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10_物質分析技術者の誇り

産業、研究、の華々しい新製品や研究成果リリース
その光の当たらない部分で働く、物質分析技術者
表には出ない仕事を、地味に裏方としてやる、
その気分を好む人も、好まない人も、いるが。

裏方で、物質分析を頼まれる人、雇われてやっている人、
そんなぶら下がり気分は捨てて、

国の産業・研究を支える基盤を担っている、という誇りをもち、
今、物質分析に携わっている千載一遇のチャンスを活かし、
技術研鑽を重ね、より盤石な基盤としていく、という目的を持てるよう、
サイテックハブはサポートしたい。

もう一度、なぜ、物質分析が重要なのか

どうか、自分の行う物質分析の技術が
どのように欠かせないのか。
他者へ、説明することを想定して、一度、言語化してほしい。

たとえば、

なんらか製品の生産開始から終了まで、
常に100%完全品のみが生産され欠陥品はゼロ、
ということは、ない。

規格外、動作不良、など、不良品度を減らし、いかに、
歩留まり(Yield) = (良品数 ÷ 全生産数) × 100%
を上げるか、は、
経営コスト面はもちろん、供給品の品質、マーケットにおける信頼に影響する
技術課題であり、努力方針となる。

不良品について、例えば、半導体製造では歩留り100%は現実的に想定されない。スーパーコンピューターも、チップが完全無欠であることは、想定していない。

半導体製造における目標歩留まりは
旧世代チップ(90nm~130nm)で85~95%
先端ノードチップ(5nm~7nm)では下り、60~80%となる。
いかに100%に近づけられるのか、が技術課題である。

初期投資として、生産に欠かせない機材ハードウェアや場所の確保は必要だ。
それとは別途、生産を実稼働させるには、生産管理レベルで
「物質分析」技術が必要になる。

半導体の例に限らないが、他の製品においても、
部材の物理的欠陥(キズ、ヒビ、凹凸)に加え、
ごくわずかな不純物、付着混入は、歩留まりに大きく影響する。

半導体であれば、大量に使用される洗浄水は、
不純物を含まない超純水である必要があるが、
どこまで、超純水であるか、が重要だ。

部材、水、原料、その他の製品製造や加工に使用されるもの全般(マテリアル)の不純物というのは、おおむね、微量であって、
それを捉える技術は、微量物質分析となる。

ここでいう微量とは、
マテリアル1gに対し、100万分の1g (ppm, 10-6 )以下、
時に1000兆分の1(10-15)ほどのレベルである。

様々な物質分析が存在する中で、容易な分析とは言い難い。

現在の、物質分析の「技術的」限界を超える不純物というものは存在する。

突出した産業を支えるには、今現在、可能な限り最先端かつ最高水準の物質分析技術が必要ということになる。

しかし、物質分析において「現実的」な、コストや調達できる機材、技術人材、における妥協があれば、歩留まりの向上が妨げられる、あるいは低下する。

半導体は基盤技術の重要性を示すインパクトある好例だが、
類例は、医薬品、食品、機械、家電、いずれにも共通するだろう。

基盤技術は国力

かつて、日本製の家電や自動車が、見た目は本物と一寸違わない他国製模造品よりも、“壊れにく”く、故障しにくい、という時代があったのは、

見た目には現れない、基盤技術、マテリアルレベルの物質分析が支えた部分が大きい。

1980年代後半の円高進行:1985年のプラザ合意以降、急速な円高が進行した。
日本製品の価格競争力が低下し、製造コストの高い国内生産から、コスト優位性のある海外生産への移行が促進されたこともあり、

多くの日本企業が海外、中国、ベトナム、インドネシアのOEMメーカーとの提携を強化した。

現在、日本メーカーの海外OEMへのシフトは、一般化されており、

他国ブランドと同じOEM(Original Equipment Manufacturer)メーカー生産を選択しているため、製品品質は日本ブランドも他国ブランドも、同じである。

前回の
9_技術者不足の切り口は、雇用制度、だった。

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同様に、上記経済産業構造変化が、国内技術者の雇用形態の変化とも相互に影響したはずだ。

いまの、技術人材不足は、物質分析技術者にとってはまたとないチャンスだ。

現在、もし有期雇用なのであれば、スキルを獲得し、アピールすることで、
無期雇用のチャンスが得られるかもしれない。

なんらかの物質分析をはじめたきっかけは、頼まれたから、雇われたから、
で、当初はぶら下がり気分であったかもしれない。

しかし、それは宝くじに当たった様なラッキーチャンスだ。
このチャンスを活かすには、日々の業務のぶら下がり気分の意識を変えること。

頼まれたから、雇われたから、勤務時間内の分析作業をやっている、のぶら下がり気分は、このチャンスを逃す。

メンバーシップ型からジョブ型へ、より待遇の良い職場への転職、解雇規制緩和に向かって進む時代に、チャンスを活かさない手はない。


「でもどうやって、分析技術スキルアップをすればいいの?毎日、与えられた業務をこなすことだけで精一杯なのに。」


そこで、具体的にどうしたら良いのか、をサイテックハブは考えた。

今後、シェアできる形態を随時用意していきたい。


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