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体調急変、態度急変。

「今すぐ保険を解約したい!」

営業所に、医療保険を解約したいという電話がかかってきました。
その方は、保険屋さんで働いていた友人の勧誘を断れず、しぶしぶ保険に加入したそうで、保険料を払うことにずっとストレスを感じていたのだそうです。
そして最近、その友人が保険の仕事を辞めたと聞いて、解約を決意したそうです。

日本は健康保険や高額医療費制度が充実してるから…

解約の申し出があったとき、保険屋さんは、解約した場合の不利益事項を説明します。
不利益事項とは、例えば「解約した後は保障が一切なくなりますよ」とか、「後から保険に入ろうとしても入れない場合がありますよ」とか、そういうやつですね。
その説明に対して、お客さんは「構いません。日本は健康保険や高額医療費制度が充実してるから、医療保険は不要です!」とキッパリ。
そういうことなら、と、解約の書類を送付しました。

体調急変

解約の書類を送付してから一週間が経った頃、再度そのお客さんから電話がかかってきました。
書類の書き方がわからなかったのかな?と思いつつ電話に出たら、なんと、病気の報告でした。
解約の電話をした翌日に腹痛で病院を受診したところ、がん等の疑いがあるということで急遽入院が決まったそうです。

態度も急変

結局、その方は保険を継続することになりました。
「自己負担の医療費もバカにならない」「保険を継続したい」と、先日と正反対の意向になっていました。

お金を払うのは嫌 貰うのは好き

給付金をもらったそのお客さんは、今、保険を勧めた友人にどのような感情を抱いているのでしょうか…なんて考えてしまいます。

─ 自分はずっと健康だと思う
─ お金を払うのは嫌だけど貰うのは好き

すごーく、自然で、わかりやすい考え方ですよね。

保険屋さんは、人間の欲を間近で見られる仕事

実は、保険にまつわるお金の話で態度が豹変するお客さんは結構います。

一般社会では、「お金にがめつい=醜い」というイメージがあるのか、そういう感情を隠す人が多い気がしますが、こと保険に関しては、そういう感情をむき出しにする人が多いです。

私は今まで色んな種類の仕事をしてきましたが、こういう、人間の損得感情にまつわる喜怒哀楽にダイレクトに触れられるのは、保険屋さんの醍醐味だなぁと思います。

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