自分を探す殺し屋? 映画 「ヒットマン」

こんにちは!稜です。
今回は、グレン・パウエル主演の「ヒットマン」を2回観てきたので、こちらについて取り上げます。

※ネタバレありです!


1.予習状況

主演のグレン・パウエル。「トップガン マーヴェリック」はもちろん、今年は「恋するプリテンダー」「ツイスターズ」も公開され、今ハリウッドで最も勢いのある俳優と言っていいでしょう。
ルックスの良さはもちろんながら、本作では脚本も務めており、映画作りへの情熱も感じる俳優です。

ヒロインを務めたアドリア・アルホナさんは、本作で初めて知りました。「6アンダーグラウンド」「モービウス」といった大作に出演されてますね。

監督はリチャード・リンクレーター。「ビフォア3部作」「スクール・オブ・ロック」といった万人が知る作品から、「6才のボクが、大人になるまで。」のような実験的な作品まで、幅広いジャンルの映画を撮る印象です。

本作に向け、パウエルとタッグを組んだ「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」を鑑賞しました。大学野球に打ち込む青年たちを描いた本作で、パウエルは根は真面目なキャラクターを演じていました。こちらの作品には、本作と比較できる部分も多かったので、取り上げつつ感想を話していきます。

2.感想

ノワール、ロマンス、コメディなど、様々なジャンルがかけ合わさった映画で、面白かったです。
殺し屋という題材ながら、アクションよりも会話シーンをじっくりと映す場面が多く、意外でしたがその内容が魅力的で、最後まで楽しんで観る事ができました。
次節以降で詳細について触れていきます。

2−1 いつものパウエル、と思いきや、、?

今回のパウエルは、クライアントの要望に応える殺し屋役。登場時はメガネをかけ、冴えない雰囲気を醸し出していましたが、それ以降はいつものパウエルでしたね。
いつものような自信満々の彼とは違い、根は地味なキャラクターを演じていたため、一味違った雰囲気を楽しめました。
実は猫好きな部分にも、ギャップを感じます。

2-2 相性抜群の主演2人

主演2人の相性は抜群で、ずっと観ていたいくらいでしたね。パウエルは、傷ついた女性を再生することに関しては一級品です。
特にメモを見せながら、まるでダンスを踊るかのように演技を繰り広げるシーンは爆笑でした。

アドリア・アルホナさん演じるマディソンは、夫の束縛を受け、精神的に疲弊した状態です。そんな彼女に出会うことで、パウエル演じるゲイリーにも変化が見えてくる。当初はロンという仮の人格で接していたはずなのに、いつの間にかそう振る舞う自分に快感を覚えるようになる。この関係性が良かったですね。
マディソンは肝が座った女性で、保険金目当てで夫を殺害し、警官に毒を盛るなど、かなり大胆な行動に出ます。そんな彼女の行動力に影響されるかのように、ゲイリーが同僚にトドメを刺すシーンは、彼の変化を感じることができる良いシーンでしたね。これで良いのか?とは思いましたが。笑

2-3 監督の共通項

期末テストのシーン、ゲイリーの「なりたい自分を見つけろ」というメッセージ。まさに「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」のラストシーンに重なりす。監督の伝えたいメッセージは一貫しているのだと感じました。
クライアントの要望に応え、相手に合わせる生活を続けてきたゲイリー。そんな彼の人生は、マディソンとのお金を受け取らない取引を交わした瞬間から、一変しましたね。
大切な人に出会い、キャラクターの行動が変化していく様子は、殺し屋をテーマにした作品の王道です。そしてこのテーマは、監督が描きたかった自分探しというメッセージとの相性の良さを感じす。

また大学で哲学を教えている設定を活かし、哲学的なメッセージを組み込んでくる辺りも良かったですね。監督のこのような作風が大好きです。
特にマディソンと出会うきっかけとなる元妻との「人は変われると思う?」といった会話も、興味深かったです。

音楽も良かったです。「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」では「My Sharona」など、有名なロックがガンガン流れていたのに対し、今回は落ち着いた雰囲気のジャズが多く使われていて、観ていて心地よかったですね。このように、作風に応じて音楽を使い分けられる部分にも驚きました。

3.その他

・本作のパンフレット、おすすめです!デザインも秀逸ですが、心理学者の方のコラムや、楽曲の解説までついているので、読むと理解がより深まると思います。
・アメリカンな空気感を感じる事ができる、ダンスクラブやダイナーも数多く登場します。音楽も相まって、作品に上品な雰囲気が漂っていて良かったですね。
・今作も映画ネタは充実。またデイ=ルイス!マイアミ・バイス!僕が大好きな某作品でも観ましたね。

4.まとめ

様々なジャンルがミックスされた、一味違う殺し屋映画としておすすめです。
また監督の過去作との共通項も発見できるので、これを機にぜひ監督の過去作を観てみることをおすすめします。

早くNetflixで配信してほしいですね。

次回は「トランスフォーマー/ONE」を取り上げます。


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