジェクトのUIレビューなどを主軸に活動。
・社内向けのUI開発に関するノウハウ本などを制作・配布。
・デザイン組織全体の課題解決も求められるように。
・ゲーム事業部全体でのゲーム開発そのものへの知見や課題解決が求められた。
・新規プロジェクトの立ち上がりが増え、社内側の実務的な需要に偏っていった時期。
後期:
・世代交代が起き、広がりすぎていたLabの機能を改めて定義。
・「プロダクトの品質にコミット」に専念する形に移行。
・目的が明確になり、ラボ自体の信頼も増したことで、課題解決に対して具体的なアクションを取りやすくなった時期。
・若手育成の試行錯誤。若手も同じ目線に立ち活動することでのノウハウ蓄積を試みている。
・社内のデザイナー人材の得意分野を考慮したうえでの起用に切り替え、Labがより効率的に高いパフォーマンスが出せないかを試みている。
苦悩と克服:
・最大の壁は、UI品質の上げ方よりも組織構造への向き合い方
子会社ごとに分かれゲーム開発をしているのが弊社の特徴です。
各社でUI品質に対する温度差もあります。マイルストーンの組み方や、優先順位の判断も子会社のスタイルにより様々です。
Lab側から能動的に各社・各プロジェクトへコネクションを作りに行ったり、情報をヒアリングをしに行くアクションをとる必要がでてきます。
各社の開発状況などの情報を横断組織で吸い上げるのにはかなりのカロリーを使います。。。
プロジェクト側がUIの課題解決に取り組む余裕がないことも、多忙でハードなゲーム開発においては珍しくありません。
「そろそろUIのレビューしてみませんか?」「UI周りで課題に感じてるところはありませんか?」等、直接的にこちらからアプローチをかけて実行していくことでこの課題に抗ってきました。
LabにUI知見が貯まっても、それをプロダクトに還元できなければあまり意味が無いんですよね。
具体的な対策事例としては下記のようなものを実行してきました。
・新規リードデザイナー定例
┗開発状況のシェア、リードデザイナーとの繋がり強化
・事業責任者向けLab説明会
┗ステークホルダーのLabへの理解度アップ
・新規PJ×Labキックオフ
┗立ち上がりから把握すための試み
・UIヘルスチェックシート
┗UI品質の定量化、基準明確化、プロジェクトへの対話の円滑化
etc.
他にも子会社を横断した組織でこの活動を継続していくのには多くの壁が立ちはだかります。(この辺は長くなりそうなのでまた別の機会に)
4. 成果が示すUIUX Labの価値
情報漏洩などの懸念があり、具体的な対応事例などは公表しづらい(これもまた悩み)ですが、いくつもの新規プロジェクトのUI改善提案などを実施し製品に反映するところまで実現できています。
新規タイトルが主であり、リリース後の改修等ではないため定量的な評価が難しいのですが、直近リリースされたタイトルに関しても開発中のUI改善に関わっており、嬉しいことに開発チームから高評価を得られています。
5. 未来への展望
まずはゲーム事業部で発生する新規プロジェクトを見逃すことなくフォローできる体制を実現し、ゲームUI最後の砦として全体のUI品質のベースラインを引き上げていきます。
サイバーエージェントゲーム事業部といえば「業界最高水準のゲームUI」というイメージの定着を目指して奮闘していきます!
6. おわりに
「UIUX Lab」について理解を深めてもらえたでしょうか?
少しでも興味を持っていただければ幸いです!
アドベントカレンダー、この後も続々と興味深い記事が続きますのでお楽しみに…!