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ドットコムバブルと現在のAI相場


ドットコムバブルとは?

1990年代後半から2000年初頭、インターネット関連企業の急成長と過剰な期待により形成されたドットコムバブルが発生しました。1995年から2000年にかけて、NASDAQ指数は急騰し、2000年3月10日に5048.62のピークに達しました。しかし、収益を上げられない企業が多く、持続可能なビジネスモデルを持たない企業が多かったため、バブルは2000年に崩壊。結果としてNASDAQ指数は78%近く下落し、多くの企業が倒産しました。実際に暴騰した個別銘柄としては、Amazon、Yahoo!、Pets.comなどが挙げられます。
日本でもIT関連企業の成長は見られました。楽天やソフトバンクがその代表例です。

現在のAI相場の特徴

2020年のGPT-3の登場をAI相場の起点と仮定すると、以下の要因が現在のAI相場を支えています。

1. 持続可能なビジネスモデル: 2020年のGPT-3の登場以来、NVIDIAやMicrosoft、Google、AmazonなどのAI関連企業は、安定した収益を上げており、持続可能なビジネスモデルを確立しています。これらの大企業はAI技術を具体的な製品やサービスに組み込み、実際の売上に貢献しています。そして株価上昇とともに指数上昇も牽引してきました。

2. 多角的な収益源: 多くの大型ハイテク企業は、AI技術だけでなく、クラウドコンピューティング、広告、ハードウェア販売など、複数の収益源を持っています。このため、特定の技術の成功に依存しないビジネスモデルが構築されています。

3. 技術革新と市場ニーズ: AI技術は多くの産業で実際に利用され、効率化や新しいサービスの提供などに寄与しています。実際にAI技術が各企業の業務に取り込まれています。

ドットコムバブルとAI相場の違い

1. 収益性の違い: ドットコムバブル時の多くの企業は利益を上げていませんでしたが、現在のAI関連企業は収益を上げており、持続可能なビジネスモデルを持っています。

2. 市場の期待と実態: ドットコムバブル時は過剰な期待が先行していましたが、現在のAI相場では実際の技術革新と市場のニーズが一致しており、より実態に基づいた評価が行われています。

3. 収益源の多様化: 現在の大型ハイテク企業は、AI技術だけでなく、多様な収益源を持っています。これにより、特定の技術の成功に依存しない安定した収益基盤が構築されています。

AI相場が崩れる要因

現在の相場が崩れる要因は多数あるとは思いますが、私が特に懸念しているものを2点だけまとめました。

1. 決算がコンセンサスを下回る: 多くの投資家がNVIDAを始め、AI企業の収益に対して高い期待を持っているため、市場のコンセンサスはどんどん高まっている様に思います。しかし、いずれAI企業の決算が市場の期待に応えられなくなった時、株価は急落する可能性があるのではないでしょうか。

2. FRBの金融政策: また、現在のマーケットはFRBの利下げを過度に期待している様に思います。年内の利下げ期待が非常に強いように思います。利下げが年内に実施されなかった場合もマーケットが崩れる要因になるのではないかと思います。

最後に

現在のAI相場は、実際の収益性と持続可能なビジネスモデルに支えられていることから、まだ相場は続く可能性が高いと思います。
しかし、相場を支えている企業の決算内容がコンセンサスを下回る場合や、利下げが予想より遅れるといったサプライズが発生すると、相場崩壊のリスクが高まるように思います。

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