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4_「技術的」に可能か不可能か
「原理的に」可能 を満たしたうえで「技術的」実現性の検討
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物質分析のうち、図の中でどのに分析法の技術フレームを持ってくるのか、
どこに焦点を合わせたいのか、それによって技術を選択することになる。
「原理的」に可能か不可能か は歴史、社会的背景に関わることのない、
物質の物性、化学性に基づき、検討可能なものである。
背景学問体系に化学(有機化学・無機化学・物理化学)がある。
物質の物性、化学性にも、現段階で未解明な部分があるものの、
時代が変わったからと言って、容易に変わるものではない。
そのに対し、「技術的」に可能か不可能か は、刻々と変化し続けている。
現在の技術進歩は日進月歩ならず 秒進分歩 とさえ言われる。
1年間に発表される文献の数は、一人の人間が1年間に目を通せる数をすでに上回っており、網羅するにはAIの力を借りるしかない。
そして、現時点での、物質分析における
A. 限定的な条件で可能なエクストリーム技術
B. コモディティとして汎用される技術
C. 陳腐化してしまった、従来の技術
など、さまざまなレベルの物質分析のための技術が存在する。
技術の具体内容については、後日、公開先を限定の上(有料という意味)随時公開する予定だが、
ここでは導入概論として、「原理的」実現性に対する形での「技術的」実現性の捉え方を述べる。
物質分析において、
B. コモディティとして汎用される技術
が多くのニーズをカバーする。
逆に考えると、ニーズの多い物質分析の技術は、もともと
A. 限定的な条件で可能なエクストリーム技術
であったところから、時間を経てBへとシフトしやすい。
最も、端的な例として、
物質としての核酸の分析は、なんらかの生化学情報を持つゲノム単位の解析技術として、1983年にPCR法が確立された。
その後、1990−2003年の「国際ヒトゲノム計画」では
多くの関連分野の研究者が日夜汗を流し、
塩基配列解読技術のイノベーションを経て、ヒトゲノムをようやく解読した。
しかし、2025 年現在、この国際プロジェクトと同量の仕事は、
多少、しっかしりた思考・行動力のある短期雇用のアルバイトの方であれば
誰であっても、どこであっても、
数時間でこなす。
ゲノム解析は、生物の種系統、例えば、病原ウイルスや、進化系統関係を知りたい生物に対して、第一に適用される技術である。
ニーズの多さ、つまりマーケットの広さ、とコモデティ化の速度は正相関である。
逆に、どうしても実施したい物質分析であるが、ニッチなニーズに対しては、
永遠にA. 限定的な条件で可能なエクストリーム技術
しか存在しない例も多い。
「原理的」と「技術的」実現性には区別が存在し、切り分けて検討する必要がある。
そこまでの理解と納得が、その先への第一歩になる。
逆に、「原理的」と「技術的」実現性の区別さえ明確になると、筋道の立て方がわかってくる。
簡単で当たり前のようなことであるが、この点が共有されていないことが、協業の悲劇を生んでいるように見える。