見出し画像

たくさんの「初めて」

石川県の石垣です。
私は来月、娘のいるアメリカのポートランドに行きます。娘のオペア留学(※)終了に合わせて行き、帰りは一緒に日本へ戻る予定です。この歳になって、往路は初めての1人海外!今からドキドキしています。

※オペア留学
海外の現地家庭で住み込みで働くプログラム。子どもの面倒や家事を担当し、空き時間は自由に過ごせる。学校へ通ったり、旅行に行ったりすることも可能。

さて、振り返れば第一子の娘ができてから、私にはたくさんの「初めて」がありました。今回はそのことについて書きたいと思います。

最初の「初めて」は、もちろん「母」になったこと。娘を妊娠し、胎動が始まった頃から母になる自覚が強く芽生え始めました。そして、出産。生まれたはかりの娘の愛くるしさに、私の中の母性が溢れ出したのを覚えています。

少し大きくなると、ドキドキしながらの公園デビュー。公園が見慣れた景色になり、娘は少しずつ私から離れて遊ぶようになりました。それでも、今までより私との距離を延ばして奥に進む時は、<行ってもいい?大丈夫だよね?>と言わんばかりにレジャーシートに座っている私を振り返ります。今思えば、母である私を拠点に安心感と勇気を充電して娘はプチ冒険を楽しんでいたのだと思います。

また、何気ない日常のなかで「おかあさん、だいすき」と何度も手紙をくれたり、園に迎えに来た私を見つけるなり、駆け寄って抱きつく姿。降りられなくなった遊具から、絶対的な信頼感で体の全てを私に預けて飛び込んでくる姿。
こんなにも無条件に私を愛し、求め、頼ってくれる。どれもこれまで経験したことがない、こんなにも求められる「初めて」の経験でした。

そしてこの頃には、1人では外食したことのなかった私が、娘を喜ばせるために1人外食デビュー。娘がいたので完全に1人ではありませんでしたが、大人は私だけ。今までできなかったことができた喜びを感じました。
他にも旅行は友達や旅行会社に任せきりだった私が、娘との2人旅にチャレンジ!知らない土地へ車を運転して行ったり、普段はしない電車の乗り換えに四苦八苦したり、時には人に尋ねながら旅の珍道中を楽しみました。

その頃の私にとっては、食事も旅も「誰かと楽しむもの」で一人で行くことはありませんでした。しかし、当時シングルマザーだった私の「娘を喜ばせたい」「寂しい思いをさせたくない」という気持ちからくる意を決した挑戦で、娘がいたからこその「初めて」でした。
だから、自分の食べたいもの・行きたいところはそっちのけで、娘が喜びそうな場所が目的地。最初はドキドキでしたが、実際やってみると表情豊かでおしゃべり上手な小さな娘との時間はとても楽しかったです。これらの「初めて」は、慣れてくると私自身の楽しみへと広がっていきました。今でもいい思い出です。

さらに、学童期に入ると、色々なことが初めてだらけ。入学式、授業参観、通知表、卒業式。保育園時代にできた「初めて」のママ友たちともすっかり仲良くなり、会う度に近況を話し子どもたち
の成長を喜び合いました。
娘が中学生になると、部活動のサポートや、修学旅行の見送り、高校受験の見守りなど。高校以降も、親の立場での「初めて」をたくさん経験させてもらいました。

最近では、大切な娘を海外のホストファミリーに託して離れで暮らす「初めて」の経験。そして、来月は初めての1人海外!

こうやって振り返ると、娘の存在は私にたくさんの「初めて」を与えてくれました。そして、「初めて」に出会う度に、私の人生は鮮やかに彩られていきました。でも、私の人生を彩るどの「初めて」も、娘が特別に何かをしてくれた訳ではありません。娘はただ、ずっと私の傍に居てくれただけ。娘の存在そのものが、私の人生を豊かにしてくれていたのだと感謝の気持ちが湧き起こりました。

私の娘として生を受け、元気でいてくれることへの「ありがとう」を、会った時に直接伝えようと思います。

2024年12月9日
石川県/石垣恵美 
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ


いいなと思ったら応援しよう!