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第1章:女性性からの別れ | 働く令和女子のヒロインズジャーニー

「いつの間にか、本当の自分を見失っていませんか?」

ハートの音色を奏でよう!どうも、Heartistの山形です。

今回は、「働く令和女子のヒロインズジャーニー」の【第1章:女性性からの別れ】をお届けします。

仕事も順調、周囲からの評価もそれなりにある。なのに、心の奥では「何かが違う」と感じている。頑張れば頑張るほど、どこか空虚で、満たされない。
「もっと自分らしく生きたいのに、どうすればいいの?」

それは、あなたが女性性を抑えてきた影響かもしれません。

この章では、私たちが「本当の自分」を見失ってしまう理由と、女性性を取り戻すことの重要性を紐解いていきます。

本当のあなたに出会うための第一歩、一緒に踏み出してみませんか?



第1章:女性性からの別れ | 働く令和女子のヒロインズジャーニー

人生最初の深い別れは、母なるものからの分離であり、それは同時に内なる女性性との決別でもありました。

◆ 母との分離:最初の分岐点

鈴木真理子(46歳)は、リモートで終わった会議の画面を閉じながら、ふと母親からのメッセージを思い出していました。「お体に気をつけて」という決まり文句の後に続く「たまには実家に顔を見せて」という言葉に、いつものように複雑な感情が湧き上がります。「あんな風には、なりたくない」。それは幼い頃から、彼女の心の奥底で繰り返されていた言葉でした。

毎日の家事に追われ、夫に従順で、自分の夢を諦めたように見えた母の姿。イライラを子どもにぶつけ、時に被害者のように嘆く母の姿。会社では部下の相談に乗り、チームを導くリーダーである真理子の目には、母親の生き方が弱さの象徴として映りました

一方、田中美咲(42歳)は、広告代理店のクリエイティブディレクターとして、完璧な自己プロデュースを心がけていました。インスタグラムのフォロワーは2万人を超え、業界内での影響力も高い存在。しかし、深夜の撮影現場で化粧直しをしながら、ふと実家の台所に立つ母の後ろ姿を思い出し、複雑な感情に襲われます。

この母親との分離は、単なる反抗期とは異なります。それは、男性社会で期待に応え続けるための最初の選択だったのです。母親という最初の女性モデルを否定することで、私たちは無意識のうちに、自分の内なる女性性をも否定し始めます。

◆ 女性性の否定:生存のための選択

思春期を迎える頃、多くの女性たちは重要な選択を迫られます。それは、

  • 「女性らしさ」を捨てて男性社会で期待に応える完璧な自分になるか

  • 「女性らしさ」を戦略的に活用して男性社会を生き抜くか

という選択です。

真理子は前者を選びました。感情を抑え、論理的に考え、数字で結果を出すことを誓ったのです。毎朝5時に起きてジムで体を鍛え、完璧なスーツ姿で出社し、冷静な判断力で周囲からの信頼を勝ち取っていく。

一方の美咲は後者の道を選びました。知的で洗練された女性として自己をブランディングし、SNSでの発信力と実務での成果を組み合わせて、独自のポジションを確立していく。どちらの選択も、実は同じコインの裏表でした。それは社会からの期待への適応であり、本来の女性性の抑圧だったのです。

◆ 内なる少女との決別

しかし、最も深い別れは、私たちの内側で起こります。それは、かつて世界との純粋なつながりを感じ、直感的な知恵と豊かな感性に満ちていた「内なる少女」との決別です。

真理子は、小学校高学年のある日のことを鮮明に覚えています。週末の午後、縁側で本を読んでいた彼女は、庭に差し込む夕日の美しさに心を奪われていました。自然と胸が温かくなり、世界が光に満ちているような不思議な感覚に包まれていた時、台所から母の声が聞こえてきました。「ぼんやりしてないで、勉強しなさい。今は女の子だって自分の力で生きていかなきゃいけないのよ。」

その瞬間、胸の中で何かが凍りついたような感覚がありました。それは、自分の中にある繊細な感受性や豊かな感性を否定し、期待される「できる女性」になるための第一歩でした。以来、真理子は次第に夕日を眺めることも、自然の美しさに心を奪われることも、感情に素直になることもなくなっていきました。

美咲もまた、独自の形で内なる少女との別れを経験していました。中学生の頃、母親の手作り料理が参観日のお弁当コンテストで「主婦らしくない」と陰口を叩かれ、落ち込む姿を見て、彼女は決意します。「私は、誰からも批判されない、完璧な女性になる」と。その決意は、やがて彼女を広告業界屈指のクリエイターへと導くことになりますが、同時に本来の自分から遠ざかるきっかけともなったのです。

この別れは、以下のような形で私たちの内側に刻まれていきます。

  1. 感情の抑制:「感情に流されてはいけない」

  • 会議で涙をこらえる

  • チーム内の対立に冷静な判断を下す

  • オンライン会議でも表情を完璧にコントロール

2.直感の否定:「ちゃんと論理的に考えなさい」

  • データと根拠に基づく意思決定

  • KPIでの評価にこだわる

  • 「なんとなく」を許さない

3.身体性の忘却:「見た目や評価が大切」

  • 完璧なビジネススーツ

  • 休日も欠かさないジム通い

  • 年齢を感じさせない立ち振る舞い

4.競争原理の内在化:「認められなければ価値がない」

  • 常に結果を求められるプレッシャー

  • SNSでのいいね数への執着

  • 若手との比較による焦り

しかし、注目すべきは、この分離のプロセスが必ずしも「誤り」ではないということです。それは、現代社会を生きていくために必要な適応でした。真理子が外資系企業で評価を得られたのも、美咲が広告業界で独自のポジションを築けたのも、この適応があったからこそです。

ただし、その代償として私たちは、本来持っていた豊かな可能性の一部を、一時的に手放すことになったのです。

◆ 分離がもたらすもの

この分離は、短期的には大きな力をもたらします。感情に振り回されない強さ、論理的な思考力、目標達成への集中力。これらは確かに、現代社会で期待に応えるための重要なスキルとなります。

実際、真理子は40代前半でシニアマネージャーに昇進し、美咲は業界誌で「最も影響力のある女性クリエイター」に選ばれました。周囲からは「理想的なキャリアウーマン」として評価され、若手からは憧れの目で見られる存在となっています。

しかし、長期的に見ると、このプロセスは私たちの内側に深い影を落とします。それは「何かが欠けている」という漠然とした感覚となって、様々な形で表面化してきます。

  • 深夜、一人きりのオフィスでの説明できない虚しさ

  • 完璧な自己演出に疲れ果てる瞬間

  • 休日に感じる深い孤独感

  • 年齢を重ねることへの漠然とした不安

この章で描いた分離の過程は、実は後の統合への重要な布石となります。なぜなら、失われたものを取り戻すためには、まずそれが失われたことに気づく必要があるからです。そして、その気づきは往々にして、痛みを伴うものなのです。


さあ、ここで少し立ち止まって、あなた自身の物語に目を向けてみませんか。

こんな問いかけを自分自身にしてみてください。

「幼い頃の私は、世界とどんなふうにつながっていたのだろう?」

木々のざわめきや風の音、小鳥のさえずり、夕暮れの空の色—。あの頃感じていた世界との純粋なつながりを、そっと思い出してみてください。

もしよろしければ、あなたの記憶の中にある「あの頃の感覚」を、コメント欄で共有していただけませんか?私たちは誰もが、きっと似たような体験を持っているはずです。

明日からの日々を生きる中で、ふとした瞬間にあの頃の感覚が蘇ってくるかもしれません。それは、あなたの中の「本当の自分」からのメッセージなのかもしれないのです。


【第2章:男性社会での生存戦略】につづく・・・

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山形竜也 | Heartist | 男女性統合のガイド
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