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岡山大学歯学部の特徴②


1.はじめに

私の出身大学である岡山大学歯学部について紹介します。
今回は、個人的に感じている岡山大学歯学部の特徴を中心にご紹介します。

2.①歯科医師国家試験の合格率が高い

2-1.近年の歯科医師国家試験の合格率について

直近の第117回歯科医師国家試験では、厚生労働省の公開資料によると以下のような結果になっています。

      (出願者数) (受験者数) (合格者数) (合格率)
新卒者     2,358人    1,962人   1,600人    81.5%
全体      3,568人    3,117人   2,060人    66.1%

出典:001226799.pdf

既卒者を含めた全体での合格率は、他の医療系の資格と比べて約6割と非常に低く、新卒者でも10人に8人だけが合格するという厳しい結果となっています。

岡山大学は、出願者/受験者50名、合格者48名、合格率96%と国立大学の中で歯科医師国家試験の合格率が最も高いのが特徴です。
後述しますが、岡山大学は留年率も国立大学の中で低いので、ストレートで卒業でき、かつ国家試験にも合格しやすい大学といえると思います。

2-2.なぜ歯科医師国家試験合格率が高いか(私見)

岡山大学歯学部の歯科医師国家試験合格率が高い理由について、個人的な見解を述べます。以下の3点が主たる理由ではないかと考えています。
①学生のレベルが高い
これを言ったら元も子もない話かもしれません。ですが、やはりこれが一番の理由だと感じています。
よりかみ砕くと、勉強をする習慣がしっかりとある学生が多いため、試験が近づくと学生同士がグループで勉強し、質問をし合う環境が自然にできています。
歯科医師国家試験も定期試験や日々の勉強の知識の積み重ねである部分が大きく、特に直前期は学生同士が自然と協力して勉強しているため、全体のレベルが上がっていっていると感じました。
②先生方が協力的である
国家試験が近づくと先生方が対策講座をしてくださいます。
また先生方は非常に国家試験対策に協力的なので、質問があれば受けてくださいます。
③定期試験が難しい
科目や先生方にもよりますが、基礎系・臨床系科目含め、論述式の試験が多くあります。
大学によっては、定期試験も選択試験やマーク試験が主である場合もあると聞いたことがありますが、岡山大学は違います。
暗記も多く大変ですが、国家試験合格のために必要な知識を低学年の頃からインプットしており、さらに(ある種強制的に)勉強する習慣が持続するともいえると思います。

3.②留年率が低い

3-1.歯学部(歯学科)における留年率について

歯学部(歯学科)における留年・休学者の割合について、文部科学省医学教育課の公開資料によると以下のようになっています。

令和6年度 在学学生総数に占める留年・休学者の割合(国公立大学)
・北海道大学  10.0%
・東北大学   18.0%
・東京科学大学 13.6%
・新潟大学   13.1%
・大阪大学   16.7%
・岡山大学   10.2%
・広島大学   10.2%
・徳島大学    7.4%
・九州大学   31.0%
・長崎大学   15.1%
・鹿児島大学  13.2%
・九州歯科大学 12.8%

出典:各大学の歯学部歯学科の入学状況及び国家試験結果等

この結果から分かるように、岡山大学は国公立大学の中でも留年率は低くなっています。(各学年における結果、私立大学における留年率が気になる方は出典のURLをご参照ください。)

3-2.留年率が低いと何が良いのか?

留年率が低いことの最大のメリットは安心して勉強を続けられることだと感じています。留年をするとせっかく仲良くなった友人とも離れ、新たな環境で人間関係を構築する必要があります。特に歯学部は比較的閉鎖的な関係であることが多いため、留年をすると面倒なことも多いと思います。
また、多くの私立大学であるような最終学年で留年率が高く、国家試験が受けられないといったことはありません。
最終目標は歯科医師国家試験の合格ですので、留年率が低いということは、安定した環境で、安心して勉強を続けられるということにつながります。

※定期試験が難しいと先述しましたが、それでも留年率が低いのは、きちんと再試験があること(有料の大学もありますが、岡山大学は無料です)が大きいと思います。先生方は落第させたいと思って難しい試験を作っているというよりも、今後必要となる知識を得させるために、結果的に難しくなったという印象を持っています。
ですから、再試験までにしっかりと知識を定着させれば落第することはありません。

4.③キャンパスが中心部に近い、綺麗

岡山大学は、1,2年の教養科目で通う津島キャンパス、2年次以降の専門科目で通う鹿田キャンパスともにJR岡山駅から比較的近くにあります。
正確な情報は以下をご参照ください。

私の速度では徒歩で、JR岡山駅から津島キャンパスまで25分、鹿田キャンパスまで20分ほどで行くことができます。津島キャンパスと鹿田キャンパスはJR岡山駅を起点として反対側にありますので、多くの学生が自転車で通っています。
自転車だと私の速度では、JR岡山駅から津島キャンパスまで15分、鹿田キャンパスまで10分ほどで行くことができます。
特に国立大学の医療系のキャンパスは中心部から離れていることも多いですが、岡山大学は中心部から非常に近いので、買い物も便利ですし、生活で困る事はありません。

また、歯学部棟の改修工事が終わり2024年4月から新歯学部棟の利用が開始し、とても綺麗な校舎で学ぶことができます。
歯学部棟はもちろん岡山大学病院とつながっていますが、歯科の臨床、教育ともに新歯学部棟で行われますので、新しい、綺麗な環境で学べることは大きなメリットだと思います。

5.④授業時間

岡山大学は、授業が60分です。
他大学は90分授業が多いと思います。
そんな違いどうでもいいと思うかもしれませんが、90分授業の大学も経験した私からすると60分授業は非常に快適です。
集中力が続きやすく、勉強がしやすいです。

6.⑤留学のしやすさ

岡山大学では、歯学部独自のODAPUSプログラムだけでなく、グローバル人材育成院という組織があり、留学の環境を整えてくれています。

個人的には、グローバル人材育成院が実施する語学研修/短期海外研修への参加がおすすめです。
また大学独自の奨学金は比較的対象範囲が広いの点も有難いポイントです。
歯学部での学びは学年が上がるごとに専門的になり、卒業後はさらに専門性が増します。
学生時代に様々な学部の学生、先生方と交流し、また様々な国の環境・文化に触れて教養を深めるのがおすすめです。
(卒業後臨床研修のための試験での面接でもネタになります。)

7.⑥臨床実習

臨床実習は国立大学ではほとんど一般的ですが、大学5年次の9月~大学6年次の8月まであります。国家試験の勉強と並行しながら臨床実習が行われていきます。
岡山大学歯学部は、他大学と比べて担当できる患者さんの数が多く、臨床実習中も臨床に触れる機会が多いのが特徴です。
当然責任も大きくなり、担当医との事前のディスカッションはかかせません。
ですから、このディスカッションの準備、そして実際の臨床実習含めて勉強する量が多いこともあり、勉強と臨床がリンクし、特に国家試験の臨床分野の理解が深まっていたように感じます。

8.終わりに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
読んでくださった方にとって、少しでもためになれば嬉しいです。

歯学部受験生、歯学部学士編入受験生の方々は、岡山大学歯学部の公式ホームページの新着ニュースやプレスリリースを読んでみたり、また興味がある分野があればその分野の教授の論文を1-2個読んでみたりするのも良いと思います(内容全部は難しいと思うので、要約だけでも十分です)。

また次の記事でお会いしましょう。



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ぱんだちゃん
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