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米国経済指標と株式マーケットの反応について
2024.5.15公表のコアインフレ率と株式マーケットの反応
5月15日に発表された米国のコアインフレ率(Core CPI)は、市場予想と一致して3.6%となりました。以下のグラフは過去12か月間のコアインフレ率の実績値と予想値の推移を示しています。
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出典: U.S. Bureau of Labor Statistics, Investing.com
分析
このグラフを見る限り、CPIは2023.11をピークに低下傾向にあり、インフレは沈静化傾向にあると見えます。特に、FRB(連邦準備制度)の利上げペースの鈍化を期待する投資家が多く、テクノロジー株や消費関連株が上昇しました。また、米ドルの下落と米国債利回りの低下がリスク資産に対する需要を高める結果となりました。
Powellの最新コメントと金融市場への影響
コメントの概要
連邦準備制度(FRB)議長のJerome Powellは最近の発言で、「コロナ前からサービスインフレは2%を超えていた」と述べ、さらに「必ずしも2%に向かう必要はない」とも指摘しました。このコメントは、FRBがインフレ目標に対して柔軟な姿勢を取っていることを示しており、将来の金利政策における潜在的な利下げに対して前向きな態度を示唆しています。
経済への影響
Powellの発言は、インフレ率が2%未満に抑えられる必要がないことを示しているため、現在の経済状況に応じて金融政策をより柔軟に運用する可能性があることを市場に伝えています。この発言から、金利引き下げに対する期待が高まり、結果として株価が上昇するか、債券の利回りが低下するなどの市場反応が見られる可能性があります。
市場反応
市場はこのコメントを利下げに向けた前向きなサインと捉えており、株価の上昇や債券利回りの低下といったポジティブな反応が期待されます。特に、リスク資産への投資意欲の増加が見込まれ、短期的には市場に活気をもたらすことが予想されます。
Powell議長の最新のコメントは、FRBが現在の経済状況に応じて金融政策を柔軟に調整する意向を示していることを明らかにし、これが市場に与える影響は大きいと考えられます。投資家はこれを利下げの可能性と解釈し、その結果としての市場の動きに注目が集まっています。
米国の利上げ動向がキーになるので改めて主要な米国経済指標について表にまとめてみました
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次に注目される経済指標とマーケットコンセンサス
今後注目される経済指標とそのマーケットコンセンサスは以下の通りです:
生産者物価指数 (PPI) - 5月16日発表予定
概要: 生産者が販売する商品やサービスの価格変動を測定します。
マーケットコンセンサス: 月次で0.4%の増加が予想されています。
小売売上高 - 5月17日発表予定
概要: 小売業の売上高を示し、消費者支出の動向を反映します。
マーケットコンセンサス: 月次で0.4%の増加が予想されています。
住宅着工件数 - 5月18日発表予定
概要: 新築住宅の着工件数を示し、住宅市場の健全性を測ります。
マーケットコンセンサス: 年率換算で1.4%の増加が予想されています。
フィラデルフィア連銀製造業指数 - 5月18日発表予定
概要: フィラデルフィア連邦準備銀行管内の製造業の活動を測定します。
マーケットコンセンサス: 17.5ポイントが予想されています。