![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157532868/rectangle_large_type_2_ff061fd3836460121f8af99ab66ad0fe.jpg?width=1200)
Photo by
def_light
帰り道に 【シロクマ文芸部】
金色に輝く長い髪。
友人に呼び止められて、振り返ると彼女が居た。彼女の長い髪は、夕日に照らされて金色に見える。陽の光が彼女のかたちを縁取っていた。強烈なオレンジ色の光に照らされていても彼女は、真っ直ぐ前だけを見て歩き続けていた。
彼女は歩を緩めずに僕を追い越していった。
僕はその場で友人を待つ。いや違う、動けなくなったのだ。夕日に包まれた髪の長い彼女を見た瞬間、僕の全てが止まってしまった。
ぼんやりとしたまま友人と言葉を交わした。その後、先を行く彼女の後を追うように歩き始めた。
とても眩しい。それが太陽によるものなのか、彼女自身なのか、僕には判断がつかなかった。
僕は歩みを止める。
彼女はどんどん先を行く。オレンジ色の太陽に向かって、ただひたすらに歩を進めていた。
彼女の姿はもう見えない。
彼女は夕日の中に溶けていった。
🌱🌱🌱
シロクマ文芸部さんの企画に参加しています🌱