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夫の両親の50回忌

 私の生まれ育った実家は神道でした。
朝は歯磨き、顔を洗い、家族全員、神棚に向かって、一礼ニ拍手をしてから一日が始まる家庭でした。
そんな家だから家には仏壇はありません。
仏事のことは全く無縁の世界で育った私が、縁あって再婚した夫はお大師さんの懐で生まれ育ち、学校も高野山高校で学び、同級生の多くは全国各地の真言宗のお寺のご住職の方が多いと言う環境の人です。
そんな夫の両親の50回忌法要が昨日、高野山の菩提寺、遍照光院で営まれました。
夫と再婚しなければ、このような体験は出来なかった法要です。
人生とは本当に不思議なご縁です。
高野山の空気は凛として荘厳な中でも、温かみを感じさせる、そんなパワースポットです。

夫と縁あって再婚して今年で29年だから、今年50回忌法要の両親とは、生きている時には会えなかった両親です。
夫はとても優しい人で一度も私は叱られた事がないです。
人のことを決して悪く言わない、大きな声を出さない、いつもニコニコと穏やかな夫を見ていると、夫の両親や兄弟から幼い頃から愛情をたっぷりかけられた環境で育ったのだろうなと感じます。
それは、甘やかされていたと言うのではなく、本当の愛情で人としての心を育む愛だったのでしょう。
一度も会った事のない両親の逸話を聞くたびに思います。
生きてる時に会いたかったです。
そして、夫の両親にちゃんとお礼が言いたいです。
この人をこの世に産み出して、こんな優しい人に育ててくださって本当にありがとうございます。
不出来な嫁だけど、私はこの人と再婚出来て
私は毎日楽しく幸せに笑って過ごせる人生になりました。と…
50回忌法要で手を合わせて真剣にそう心の中で何度もお礼を言いました。

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