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脳神経のお勉強 ー2ー

さっそく第7脳神経からいきましょう。

7.顔面神経

 顔面神経もまた、三叉神経同様、耳にしたことのある神経なのではないでしょうか。この顔面神経、こんなところに分布してます。
 ・鼻の中や口の中の粘液を分泌したり、涙腺の分泌線維
 ・舌の前側2/3の味覚線維
 ・あぶみ骨筋神経(あぶみ骨って耳の中の骨ね)

顔面神経に障害が起きると、、、、予想がつくと思いますが、こんな感じです。整理して記載します。

末梢性の顔面神経麻痺(顔面神経が分布している先に障害が起きた場合)
  〇障害が起きた側の顔面のすべての表情筋が麻痺
   -兎眼や額の皺が消えたり、口角が下垂する、麻痺が起きた側の
    口角からよだれが垂れる、口笛が吹けない、など
  〇さらには、味覚障害や、唾液の分泌に障害
  〇さらにさらに、音が大きく聞こえるといった聴覚障害など
より脳に近いところでの障害が起きた場合(中枢性顔面神経麻痺)
  〇額の皺寄せはできる以外は、末梢性の顔面神経麻痺が両側に起きる

8.内耳神経

この神経は次の2つの神経に分布してます。
 ・前庭神経:平衡覚をつかさどってます
 ・蝸牛神経:聴覚をつかさどってます

9.舌咽神経

結構この舌咽神経っていうのも、複雑かつ様々影響を及ぼしている神経かな。これもちゃんと整理して書いてみようと思う。

 分布
 ・耳下腺(耳下腺を分泌します)
 ・頸動脈洞枝(ここで血圧を感知して、心臓の運動を抑制したり血管を
  拡張させます。まあ、センサーですな)
 ・茎突咽頭筋
 ・扁桃枝
 ・舌の後ろ側1/3の知覚と味覚

 障害
 ・舌の後ろ側1/3の味覚が消失する
 ・舌の後ろ側1/3と咽頭の上半分、そして扁桃の無感症
 ・催吐反射が消失、口蓋反射が消失
  (喉の奥とかを触ろうとすると、おえっ、ってなる反射とかのこと)
 ・軽度の嚥下(飲み込み)障害

ここまでに出てきた「舌」にまつわる分布を図にしてみますね。

図1

10.迷走神経

迷走神経と次の副神経は、いろいろ書くことがあるので、初めからまとめて書いておきます。

 分布
  頭部・・・硬膜枝(脳硬膜)
       耳介枝
  頸部・・・咽頭枝(咽頭粘膜の知覚と分泌)
       上咽頭神経(外枝:下咽頭収縮筋、輪状甲状筋
             内枝:喉頭の粘膜の知覚)
       上・下頸心臓枝(交感神経と一緒に、心臓神経叢を形成)
  胸部・・・反回神経(右:鎖骨下動脈の下を反回
            左:大動脈弓の下を反回)
       →気管と食道の間を上行して、喉頭筋や気管、食道に分布
      ※反回って、下に向かった神経が、一旦上向きに走行することね
  腹部・・・胃枝
       肝枝
       腹枝(脾枝、腎枝、腸枝)
 障害:両側の迷走神経が切れると、ただちに死亡・・・
    片側の迷走神経障害が起きると、
      障害された側の軟口蓋が下垂
      鼻声と嗄声(かすれ声)
      軽度の嚥下障害
      頻脈と不整脈
      口蓋垂が障害されていない方に曲がる
       口蓋垂:のどち〇こ、のことね
      咽頭反射が消える(吐き気が起きなくなります)

11.副神経

 分布
  胸鎖乳突筋と僧帽筋
   ※僧帽筋は、副神経と頚神経叢の二重支配
 障害
  片側の場合
   胸鎖乳突筋の麻痺→障害が起きていない側に首を向けられない
   僧帽筋の麻痺→障害が起きた側の筋肉が下がり、
          腕を90度以上挙げられない
  両側の場合
   上向きに寝たときに頭を持ち上げられない
   両肩が下がってしまい、腕を挙げられない

12.舌下神経

これまで「舌」が出てきたのはあくまでも感覚、つまりは味覚に関することだったのですが、この舌下神経は「舌の運動」に関する神経です。
舌の筋肉は複雑に入り組んでいるのですが、舌下神経はすべての舌筋にいきわたっています。
そのため障害が起きると、例えば片側の舌下神経だと、舌を出したときに障害が起きている側に舌が曲がって、発音にも支障が出ます。


以上で12ある脳神経をざっくりまとめました。

たった12の脳神経ですが、それにしても人間て、すごいですね。

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