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第2章:男性社会での生存戦略 | 働く令和女子のヒロインズジャーニー

「頑張るほど、なぜか心が苦しくなる…」

ハートの音色を奏でよう!どうも、Heartistの山形です。

今回は、「働く令和女子のヒロインズジャーニー」の【第2章:男性社会での生存戦略】をお届けします。

仕事で評価され、周囲からも「すごいね」と言われる。
でも、本当にこのままでいいの?
がんばった先にあるはずの充実感が、なぜか感じられない。

それは、「できる女性」として生きるために、本当の自分を抑えてきた影響かもしれません。

この章では、成功と引き換えに私たちが何を失い、なぜ満たされなくなるのかを紐解きます。

本当の幸せとは何か? その答えを一緒に見つけていきましょう。



第2章:男性社会での生存戦略 | 働く令和女子のヒロインズジャーニー

期待される立場で生きる女性たちは、二つの戦略のいずれかを選択せざるを得なくなります。しかし、どちらの道も、やがて魂の叫びに直面することになるのです。

◆ 二つの道:生き残るための選択

鈴木真理子が大学を卒業し、外資系企業に入社した頃、同期入社の女性たちの間で、ある種の分かれ道が生まれていました。それは、期待に応えるための二つの適応戦略を象徴していました。

- 第一の道:父親(男性)との同一化

真理子は、この道を選びました。それは、父親(男性)のような強さと結果を求める道です。

彼女は、感情を意識的に抑え込み、男性と同じように、あるいはそれ以上に成果を出そうと決意します。MBA取得のために休日も返上し、深夜までプロジェクトの資料と向き合う日々。それは、ある意味で父親の承認を求める旅でもありました。

平日は早朝5時起きでジムに通い、完璧なスーツ姿でオフィスに現れる。オンライン会議では常に的確な発言と冷静な判断を示し、部下との1on1では感情に流されない指導を心がける。「女性だから」と言われないよう、むしろ男性以上にデータと論理で勝負する。その姿は、まさに「完璧な仕事人」そのものでした。

- 第二の道:父親(男性)からの承認欲求

真理子の同期だった田中美咲は、この道を選択しました。それは、父親(男性)から認められる「良い娘」になろうとする道です。

美咲は知的で洗練された女性としての魅力を戦略的に活用して、男性社会での生き残りを図ります。自身の女性性、特にセクシャリティを戦略的に活用して、男性社会での生き残りを図ります。「素敵な女性」「美しい女性」「愛らしい女性」として男性たちから認められることで、キャリアを築いていく道を選んだのです。

おしゃれなカフェでの商談、洗練されたプレゼンテーション、業界誌での華やかな活躍。プロフェッショナルとしての実力を持ちながら、決して男性の立場を脅かさない立ち振る舞いを心がけました。

プロジェクトの成功を「チームの皆さんのおかげです」と謙遜しつつ、実は緻密な戦略で導いている。クライアントとの打ち合わせでは知的な魅力で信頼を勝ち取りながら、決して傲慢に見えない距離感を保つ。その完璧なバランス感覚は、男性社会で生き抜くための彼女なりの答えでした。

このアプローチは、一見すると女性性を活かしているように見えます。しかし実際には、男性からの承認を得るために、男性が望む形に自分の女性性を加工し、演出することでした。常に誰かの期待に応え続けなければならず、年齢を重ねることへの不安も大きかったのです。

- 共通の罠

一見正反対に見えるこの二つの道には、重要な共通点があります。どちらも他者からの期待に応えるための適応戦略だということです。

第一の道は、男性性との直接的な同一化による適応。
第二の道は、男性性からの承認を求める間接的な適応。

どちらの場合も、本来の女性性は抑圧されるか、表面的な「演技」として表現されるだけでした。この選択は、その時点では必要な適応戦略だったのかもしれません。しかし、それは同時に、本来の自分から遠ざかっていく第一歩でもあったのです。

◆ 完璧主義の仮面:代償としての疲弊

真理子は、外資系コンサルティング会社で頭角を現していきました。「女だてらに」という言葉を、成果で打ち砕いていく。それは、一種の快感さえ伴う戦いでした。

朝は誰よりも早く出社し、夜は最後まで残って資料をチェックする。オンラインでグローバルミーティングが入れば、深夜や早朝も厭わない。部下との1on1では、感情的にならず、常にデータに基づく客観的なフィードバックを心がける。体は疲弊し、心は干からび、感情は凍りついていく。それでも、彼女は走り続けました。

週末でさえ、瞑想アプリで心を落ち着かせ、ヨガで体のメンテナンスを行い、オンライン英会話で自己研鑽を欠かさない。完璧主義は、まるで魔法の鎧のようでした。その鎧を身につけている限り、誰も自分の弱さに触れることはできない。しかし同時に、その鎧は次第に重くなり、自分の本当の姿さえも見えなくしていったのです。

◆ 評価依存という檻

一方の美咲は、広告代理店でクリエイティブディレクターとして成功を収めていました。彼女の戦略は、より巧妙でした。知的で魅力的な女性という役割を演じることで、男性社会での居場所を確保する。それは、より高度な演技力を必要とする戦略でした。

インスタグラムのフォロワーは2万人を超え、業界誌では「最も影響力のあるクリエイター」として特集が組まれる。クライアントとの打ち合わせでは、知的な魅力と適度な親しみやすさのバランスを絶妙に保ち、プレゼンテーションでは聴衆を魅了する。

しかし、この戦略にも大きな落とし穴がありました。それは、常に誰かの評価や承認に依存せざるを得ないという構造です。「もっと洗練された提案を」「もっと革新的なアイデアを」「もっと若々しく」「もっと魅力的に」。終わりのない期待の連鎖の中で、本当の自分が何を望んでいるのかさえ、分からなくなっていったのです。

◆ 戦略の限界:魂の叫びが聞こえ始めるとき

どちらの戦略も、ある時点で限界を迎えます。真理子の場合、それは40代前半でした。プロジェクトは成功し、昇進も果たし、周囲からの評価も高かった。しかし、スマートフォンのカメラで確認する自分の表情が、どこか虚ろになっていることに気づいたのです。

重要なプレゼンテーションの直前、トイレの鏡を見ながら、彼女は不意に涙が溢れてくるのを感じました。理由は分からない。ただ、胸の奥が痛むような感覚。それは、完璧な仮面の下で押し殺してきた本来の自分からのメッセージだったのかもしれません。

一方の美咲は、35歳を過ぎた頃から、次第に不安が大きくなっていきました。新しい世代が台頭してくる中で、これまでの戦略がいつまで通用するのか。そして何より、「演じ続けることの疲れ」が、確実に蓄積されていったのです。

クライアントとの打ち合わせで、いつもの完璧な笑顔を浮かべながら、内側では「本当の私はどこにいるのだろう」という問いが響く。SNSでの高評価の裏で、実は誰にも本音を話せない孤独感に苛まれている。

このように、期待に応え続ける生存戦略は、確かに短期的な成功をもたらします。しかし、それは同時に、私たちの魂を少しずつ疲弊させていく道でもあるのです。そして、その疲弊が限界に達したとき、私たちは次の段階へと進まざるを得なくなります。それは、より本質的な自分との出会いへの旅立ちなのです。


さあ、今日も一日の仕事を終えて、静かな時間の中にいるあなた。

少しだけ心の奥に耳を傾けてみませんか。

毎日完璧に演じている「できる女性」というペルソナの下で、本当はどんな想いを抱えているでしょうか。その仮面の重さを、時に感じることはありませんか。

もしよろしければ、コメント欄であなたの「仮面」の物語を共有していただけませんか?それは、きっと同じような経験を持つ誰かの心に、深く響くはずです。

明日も、あなたは必要な仮面をつけて戦場に向かうかもしれません。でも、この瞬間だけは、ただありのままの自分でいることを、そっと許してあげてください。


【第3章:自己探求の始まり】につづく・・・

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山形竜也 | Heartist | 男女性統合のガイド
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